暗闇でビックリ「暗くなるまで待って」

サスペンス

ビックリシーンは心臓に悪いです。

[原題]Wait Until Dark
[製作年]1967[製作国]アメリカ
[日本公開]1968
[監督]テレンス・ヤング
[製作]メル・ファーラー
[原作]フレデリック・ノット
[音楽]ヘンリー・マンシーニ
[上映時間]109

主な登場人物

スージー・ヘンドリクス(オードリー・へプバーン):
事故で盲目になってしまった女性。その時助けてくれたサムと結婚。

ハリー・ロート(アラン・アーキン):
犯罪首謀者。ぺったり髪型と変なサングラス。

その他の登場人物

マイク・トルーマン(リチャード・クレンナ): 詐欺師
サム(エフレム・ジンバリスト・Jr): スージーの夫、写真家
カルリーノ(ジャック・ウェストン): 組織のメンバー、元刑事

あらすじ

ニューヨーク、ケネディ国際空港行きの飛行機にヘロインを仕込んだ人形を持ったリサという女が乗り込んだ。空港に着くとリサは通りすがりの男性、サムに人形を渡し黒いサングラスの男(ロート)に捕まった。マイクとその太った相棒カルリーノがある家に呼び出された。二人はアパートの部屋に入り物色するが何も見つからない。そこに丸いサングラスをかけた怪しい男ロートが入ってくる。ロートは二人に脅迫めいたことを言い、殺害したリサの遺体を毛布で包めと指示を出す。そこにアパートの住人である盲目のスージーが帰ってくる。同じ部屋にいる三人は息を潜め、何となく人の気配を感じるが誰も返事をしないため外出の準備をする。クローゼットの中にはリサの遺体があるが気がつかないでそのまま出ていくスージー。スージーの夫サムは写真家でしょっちゅう家を空けていた。スージーはサムにスカーズデール(NYのウェストチェスターの街)で女の子の遺体が上がったと殺人事件の話をするがサムはあまり気に留めていなかった。サムが出張に出かけ、スージーはグロリアというメガネの女の子に面倒をみてもらうことになっていた。そこに外の車の中から様子をうかがっていたロートたちは、マイクをスージーの家に向かわせる。

どんな映画?

一言でいいますと、盲目女性の巻き込まれ型サスペンスです。
元は舞台劇なので、ほとんどが家の中のシーンで展開します。

ニューヨークのケネディ国際空港に到着したカメラマンのサムは
若い女性から人形を渡されます。
多少不審に思うもののそのまま自宅のアパートに持って帰ります。

しかしその人形はヘロイン入り。
若い女性が3人組の組織から奪い逃走中でしたが、
彼らに捕まり殺害されてしまいます。

サムの部屋を突き止めた3人組は
人形が見つからず、若い女性の遺体をクローゼットに入れて様子を見ることに。

サムには盲目の妻スージーがおり
彼女から人形のありかを聞き出そうと
するのですが…

電話線が切られたことがわかり
困惑し叫ぶスージー

フレデリック・ノットによる戯曲を映画化。ブロードウェイでロングラン公演でしたが、舞台版を観ていないのでわからないのですが、後半のドッキリシーンを
どうやって表現したのか観てみたいものです。

1998年にアメリカで上演された舞台はアラン・アーキンが演じたハリーをクエンティン・タランティーノ監督が演じていました。

エンドロールで流れる主題歌は「暗くなるまで待って」(ヘンリー・マンシーニ作曲)です。

やはり見所は、主人公が盲目で部屋の中に死体があっても気づかないところや、視聴者側がわかっていることがわからないハラハラ感など、かなりの演技力を必要とするものです。
ビックリシーンもあり
ヘプバーンの大袈裟な演技が引き立ち、
後のリチャード・フライシャー監督の「見えない恐怖」(1973年)にも通じる良品サスペンスです。

スタッフ・キャスト

監督のテレンス・ヤングは007シリーズの監督として有名。1979年のシドニー・シェルダン原作の「華麗なる相続人」で再びオードリー・へプバーンを起用しています。

主人公は銀幕の妖精オードリー・へプバーン。亡くなってからもう30年近く経つのですが、今だに知らない人がいないんじゃないかと思われる伝説の女優さんですね〜ベルギー出身でイギリスで何本か映画に出演した後、1953年に公開された「ローマの休日」で初主演にもかかわらずいきなりアカデミー賞主演女優賞を受賞しました。その後は怒濤のヒット作話題作に連発主演、「戦争と平和」(1956年)や「尼僧物語」(1959年)などのシリアス大作はありますが、「麗しのサブリナ」(1954年)「パリの恋人」(1957年)「昼下がりの情事」(1957年)「ティファニーで朝食を」(1961年)などベテラン俳優を相手にしたロマンス映画がぴったりでした。

製作のメル・ファラーは当時のへプバーンの夫、出演中に別居し、日本公開後には離婚していました。アメリカ人俳優であるメル・ファーラーは映画監督、プロデューサー業でも活躍し、ヘプバーンと結婚していた頃は共演も多く、自身の監督作品である「緑の館」(1959年)ではヒロインに起用しましたが、ヒット作話題作に出演していたオードリー・ヘプバーンのキャリアの中でもめずらしく見事にコケました。その後メル・ファーラーはヨーロッパ映画で俳優としても活躍し、ロジェ・ヴァディム監督の「血とバラ」(1960年)などに出演。以降のキャリアはホラー出演も多く、トビー・フーパー監督の「悪魔の沼」(1977年)に出演されていました。

怪しい犯罪組織の首謀者を演じたアラン・アーキンはアメリカ出身の性格俳優。この映画の翌年には「愛すれど心さびしく」で今度は耳が不自由な青年を演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。多数の作品に出演し、最近では気の良いおじいちゃん役がハマっています。2006年の「リトル・ミス・サンシャイン」では、旅の途中で亡くなるおじいちゃん役でアカデミー賞助演男優賞を獲得しました。現在85歳ですがまだまだ現役です。

オードリー・ヘプバーン演じる盲目のスージーに心を絆される詐欺師を演じたのはリチャード・クレンナ。若い頃からB級映画に多く出演、ローレンス・カスダン監督の「白いドレスの女」(1981年)に出演した翌年「ランボー」(1981年)でサミュエル・トラウトマン大佐を演じ、再ブレイクを果たしました。

まとめ

暗闇で地獄行き

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