宇宙への道「ガタカ」

SFサスペンス

向いていないと言われても
諦めは悪い方です。

[原題]Gattaca
[製作年]1997[製作国]アメリカ
[日本公開]1998
[監督・脚本]アンドリュー・ニコル
[製作]ダニー・デヴィート/マイケル・シャンバーグ/ステイシー・シェア
[音楽]マイケル・ナイマン
[上映時間]106

主な登場人物

ヴィンセント・アントン・フリーマン(イーサン・ホーク):
不適正者。宇宙への夢を諦めきれず、エージェントにより適合者になりすまし「ガタカ」に入所。

アイリーン(ユマ・サーマン):
不適正者の女性。「ガタカ」に勤めている。ヴィンセントの同僚。

ジェローム・ユージーン・モロー(ジュード・ロウ):
優れた適正者。元水泳のスーパースターだったが事故により車椅子の生活に。

その他の登場人物

アントン(ローレン・ディーン): ヴィンセントの弟、適正者
ヒューゴ捜査官(アラン・アーキン):事件の捜査にあたる
ジョセフ(ゴア・ヴィダル):ガタカ航空宇宙局長
シーザー(アーネスト・ボーグナイン): 清掃課長
レイマー医師(ザンダー・バークレイ):「ガタカ」内の検査医
ヴィンセント父(イライアス・コティーズ)
ジャーマン(トニー・シャルーブ):ジェロームとの仲介人
遺伝学者(ブレア・アンダーウッド)

あらすじ

宇宙局「ガタカ」に勤めているヴィンセントは一週間後土星に旅立つことになっていた。
近未来、遺伝子操作により優秀な遺伝子を選択して知力・体力ともにすぐれた者を「適正者」とし、そうでなく自然に生まれた者を「不適正者」としてIDの登録をさせ厳しく区別されていた。「不適正者」の多くは心臓に欠陥があり、長く生きるのが困難でヴィンセントも30歳が寿命と宣告されていた。これに懲りた両親は今度は普通のやり方で子供を作ることに。優性な遺伝子だけを選んで作った子供アントンは体力も知性もヴィンセントより優れていた。宇宙飛行士になる夢を持っていたが、視力も悪く体力で劣っていたヴィンセントはどこに行っても採用されず、それどころかDNA検査で「不適正者」と判断されてしまえば受かることはなかった。ヴィンセントとアントンは子供の頃から親に隠れて海で度胸試しをしていた。どちらが多く泳げるかというものだったが当然ヴィンセントが負けていた。しかし青年になり最後の度胸試しで奇跡的にヴィンセントが勝つことができた。ヴィンセントは家を出て、職を転々としとうとう「ガタカ」に入ることができた。清掃員として。「ガタカ」の施設を目の当たりにしてさらに夢を強めていったヴィンセントは、とうとうそのすじから入手した不幸な事故に見舞われた優秀な「適正者」の遺伝子を扱うブローカーからある人物を紹介される。かつて水泳界のスーパースターだったジェロームは事故により車いすの生活だった。視力、歯の矯正。すべてをジェロームになりきる為人体改造をするヴィンセント。さすがに身長を伸すために足を切断して伸す手術は断ったが結局やることに。ジェロームは採血、採尿は欠かさず行っていた。面接の一週間前尿の確認をするヴィンセント。飲酒すると不適合が出てしまうため使えない。やっと合った尿に、ヴィンセントは面接が通れば自分はいなくなってしまうそれでもいいのか?と尋ねる。尿のサンプルだけで面接はすんでしまい、「ガタカ」に採用されることに。ヴィンセントはその日から「ガタカ」に髪の毛一本落とさないよう、体中を洗い、ジェロームは入館に必要な指の血液検査で使用する仕込み用の血液、尿のサンプル、様々な組織を提供してくれた。順調に出世していったヴィンセントだったがある日「ガタカ」の中で殺人事件が起こってしまう。

どんな映画?

