地獄の精神病院「カッコーの巣の上で」

ドラマ

最近腰痛が気になるので
重いものは持ち上げないようにしています。

[原題]One Flew Over the Cuckoo’s Nest
[製作年]1975[製作国]アメリカ
[日本公開]1976
[監督]ミロス・フォアマン
[製作]ソウル・ゼインツ/マイケル・ダグラス
[原作]ケン・キージー
   「カッコウの巣の上で」
[脚本]ローレンス・ホーベン/ボー・ゴールドマン
[撮影]ハスケル・ウェクス他
[音楽]ジャック・ニッチェ
[上映時間]133

主な登場人物

ランドル・パトリック・マクマーフィー(ジャック・ニコルソン):
38歳の詐病の精神病患者。刑務所に行く代わりに精神病を装い病院へ。しかしそこは…

ミルドレッド・ラチェッド(ルイーズ・フレッチャー):
インパクト大の看護師長。患者に対して威圧的で高圧的。

その他の登場人物

チーフ・ブロムデン(ウィル・サンプソン):ネイティブアメリカン患者だが実は‥
エリス(マイケル・ベリーマン)
ビリー・ビビット(ブラッド・ドゥーリフ):若い吃音の患者
ハーディング(ウィリアム・レッドフィールド):妻の浮気を疑う患者。
テイバー(クリストファー・ロイド):患者。好戦的。
マティーニ(ダニー・デヴィート):患者
フレドリクソン(ヴィンセント・スキャヴェリ):てんかん患者
タークル(スキャットマン・クローザース): 黒人看守
チャーリー・チェズウィック(シドニー・ラシック):患者。癇癪持ち
キャンディ(マーヤ・スモール):マクマーフィーが連れてきた女の子

あらすじ

1963年の秋、精神病院に収監されたマクマーフィーは、手錠を外されるとはしゃぎだし看守にキスしたりと奇行が目立っていた。体の大きい患者のチーフに話しかけるが返事はなく、彼は話せない先住民だと聞かされ、マクマーフィーは彼の前でインディアンのモノマネをする始末。トランプをしていたグループに声をかけ、その中には若くどもりのビリーがいた。マクマーフィーは医師の面談を受け、5回の暴行容疑や少女への淫行罪で逮捕されたが、本当に精神に異常があるかを確認するため精神病院に送られてきたという。刑務所での作業を嫌い詐病ではないかと疑われていた。精神病院での生活は看護師長であるラチェッドの威圧的な管理の中、患者たちのミーティングも混乱させるばかり。院内で流される音楽がうるさいと音を小さくしようとするマクマーフィーだったが、ラチェッドに阻止され納得がいかないマクマーフィー。投薬の時間も飲んだふりをし、ラチェッドを困らせようと画策する。

どんな映画?

アメリカン・ニューシネマを代表する一本であり、第48回アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞、の主要5部門を独占し当時大ヒットを記録しました。

精神病院に送られてきた
38歳のマクマーフィーは人相と同じく素行が悪い。
暴行や15歳の少女と関係を持ったことで刑務所に収監されていましたが、労働を嫌い精神病のふりをしてこの病院に送られてきたのです。

病院では、にこりともしない看護師長のラチェッドが全体を統括しています。
早速それが気に入らないマクマーフィー。

彼女を困らせようと画策するのですが…

罰として電気けいれん療法を受けさせられるマクマーフィー。

主要5部門の獲得は1934年に受賞したラブコメ映画の元祖「或る夜の出来事」以来41年ぶりだそうです。また、父親のカーク・ダグラスから権利を引き継ぎプロデューサーとして参加していたマイケル・ダグラスがアカデミー賞作品賞受賞しています。

ファアマン監督はキャンディにシェリー・デュヴァルを検討していたそうですが、スキャットマン・クローザースも含めて偶然にも1980年のジャック・ニコルソン主演の「シャイニング」とキャストがかぶっていました。

