お菓子の箱に何も入っていないとがっかりしますが、暴れるほどではありません。
[原題]In Cold Blood
[製作年]1967[製作国]アメリカ
[日本公開]1968
[監督・脚本]リチャード・ブルックス
[原作]トルーマン・カポーティ
[音楽]クインシー・ジョーンズ
[上映時間]134
主な登場人物
ペリー・スミス(ロバート・ブレイク):
出所したばかりの青年。友人ディックの話に乗る。
ディック・ヒコック(スコット・ウィルソン):
ペリーの友人。
アルヴィン(ジョン・フォーサイス):
カンザス州捜査局。二人の事件を追う。
その他の登場人物
テックス・スミス(チャールズ・マックグロー):ペリー父
あらすじ
ギターを持った青年ペリーは刑務所から出所したばかりだった。友人のディックから手紙を受け取り、そこには大金が手に入るヤマがあると書かれていた。ディックは家からライフルを持ち出し車で向かった。ペリーはディックと合流し車でカンザス州のクラター氏の家に向かった。デックが刑務所内で一緒になった男ウェルズがクラター家の農場で働いており、その家の金庫の中に1万ドル程あるというのだ。車の中で仕事が終わったらメキシコに行こう、翌朝、クラター家に長女ナンシーの友人が彼女を迎えに行くと一家四人が無残な姿で殺害されていた。全員縄で縛られ口にはガムテープ、クラター氏はのどを掻き切られており、息子の頭の下には枕が敷かれていた。家には現金はなく氏はすべて小切手だったし娘は暴行されていなかった。手掛かりは足跡だったが評判のいい一家で動機がわからず、事件に懸賞金がかけられると…
どんな映画?
刑務所から出所したペリーは友人のディックからある儲け話を聞きます。
ペリーの刑務所仲間だった男から、クラター家には1万ドル入っている金庫があると。
その話に乗っかるペリー。
もしうまくいったらと言う話に、「黄金」のボガートみたいにロバを買うと。しかしディックは金は手に入らない映画と同じさと返すのです。
一方で堅実で、誠実なクラター家の人々。
この後悲劇に見舞われるとは…
そしてとうとうクラター家に到着した二人。
惨劇が始まるのでした。
ペリーのネイティブアメリカンの母親は父親と離婚後亡くなり、その後トレーラーで暮らす父親と各地を転々としました。
一方ディックは若いのにすでに2回離婚しており、私生活もいい加減でした。
この映画は「ティファニーで朝食を」の原作者として有名なトルーマン・カポーティが、6年の歳月を費やして取材した記録を元に書かれた小説を原作として製作されています。
1959年11月の深夜、カンザス州ホルカムでペリー・スミスとディック・ヒコックはクラター宅に押し入り、夫妻、長男、長女の四人を殺害。強盗目的にも関わらずほとんど金銭を奪うことはできず、何の落ち度もない一家を惨殺したのです。この若者による無軌道な犯罪はアメリカを震撼させました。
絞首刑台に向かうペリー。
「たぶん 謝りたいんだと思う・・・・・・・誰に?」
彼らが絞首刑にされたのが1965年、この映画は1967年の製作ですが当時の犯人の写真を見る限り、ペリー・スミス役のロバート・ブレイク、ディック・ヒコック役のスコット・ウィルソンと似てるんですよね~すごいキャスティングです。
おまけにペリー・スミス役のロバート・ブレイクは2002年に妻殺害の容疑で逮捕されています。結局証拠不十分と裁判員制度で無罪になりましたが、実録犯罪を再現していた俳優が本当に犯罪に関ってしまったと話題になりました。
二人が4人を殺害する過程が、丁寧に描かれており、モノクロで撮影されている為余計に不気味さが増しています。
スタッフ・キャスト
監督のリチャード・ブルックスは1947年「十字砲火」の原作、1947年「真昼の暴動」1948年「キー・ラーゴ」のノワール作品の脚本を担当し、その後監督として、エリザベス・テイラー主演で1954年「雨の朝巴里に死す」1958年「熱いトタン屋根の猫」と文芸映画から、1966年「プロフェッショナル」1975年「弾丸を噛め」などの娯楽西部劇、1977年「ミスター・グッドバーを探して」と、この「冷血」で実録犯罪ものと幅広く活躍した監督さんです。
ペリー・スミス役のロバート・ブレイクは子役からキャリアをスタートさせ、映画の中でも話題に上ったジョン・ヒューストン監督の1948年の「黄金」でメキシコ人少年の役で出演しています。その後も1967年「雨のニューオーリンズ」、1969年こちらも実録犯罪ものの「夕陽に向って走れ」などの映画に出演。その後はテレビドラマ「刑事バレッタ」の主演などで有名でしたが、映画の出演自体は1997年のデヴィッド・リンチ監督「ロスト・ハイウェイ」の怪しい白塗りの男以来出演がありません。そして再び話題になったのが前述の2002年の妻殺害の事件でした。この事件を題材に映画を撮りたいとクエンティン・タランティーノが興味を示しているとか。実現して再びロバート・ブレイクが映画出演する日が来るのでしょうか?
ディック・ヒコック役のスコット・ウィルソンは映画やテレビドラマで活躍中、最近では医者とか博士とか社会的地位のある役が多いですね。個人的には1971年のロバート・アルドリッチ監督の「傷だらけの挽歌」で令嬢に一目ぼれする変態青年を演じていたのが印象的です。
カンザス州捜査官のアルヴィン役を演じたジョン・フォーサイスはヒッチコック監督の「ハリーの災難」(1955年)に画家役で出演しております。
ラストの絞首刑シーンは身につまされます。
まとめ
罪を犯して当然地獄行き
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