どこにでもいる人「大空港」

パニック


特に何かするわけじゃないんだけど、何故かいつもいる人がいます。

[原題]Airport
[製作年]1970[製作国]アメリカ
[日本公開]1970
[監督・脚本]ジョージ・シートン
[原作]アーサー・ヘイリー
[衣装デザイン]イーディス・ヘッド
[音楽]アルフレッド・ニューマン
[上映時間]137

主な登場人物

右:メル・ベイカースフェルド(バート・ランカスター):
妻子持ちの空港長。
左:ターニャ・リヴィングストン(ジーン・セバーグ):
グランドホステス。メルと絶賛不倫中。

左:バーン・デマレスト(ディーン・マーティン):
パイロット。
右:グエン・メイフィン(ジャクリーン・ビセット):
バーンの浮気相手、客室乗務員。

その他の登場人物

ジョー・パトローニ(ジョージ・ケネディ):整備士
イネーズ・ゲレロ(モーリン・スティプルトン):ゲレロの妻
エイダ・クォンセット夫人(ヘレン・ヘイズ):ただ乗り常習犯
シンディ・ベイカースフェルド(ダナ・ウィンター):メルの妻
D・O・ゲレロ(ヴァン・ヘフリン):爆弾犯※遺作
アンソン・ハリス(バリー・ネルソン):2便機長
クリストファー・ロイド(ノンクレジット)

あらすじ

シカゴのリンカーン国際空港(架空)は大雪に見舞われ、着陸後の誘導に失敗した旅客機が滑走路を塞いでいた。解決するため自宅で休んでいたベテラン整備士パトローニに要請が入った。空港長のメルはほとんど家に帰れず、妻とうまくいっていなかい一方で、トランスグローバル航空の地上勤務員のターニャとできていた。ターニャは未亡人で出世を打診され転勤するか迷っていたが、メルはこの空港から離れる気はなかった。バーンはメルの妹婿で、トランスグローバル航空のパイロットでもあり、この日はローマ行きのグローバル2便に機長として搭乗予定だった。バーンは女ぐせが悪く、メルもそのことを気にしてバーンをあまり快く思っていなかった。バーンはこの日も恋人で、同じ航空会社の客室乗務員のグエンと逢っていたが、彼女から妊娠したと告げられ、堕胎はしないと言われる。空港ではターニャの元に、無賃搭乗の乗客が連れてこられた。彼女はクォンセット夫人と名乗り常習犯だった。今度は税関でトラブルが発生、持ち込めない毛皮や服、犬の首輪にはダイヤを仕込んでいる女性。しかしベテランの関税職員ハリー・スタンディッシュにはお見通しだった。仕事で出発するというゲレロは喫茶店で働く妻のイネーズに一言挨拶して店を後にする。ゲレロは空港で多額の保険に入り、夫人宛に手紙を出す。スーツケースを抱えたまま搭乗ゲートに向かうが、見かけた税関職員ハリーが鞄を持って挙動不審なゲレロを怪しむのだが…

どんな映画?

国際線が飛ぶ大空港、その日は大雪に見舞われていました。
空港長のメルは仕事ばかりで妻とは離婚寸前、一方で地上勤務の美しき未亡人ターニャと交際中。

パイロットのバーンはメルの妹婿だが客室乗務員のグエンと交際し彼女から妊娠したと聞かされます。
何だか不倫だらけでやんなっちゃいますが、職場不倫は一緒にいる時間が長い分、どこでもあることなんでしょうね~。

ターニャの元に連れてこられたクォンセット夫人と名乗る老女は無賃搭乗の常習犯。この日も職員の目をかいくぐって勝手に飛行機に乗り込みます。

失業中のゲレロは職が決まったと妻のイネーズに告げ、出発します。
しかしそれはある計画の始まりでした。

飛行機のトイレに隠れていたクォンセット夫人。
頃合いを見計らい、何くわぬ顔でゲレロの隣に座り話しかける
今観るとフツーに旅客機の客席でタバコを吸い始めるのにびっくりします。
ゲレロが言っていた行き先と違うチケットの差額が、払い戻されていたとにおかしいと感じたイネーズは、空港に問い合わせるが教えてもらえず直接空港に出向くことに。

大雪で走行が危ぶまれていた旅客機もベテラン整備士パトローニの活躍で遅れながらも移動作業に成功します。
かくしてそれぞれを乗せてグローバル2便は出発するのですが…

大事そうに鞄を抱えるゲレロ。
しかし その中身は…

パニック映画の元祖と言われるこの映画は有名俳優を多く揃えたオールスターキャスト。70年代に続々と製作されたパニック映画の先駆けでした。
そして、そこにいつでも登場するのがベテラン整備士役ジョー・パトローニを演じたジョージ・ケネディです。
残念ながら先月に91歳でお亡くなりになりましたが、その得意な存在感を発揮していました。
どの映画でも、いなくてもいいかなーと思われるけど、いやに印象的で、時に大活躍と言う何だかおいしい存在なのです!!この「大空港」は大ヒットし1970年の興行収入で2位を記録しました。ちなみに1位は「ある愛の詩」。この成功から、「エアポート75」、「エアポート77/バミューダからの脱出」「エアポート80」とシリーズ化され、ジョージ・ケネディはいずれの作品でもジョー・パトローニを演じています。

スタッフ・キャスト

監督のジョージ・シートンは1947年の名作クリスマス映画「三十四丁目の奇蹟」や1950年のグレイス・ケリーにアカデミー賞主演女優賞をもたらした「喝采」などを監督、脚本していた有名監督。


メル役のバート・ランカスターはオールスターキャストの目玉、浅黒い顔とにかっと笑うと出てくる白い歯が印象的な大俳優。西部劇から文芸大作、娯楽作品など多くの作品に出演し、製作やプロデューサーとマルチに活躍されました。


パイロットのバーンを演じたディーン・マーティンは1950年代にジュリー・ルイスと組んだ「底抜けコンビ」で一世を風靡しました。彼の愛人の客室乗務員を演じたジャクリーン・美セットはイギリス出身。美しくスタイルのいい女優さんですが結婚しない女で有名ですね~。

実は、この映画で一番おいしいところを取ったのは、ジョージ・ケネディではなくクォンセット夫人役のヘレン・ヘイズだったかも。彼女はこの演技でアカデミー賞助演女優賞を受賞しました。

この頃はすっかりおばあちゃんの役ですが、ヘレン・ヘイズのキャリアは長く、1931年「マデロンの悲劇」でアカデミー賞主演女優を受賞。ヘミングウェイ原作の1932年「戦場よさらば」で看護師キャサリンを、1956年のイングリッド・バーグマン主演の「追想」では皇太后を演じていました。ですが、1975年の「エアポート75」のグロリア・スワンソンのインパクトには負けますね~。

パニック部分はかなり抑え気味で人生模様に重きを置いている傑作群衆劇です。

まとめ 

空の上で地獄行き

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