遺伝子操作により優秀な遺伝子を選定し生まれた「適正者」と自然交配によって生まれた「不適正者」で歴然と差別される近未来を描いたこの映画は、実現可能なSF映画としてかなり人気のある作品です。

そう遠くない未来
体を念入りに洗い体に尿のパックや
血液を仕込みジェロームことヴィンセント。

宇宙局「ガタカ」に出勤し
指の血液でIDをとり、常に尿検査です。
これにより「適正者」か「不適正者」を区別するのです。

近未来では自然に生まれてきた子供は遺伝子的に問題があり疾患があり長生きできない。
その為優秀な遺伝子を残し操作された受精卵で子供を作るのが通常となっていました。

ヴィンセントは「不適正者」として生まれ、その後両親は「適正者」の弟アントンを作りました。
視力や体力でも劣るヴィンセントは弟には勝てませんが、宇宙飛行士になる夢を持っていました。

しかし「適正者」でない者がまともに行って採用されるはずがありません。
ヴィンセントは家を出て夢の宇宙局「ガタカ」に入ります。

清掃員としてー

それでもヴィンセントは諦めませんでした。
彼はエージェントから非常に優れた「適正者」の紹介を受け、彼に成り済ますという手段に出るのです。

そこで紹介されたのが事故で車椅子の生活を余儀なくされた、
最高級遺伝子の持ち主ジェロームでした。

アメリカ陸軍工兵司令部が所有するロサンゼルスのダム、セプルベダ・ダムで撮影されています。

この映画は撮影当初、オープニングにもある聖書の創世記にある7日のその後を意味する、「第8日」でしたが、他の映画が英語タイトルで先にリリースされてしまったため、DNAの塩基配列の頭文字をとった「ガタカ」に決まりました。

ヴィンセントの身長を伸ばすために施術されるのがいわゆるイリザロフ法と呼ばれる骨延長手術。意図的に骨折させて器具を装着し骨を引き伸ばしていく方法です。この手術かなり時間を要しますが本当に伸びるそう。

現在でも生まれたばかりの赤ちゃんの遺伝子を調べれば、だいたいいくつくらいでこんな病気にかかって寿命はこれくらいと分かってしまうそうですが、そんなのわかって本当に幸せ?って感じです。
子供には無限の可能性があるって信じていられた方が夢があるんじゃないでしょうか。
サスペンス部分はあまり重要でないのですが、ラストは感動できる映画です。

スタッフ・キャスト

監督のアンドリュー・ニコルはニュージーランド出身。「ガタカ」の翌年にはピーター・ウィアー監督、ジム・キャリー主演の「トゥルーマン・ショー」(1998年)に脚本を提供。この映画は当初アンドリュー・ニコル自身が監督の予定でしたが、まだ監督経験が「ガタカ」一作だったため外されてしまいました。アンドリュー・ニコルはこの映画でサターン賞の脚本賞を受賞しています。2002年にアル・パチーノ主演、監督の妻であるレチェル・ロバーツ出演のSF映画「シモーヌ」を監督・脚本。2004年にはスティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の「ターミナル」で、原案と製作総指揮を担当しております。

この映画の共演がきっかけでイーサン・ホークとユマ・サーマンが1998年に結婚。その年に娘のマヤ・ホークが生まれています。その後二人の間には男の子が生まれていますが、残念ながら2004年にイーサンの浮気で離婚しています。現在はお互いそれぞれのパートナーの間にお子さんがいるそう。お二人とも現在アラフィフですがバリバリ活躍されています。

「適正者」の元水泳選手を演じたジュード・ロウは、イギリス出身。1990年代、2000年代にセクシー俳優の代表格として多くの映画に出演、端正な顔立ちと確かな演技力で高い評価を得ています。「ガタカ」に出演の翌年「クロコダイルの涙」(1998年)でセクシー吸血鬼を演じ、またその翌年には「リプリー」(1999年)で道楽息子と演じ、世界的に知られるようになりました。同じくイギリス出身の名優マイケル・ケインがかつて演じていたいい加減男映画「アルフィー」のリメイクを2004年に主演。2007年には「探偵スルース」(1972年)でローレンス・オリヴィエが演じていた役をマイケル・ケインが演じ、マイケル・ケインが演じていた役をジュード・ロウが演じて話題になりました。

脇役が大変豪華で、「去年の夏突然に」(1959年)「パリは燃えているか」(19966年)などの脚本家としても有名なゴア・ヴィダルがガタカ航空宇宙局長を演じ、「暗くなるまで待って」(1967年)の悪役や、「愛すれど心さびしく」(1968年)の聾唖の青年のアラン・アーキンが殺人事件の捜査官に、濃い眉毛の独特な風貌で西部劇や性格派俳優として活躍したアーネスト・ボーグナインが清掃長を、テレビドラマ「名探偵モンク」でモンク役を演じたトニー・シャルーブが仲介人を演じています。

まとめ

宇宙は果たして地獄行か?

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