カップルになると二人でおかしな
テンションになる人たちがいますネ
あっ
僻みじゃないですよ!多分…
[原題]Badlands
[製作年]1973[製作国]アメリカ
[日本公開]未公開
[監督・脚本・製作]テレンス・マリック
[製作総指揮]エドワード・R・プレスマン
[撮影]ブライアン・プロビン/ステヴァン・ラーナー/タク・フジモト
[音楽]ジェームズ・テイラー/ジョージ・アリソン・ティプトン
[上映時間]95
主な登場人物
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キット・カラザース(マーティン・シーン):
25歳のジェームズ・ディーン似の清掃員の男。たまたま見かけた15歳のホリーと付き合うことに。簡単に人を殺害する。
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ホリー・サージス(シシー・スペイセク):
15歳の少女。幼い頃に母親を亡くし厳格な父親と二人暮らし。
その他の登場人物
ホリーの父(ウォーレン・オーツ): ホリーの父、看板屋
金持ちの家の主人(ジョン・カーター)
ケイトー(ラモン・ピエリ):キットの元同僚
あらすじ
幼い頃に母親を亡くしたホリーは、悲しみが癒えない父親と再出発する為にサウスダコタ州の小さな街に引っ越した。そんな小さな街の片隅で起こった事件が、後に「Badlands(悪い土地)」に繋がっていった。ゴミ清掃員の仕事をしている25歳のキットは、ある日自宅の庭先でバトンの練習をしていた15歳のホリーに声をかける。二人で少し話すが、父親が許さないとホリーは去る。仕事をクビになったキットは再びふらりとホリーの家を訪ねる。ジェームズ・ディーンに似ていてモテそうな外見のキットに、学校では目立たない存在のホリーは惹かれていった。カウボーイになり牛の世話をするようになったキットと、ホリーは父親に内緒で交際するようになった。しかし、二人の交際がホリーの父親にバレてしまい、怒り狂った父親はホリーが可愛がっていた犬を撃ち殺してしまった。それ以来父親の監視が厳しくなりキットはホリーと会うことができなくなっていた。キットは看板を描いている仕事中の父親に直接会い、ホリーとの交際を許してもらおうとするが、父親は取り合わなかった。キットは静かに立ち去るが、家に忍び込み勝手にホリーの部屋で荷造りを始める。父親とホリーが帰宅すると銃を持ったキットが立ち塞がった。ホリーを連れて行くというキットに、父親は冷静に警察に行くと背中を向けた。脅しも通じず、出て行こうとする父親にキットは発砲してしまう。父親は即死してしまい、ホリーは悲しみながらもキットに着いて行くことにする。家にガソリンを撒き火を放ち、「二人で死ぬ」と吹き込んだレコードを流した。車に乗り込み、しばらくは二人っきりで森で過ごすことにするのだが…
どんな映画?
1958年にネブラスカ州で実際にあった「スタークウェザー=フューゲート事件」を元に、テレンス・マリックが監督・脚本・製作。テレンス・マリック監督の長編映画デビュー作となります。当時32歳のマーティン・シーンと23歳のシシー・スペイセクが、25歳と15歳の殺人カップルを演じています。
ゴミの清掃員をしている若者キット
ちょっとジェームズ・ディーン似
そんなキットと幼い頃に母親を亡くし
父親と暮らす15歳のホリーは
交際を開始!
当然父親は交際に反対。
ホリーを徹底監視するように。
会えなくなったキットは
ホリーの家に侵入し
勝手に荷造り。
父とホリーが帰宅すると
通報しようとする父を
射殺!
キットとホリーは自宅に火を着けて
車で逃走
森に逃げ込んで2人きりの生活を
楽しんでいたのですが三人の警官に
見つかりキットは容赦なく
三人を射殺!
またまた逃走。
今度はキットの清掃員時代の
友人に会いに行くキットとホリー
友人のケイトーは家の管理を
一人で任されていました。
そこで三人で食事。
キットはケイトーは通報すると
思いやっぱり容赦なく発砲!
一体どんだけ殺すんだ!
