5人入って出るのは4人「ミクロの決死圏」

SFサスペンス

[原題]Fantastic Voyage
[作年]1966[製作国]アメリカ
[日本公開]1966
[監督]リチャード・フライシャー
[脚本]ハリー・クライナー
[特殊効果]L・B・アボット
[音楽]レナード・ローゼンマン
[上映時間]100

主な登場人物

グラント(スティーヴン・ボイド):
軍人。ベネシュ博士の護衛官。

コーラ・ピーターソン(ラクエル・ウェルチ):
デュヴァル博士の美人助手。紅一点でプロテウス号に乗り込む。

マイケル(ドナルド・ブレザンズ):
医療部長。同乗者。髪がないって見たまんまか…

その他の登場人物

カーター(エドモンド・オブライエン):将軍
オーエンス大佐(ウィリアム・レッドフィールド):潜水艦の設計者
デュヴァル博士(アーサー・ケネディ):高名な脳外科医
ドナルド・リード大佐(アーサー・オコンネル):作戦の責任者

あらすじ

軍人のグラントはベネシュ博士を空港で見送るが、護送中襲撃され博士は脳に重傷を負ってしまう。そのためグラントは地下の秘密研究所に連れていかれ、カーター将軍から脳外科医の権威デュヴァル博士や医療部長のマイケルと一緒に小さくなって博士の体の中に入りレーザー銃で脳にできた血栓を破壊するという任務を負った。
博士の命を狙っている人物が潜入している可能性があるためグラントにその警備を依頼してきたのだ。デュヴァル博士が怪しいという将軍。しかし体を小さくしていられるのはせいぜい60分くらいだと言う。博士はその時間を継続させる技術を持っていたため、テロリスト達に狙われたのだ。細菌サイズに縮小した乗組員達を頸動脈に注射し脳にまで到達したらレーザー銃で血塊を砕き、静脈にのり首の付け根まで来たら注射器で吸い出すという計画だった。60分が過ぎ体が大きくなりはじめるとベネシュ自身の白血球や抗体から攻撃されるというのだ。ミニチュア機動部隊として乗組員はグラント、脳外科医のデュヴァル博士、助手のコーラ、オーエンス大佐、リード大佐が乗り込んだ。

どんな映画?

高名な科学者ベネシュ博士をアメリカに亡命させるため軍関係者が空港に集結していました。
しかし護送中博士はテロリストに襲われ、脳に重傷を負ってしまいます。

そこで再び軍人のグラントが呼び出され、地下にある軍の秘密基地に連れていかれます。
さすがアメリカすごい基地を持っています!

カーター将軍がグラントを出迎え作戦の説明をします。
人間をミクロに縮小し博士の頸動脈に注入し、血栓を破壊するというプロジェクトです。
ミクロ化は他の国でもできるそうですが、もって60分とのこと。
しかしベネシュ博士はそれを継続させるノウハウを持っている為、他の国から狙われているらしいです。

グラントは通信、潜水技術を持っている為、将軍から依頼されます。
潜水艇プロテウス号に乗り込むのは計5人。
紅一点のコーラにちょっとにやけるグラント。

いよいよ人間という小宇宙の中に旅立ちます。
そこは白血球や血小板などの小惑星や海藻で埋め尽くされていました。

果たして無事に任務を遂行することができるのか?

この映画は人間がミクロになり、人間の中に入り込むというサイエンス・ファンタジーでありながら、同時にその中に一人作戦の遂行を阻む者がいるという密室サスペンス仕立てになっております。人体を潜水艇に乗せて縮小するというシーンを丁寧に描いている割には、サスペンス部分が微妙だったかな~と思いますが、次々に来る不測の事態と血栓をレーザーで消滅させるという現代の医療に通じるアイデア、脱出の仕方など目を見張るものがあります。

まだ計算機がないので計算尺を使用しているし(使い方がわかりません)、モニターがないので、位置確認は手動です。

やはり最大の見どころはラクエル・ウェルチのぴったりウェットスーツでしょうか?

スタッフ・キャスト

監督のリチャード・フライシャーは1954年に「海底二万哩」1967年に「ドリトル先生の不思議な旅」1973年「ソイレント・グリーン」などSFチックなファンタジー作品も製作しております。

護衛担当のグラント役にスティーヴン・ボイド。スティーヴン・ボイドは何といっても1959年の「ベン・ハー」でチャールトン・ヘストン扮するベン・ハーのライバル、メッサーラ役で知名度を上げ、その後も史劇や西部劇などで活躍しました。

デュヴァル医師の助手のコーラ役のラクエル・ウェルチは、この映画で注目を浴び、同年の「恐竜100万年」の原始人コスチュームは非常に話題になりました。その後もセクシー路線を突っ走って行き、とうとう1970年には20世紀の奇書と呼ばれるゴア・ヴィダルの原作を映画化した「マイラ」で男から性転換した女性を演じ、どうしてこんな役を?と思わざる負えないのでしたが映画自体はカルト映画です。翌年に「女ガンマン 皆殺しのメロディ」では裸にポンチョと言うセクシー西部劇に出演されていました。

作戦の総責任者カーター将軍を演じていたのは名優エドモンド・オブライエン。
医療部長のマイケルズ博士はあのドナルド・ブレザンです。イギリス出身の俳優で、のちに「ハロウィン」の殺人鬼マイケル・マイヤーズを追いかける精神科医ルーミスになりました♪サスペンスやホラー映画にかかせない名バイプレイヤーになっていました。

あのSF小説家アイザック・アシモフもこの映画を元に小説化したほどの傑作SFアドベンチャーです!

まとめ

締め付けられて地獄行き

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