青春の鉄槌「陽のあたる場所」

犯罪


よくある話なのに、よくあっちゃいけない結果。

[原題]A Place in the Sun
[製作年]1949[公開]1951[製作国]アメリカ
[日本公開]1952
[監督・製作]ジョージ・スティーブンス
[脚本]マイケル・ウィルソン/ハリー・ブラウン
[音楽]フランツ・ワックスマン
[衣装]イーディス・ヘッド
[上映時間]122

主な登場人物

ジョージ・イーストマン(モンゴメリー・クリフト):
成功者の叔父を頼って来た青年。美しい令嬢アンジェラに一目惚れするが身分違いだと思っている。

アンジェラ・ヴィッカー(エリザベス・テーラー):
セレブ一家のご令嬢。ハンサムでどこか周りの男と違うジョージに惹かれる。

アリス・トリップ(シェリー・ウィンタース):
ジョージが配属された同じ下着工場のライン工。ジョージと交際する。

主な登場人物


ハンナ(アン・リヴェール):ジョージの母
マーロウ(レイモンド・バー):検事

あらすじ

ジョージは田舎から、成功した叔父を頼って出てきた貧しい青年だった。
教会で育ったジョージは、母親の信仰心と伝道生活に嫌気がさし、ビジネスチャンスをうかがっていた。叔父の邸宅に行くと、上流階級の人々が集まり、特にヴィッカー家の令嬢アンジェラに心を奪われたが、身分違いであると否応なく感じさせられた。叔父の会社で働かせてもらうことになったが、水着工場で箱詰めをするだけの係だった。そんな中、ラインで働いている同僚のアリスという女の子を気に入り、すぐに恋仲になった。二カ月程真面目に働いていたジョージに、叔父が思い出したかのように家に招待され、昇進を打診される。叔父の邸宅ではパーティーが行われており、大勢の人が招待されていた。遅れてアンジェラが登場し、すぐにジョージとうちとける。二人で会うことになったジョージはアリスとの約束を反故にして、湖に出かけていった。その頃アリスは妊娠に気づき、激しくジョージに結婚を迫った。すでにアンジェラとお互いの気持ちを確かめあっていたジョージには、アリスが疎ましい存在にしかならなくなっていた。そしてジョージは…

どんな映画?

職を求め伯父を頼って出てきた青年ジョージ。
同じイーストマンの名字を持ちながら、生活は雲泥の差でした。
伯父一家は成功者の暮らしをし、上流階級に属していました。

そこでジョージは美しいアンジェラに目を奪われます。

叔父さんとはいくら親せきと言っても与えられた仕事は、工場のライン作業でした。
それでも真面目に仕事をこなすジョージ。

女ばかりの職場。そのうち同じ工場で働くアリスと交際するように。
ほいですぐに深い仲に。

そうこうしていると思い出しかのように伯父さんの社長が登場。
えっこんなとこで働いてたの?
とゆーわけですぐに別の仕事をと家のパーティーにも呼ばれる。

場違い感この上ないジョージは、ビリヤードがある部屋に一人でいました。
そこに現れたドレス姿の美しいアンジェラ。

踊る二人と対照的に、一緒にジョージの誕生日を祝おうと言っていたのに置いてけぼりをくらうアリス。

そして徐々にうざくなってくる。とどめに
「できちゃったかも…」
まずいことにアンジェラも自分に好意を。
美人で金持ちのアンジェラ、自分からいって落とせない男はいないでしょう。

どうするジョージよ?

お似合いの二人だったが…
ラスト刑務所内での美しい二人の熱演は必見です。

ウッディ・アレン監督が「アメリカの悲劇」を元に映画化したのが2005年の「マッチポイント」です。

スタッフ・キャスト

この映画はセオドア・ドライサーの「アメリカの悲劇」を原作とした2度目の映画化になります。 1度目は1931年にマレーネ・ディートリッヒの映画を多く撮ったジョセフ・フォン・スタンバーグ監督によって映画化されました。そして、二度目の映画化がジョージ・スティーヴンスによって1949年に製作が開始され1951年に公開されたこの映画は絶賛され、第24回アカデミー賞で、監督賞(ジョージ・スティーヴンス)、脚色賞(マイケル・ウィルソン、ハリー・ブラウン)、音楽賞(フランツ・ワックスマン)、撮影賞(白黒) (ウィリアム・C・メラー )、衣装デザイン賞(イーディス・ヘッド)、編集賞(ウィリアム・ホーンベック )と6部門受賞を果たしました。

若いときに遊び半分で付き合っていた彼女の妊娠というよくある話。
真面目な人ほど真剣に悩む問題で、あきらめて結婚するか、ホントにクズなら逃げ切るかとこのどちらかになると思いますが、もう一つあってはならない「始末しちゃおう」。
「アメリカの悲劇」は実在の死刑囚チェスター・ジレットの事件をモチーフにしています。1906年にチェスター・ジレットは妊娠した恋人から結婚を迫られたため、湖に誘い出しボートの上でテニスラケットで殴打し溺死させたという事件です。ジレットはすぐに捕まり死刑に処せられます。

1931年の映画化ではイケメンですが軽薄な主人公像が出ており情状酌量の余地があまりないものでしたが、「陽のあたる場所」では主人公に対して同情の余地があり、それがまた悲劇的でもあります。


やはり時代や国が変わってもよくある問題。日本でも同じような彼女の妊娠問題で起こった1966年の天山事件をもとにした小説を、石川達三が「青春の蹉跌(さてつ)」として発表しています。こちらは1974年に神代辰巳監督が同名の映画を製作しています。

彼氏に結婚を迫って殺されてしまう事件は後を絶ちません。女から言ったら男が100%悪いしあり得ません。
ただこの映画は、若者が陥りやすい過ちを感傷的に描いています。
ジョージが出世や裕福な生活の為だけでなく純粋にアンジェラを愛していたこと。
事故で押し切れたかもしれないのに素直に罪を認めたこと。
これらが観る人の同情を誘い、傑作メロドラマに仕上がっています。

フラッシュバックされるジョージとアンジェラのキスシーンが悲壮感を漂わせます。
ジョージ役のモンゴメリー・クリフトは二枚目俳優として活躍し、アンジェラ役のエリザベス・テイラーとは1959年の「去年の夏 突然に」で共演しております。この映画のエリザベス・テイラーは当時17歳~19歳の美しさが冴え渡っておりました。

当然の主張なんだけど、うざい女になってしまった可哀想なアリスを演じていたシェリー・ウィンタースは、同じくジョージ・スティーヴンス監督による1959年の「アンネの日記」のファン・ダーン夫人役でアカデミー賞助演女優賞を獲得しています。1955年の「狩人の夜」や1959年「ロリータ」ではなんか邪魔者扱いで死ぬ役、昔の有名女優、色ボケのおばはんと演じる役は幅広く、「陽のあたる場所」の頃はまだ若く、まあ美人かな~と思われるのですがその後、どんどん体格が良くなっていき、それがかえってこーゆーおばはんいるな~と晩年までも大活躍でした。1970年の「血まみれギャングママ」では4人兄弟のイカれたママを熱演しております。この映画では泳げないアリス役でしたが、1972年の「ポセイドン・アドベンチャー」では元潜水選手の女性を演じ涙涙の名演でした。

まとめ

若気の至りで地獄行き

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