でキットとホリーは広大な
大地を逃げ続けるのですが…
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とにかく美しい風景ー の中で何の感情もないように殺人を犯すキット
実際にあった「スタークウェザー=フューゲート事件」の犯人チャールズ・スタークウェザーは、当時19歳恋人のカリル・フューゲートは、14歳という本当に若いカップル。この殺人カップルは、逃走の間に11人を殺害し当時のアメリカに衝撃が走ったそうです。それと同時に2人のルックスにも注目が集まり、特にスタークウェザーはジェームズ・ディーン似で騒がれたそうです。スタークウェザーは死刑となりましたが、この事件の争点は14歳のカリルが実際に殺人に加わったかどうかでした。 この映画では実際に殺人を犯すのはキットのみで、それに淡々してちょっと人事みたいに着いていくホリーという構図になっており、ホリーの独白でストーリーが展開しています。
テレンス・マリック監督らしく、美しい映像で地獄の青春映画として高い評価を得ています。佳作ながら日本では劇場未公開で、その後にマーティン・シーンが出演したフランシス・フォード・コッポラ監督の「地獄の黙示録」(1979年)が有名になり、ビデオ化、テレビ放映の際のタイトルに「地獄」がつけられてしまいました。スティーヴン・セガールの映画タイトルがみんな沈黙になってしまうのとおんなじ感じです。 劇中金持ちの家を訪ねてくる男性は、テレンス・マリック監督ご本人です。
オープンニングや作中に頻繁に流れるテーマ曲は、カール・オルフの「Gassenhauer 」です。この曲は、ハンス・ジマーが編曲して「You’re So Cool」として、クエンティン・タランティーノ監督の1993年のヒット作「トゥルー・ロマンス」に使用されています。カール・オルフは「カルミナ・ブラーナ」の作曲者として有名です。
この映画は後にオリバー・ストーン監督の「ナチュラル・ボーン・キラーズ」(1994年)などに影響を与えています。
スタッフ・キャスト
監督・脚本・製作を担当したのはこの映画が、長編デビューのテレンス・マリック。アメリカ合衆国出身、ハーバード大卒の映画監督。1971年にドン・シーゲル監督の「ダーティーハリー」の脚本に参加。1973年に「地獄の逃避行」で長編監督デビュー。1978年に公開されたリチャード・ギア主演の「天国の日々」で、こだわり抜いた映像高い評価を得ています。その後20年間別のプロジェクトに携わっていましたが完遂させられないまま1998年に戦争映画「シン・レッド・ライン」で監督復帰。2011年にブラッド・ピット、ショーン・ペン主演の「ツリー・オブ・ライフ」の監督・脚本しています。非常に寡作ながらも美しく印象的な映像作家さんです。
15歳のホリーを演じたのは当時23歳のシシー・スペイセク。アメリカ合衆国テキサス出身の女優さんで、1972年に映画デビュー。「地獄の逃避行」(1973年)は日本では劇場未公開だった為、彼女の存在が知られるようになったのは1976年のブライアン・デ・パルマ監督のホラー映画「キャリー」での主演でした。可愛い?美人?と何とも言えないけど、美人女優とはちょっと違うルックスで、20代半ばでも高校生役で出演されています。1977年にロバート・アルトマン監督の「三人の女」に出演。1980年に主演し、歌声も披露した「歌え!ロレッタ愛のために」で、アカデミー賞主演女優賞を獲得しています。この映画は、カントリー歌手であるロレッタ・リンの半生を描いている伝記映画ですが、13歳からのロレッタ・リンをシシー・スペイセクが演じています。若い頃のトミー・リー・ジョーンズも出演されています。その後は、コスタ=ガヴラス監督の「ミッシング」(1982年)の母親役を、カール・ライナー監督のホラーコメディ「2つの頭脳を持つ男」(1983年)ではその美声を活かして脳みそ(?)の声で登場。現在までもコンスタントに映画出演をされている実力派女優です。 プライベートでは、この「地獄の逃避行」で知り合った美術監督のジャック・フィスクと1974年に結婚。デ・パルマ監督の「ファントム・オブ・パラダイス」、「キャリー」やデヴィッド・リンチ監督の「ストレイト・ストーリー」でも夫婦で参加されています。
まとめ
殺人カップルで地獄行き
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