子役はつらいよ「キッド」

ドラマ

子供の頃もてる人に限って、
おっさんになると大変なことに…

[原題]The Kid
[製作年]1921[製作国]アメリカ
[日本公開]1921
[監督・脚本・製作]チャールズ・チャップリン
[上映時間]オリジナル版/68分、サウンド版/52分

主な登場人物

放浪紳士チャーリー(チャールズ・チャップリン):
山高帽にピタピタスーツ、ダボダボのズボンに穴の空いた靴、チョビヒゲにステッキを持った貧乏人。ある日赤ん坊を拾う。

ジョン(ジャッキー・クーガン):
女優に捨てられた赤ん坊。チャーリーに拾われ、そのまま養育される。

その他の登場人物

母親(エドナ・パーヴィアンス):赤ん坊を捨てるがその後女優で成功
木賃宿の主人(ヘンリー・バーグマン)
天使(リタ・グレイ): チャーリーの夢の中に出てくる天使。チャーリーを誘惑する。
警官(トム・ウィルソン)

あらすじ

慈善病院から赤ん坊を抱えて出てきた女は途方に暮れていた。女は思い余って、立派なお屋敷の前の車の中に赤ん坊を置き去りにして行った。しかし車は盗難にあい、車泥棒たちは赤ん坊を道端に置いて行ってしまう。偶然通りかかった放浪紳士チャーリーは赤ん坊を拾い、近くの乳母車に乗せるがうちの子じゃないとおかみさんに怒られる。そのまま再び道に置き去りにするが警官にみつかり結局そのまま連れ帰る。チャーリーは赤ん坊を抱え、おくるみの中にこの子をよろしくという手紙を見つける。赤ん坊をジョンと名付け必死にあやした。母親は思い直しお屋敷に戻るが車はなくなってしまい、動転してしまうだけだった。5年の歳月が流れ、チャーリーはジョンを本当の子供のようにかわいがり、貧しいながらも愛情にあふれていた。チャーリーはジョンに石でガラスを割らせ、そこに彼がガラスを背負って通りかかり修理するという詐欺まがいの仕事を生業にしていた。一方捨て子の母親は今や大スターになっていた。

どんな映画?

喜劇王チャップリンの初の長編作品で、サイレント映画です。
チャップリンと言えば、山高帽にステッキ、ちょび髭、ボロボロのチョッキ、だぼだぼのズボン、大きいドタ靴でひょこひょこ歩くといった感じでしょうか。
すぐにチャップリンだとわかる愛すべきキャラクターです。

そんな放浪紳士チャーリーが赤ん坊を拾います。
成り行きで育てることになったチャーリー。
5年後その男の子は本当にかわいらしい子供に育ちます!!
これがまあ本当に小っちゃくってかわいいのなんの。
ジョン役のジャッキー・クーガンは当時7歳程だったのですが、
平均より小さく感じます。

チャップリンの作品は食事のシーンが多いのですが、あまりおいしそうなものは少ない気がしますが、(「黄金狂時代」の靴を食べるシーンとか)この映画で、パンケーキを分け合って食べるシーンがとても微笑ましく、美味しそうなのです。

チャーリーとジョンの掛け合いが、愛情にあふれほほえましく、そして感動を呼ぶのです。

しかし、そんな日々は続かずに…

この映画の撮影の最中、チャールズ・チャップリンは最初の妻ミルドレッド・ハリスとの離婚訴訟でもめていました。結婚当時彼女は16歳と言われています。うーん。
また、「キッド」の劇中に、後に2番目の妻になるリタ・グレイが、夢の中でチャーリーを誘惑する天使の役で出演しています。当時彼女は12歳?!チャップリンってやっぱり、うーんどうでしょうか?
あだ名が「小児科医」だったとか言われておりますが、英国時代の恋仲だった少女が死んでしまいその面影を追っていたのだとか。そんな「ロリータ」のハンバート・ハンバートのようなことが本当にあるのかしらん?
と思ってしまうのですが、そんな私生活のことは映画とは関係なく(かなり製作には左右されたようですが)チャップリンの映画が素晴らしいことには変わりありません!!

スタッフ・キャスト

女優役の女優エドナ・パーヴァインアンスは1915年から1923年までのチャップリン作品に全て登場しています。

ジョン役のジャッキー・クーガンはこの映画の出演で、当時最も知られる子役になりました。子役時代にものすごーく稼いだにも拘わらず、彼が成人した頃には実母と義父によって資産はほぼ浪費されていたのです。クーガンは親に対して訴訟を起こし、この事件がきっかけで1939年に子役が働く規定を設けたクーガン法が成立したと言われています。子役が大人になっても俳優として活躍できるのは、かなり困難なことですし、特別な才能や能力、そんでもって役に恵まれる運も必要になるでしょう。その後のジャッキー・クーガンは俳優を続けますが、かわいい時代はすぐに終わりを告げおっさんに!?1969年の「かわいい女」に出演していた時はハゲていました。

今年のアカデミー賞でジュディ・ガーランドを演じたレニー・ゼルウィガーが主演女優賞を受賞しましたが、1939年「オズの魔法使い」でドロシーを演じたジュディ・ガーランドはこの頃17歳で薬物中毒だっと言われています。
1947年「三十四丁目の奇蹟」で人気スターになったナタリー・ウッドはその後も青春スターとして活躍しましたが、撮影中によくわからない死に方をしたり、1973年「エクソシスト」のリーガン役のリンダ・ブレアも薬物中毒。1982年「E.T.」のドリュー・バリモアはローティーンですでに薬物中毒、しかし立ち直った彼女は今や女優にして名プロデューサーです。1990年代を代表する大ヒット映画「ホーム・アローン」で主演したマコーレ・カルキンは両親との金銭問題が発生しその後低迷、たまにSNSなどで話題は出る程度です。

スターであり続けることができても、周囲の関係性や金銭問題など過酷な生活が待っている事が少なくありません。

もちろん着実にキャリアを重ねるスターの中には子役の頃から活躍している人も多いのは確かです。エリザベス・テイラー、ジョディ・フォスター、ナタリー・ポートマン、エマ・ワトソンなど美しさも劣化せず着実に実力を重ねていく女優も少なくありません。
でもスターって精神的にも肉体的にも本当につらい職業なんだな~と感じてしまいますね。

そんな彼らが身を削ってまで出演する映画ってすごい魔力があるんでしょうね!

まとめ

子役で成功し地獄行き

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