原題を直訳すると「カッコーの巣の上で飛んだ1匹」、原作ではそのタイトルの由来が言及されていますが、カッコーの巣(cuckoo’s nest)は、「精神病院」の蔑称のひとつとのこと。閉鎖的な場所から精神の自由を求めて行く。物語のキーパーソンとして登場するネイティブアメリカンのウィル・サンプソン。2メートルの巨体に独特の風貌は何も話さなくてもインパクト抜群です。

精神病院を舞台にした映画では1946年のマーク・ロブソン監督の「恐怖の精神病院」があります。こちらはボリス・カーロフが出演していてタイトルからも一見ホラー映画風ですが、19世紀後半のロンドンを舞台に、自立心あるヒロインが精神病院に入れられ、その劣悪な環境に奮起するというもの。どことなくこの映画を想起させます。

誰がまともで誰がおかしいのか?
自由とは何か考えさせられる傑作映画です。

スタッフ・キャスト

チェコスロバキア出身で本国で活躍したのちアメリカに移住したミロス・フォアマン監督。2018年に亡くなられたフォアマン監督は、、それほど多くの作品を残していませんが「カッコーの巣の上で」(1975年)と「アマデウス」(1984年)の二本でアカデミー賞監督賞を獲得しています。天才音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの死の真相をテーマに映画いた「アマデウス」(1984年)は日本でも大変ヒットしました。モーツァルトの天才ぶりと下品ぶりがほんとに面白く描かれていました。1989年には「危険な関係」を映画化した「恋の掟」、破天荒なポルノ雑誌出版者のラリー・フリントの半生を描いた「ラリー・フリント」など見応えのある作品を遺されています。

主人公のパトリック役を獲得した当時38歳のジャック・ニコルソン。若い頃はロジャー・コーマン監督作品のようなB級作品の出演が多かったのですが、1970年にボブ・ラフェルソン監督の「ファイブ・イージー・ピーセス」に主演。いい加減に見えながらナイーブな主人公の感情を見事演じてみせ、初めてアカデミー賞主演男優賞にノミネートされます。続いて1973年にはアメリカン・ニューシネマの中にカウントされるハル・アシュビー監督の「されば冬のかもめ」で髭の海兵隊員を演じ再び主演男優賞にノミネートされましたが獲得ならず。翌年の1974年にはポランスキー監督のニュー・ノワールの傑作「チャイナタウン」に主演しますがこれまた受賞ならず。とうとう1975年のこちらの映画でアカデミー賞主演男優賞賞を獲得しました。この年のジャック・ニコルソンは大活躍で、マイク・ニコルズ監督のコメディ映画「おかしなレディ・キラー」や、イタリアの巨匠ミケランジェロ・アントニオーニ監督のドラマ「さすらいの二人」に主演。されにイギリスの奇才ケン・ラッセルの問題作「Tommy/トミー」にも出演し、演技派俳優の地位を確立していきました。

同じくアカデミー賞主演女優賞を受賞したのは凶悪看護師ラチェッドを演じたルイーズ・フレッチャー。178センチと大柄なフレッチャーは若い頃はあまり役に恵まれず、テレビの西部劇中心に出演していましたが結婚で演技から暫く遠ざかっていたのち、1975年にロバート・アルトマン監督の「ボーイ・アンド・キーチ」の出演でミロス・フォアマン監督に注目され、ラチェッド婦長役を獲得。ちなみに「ボーイ・アンド・キーチ」でキーチを演じていたのはシェリー・デュヴァルでした。大柄ですでに中年女性に差し掛かっていたフレッチャーは威圧的で悪役然としていて非常に当たり役でした。

患者のハーディングを演じたウィリアム・レッドフィールドは子役から活躍し、1966年にはリチャード・フライシャー監督のSF映画「ミクロの決死圏」にオーエンス大佐として出演。テレビなどでも活躍されていましたがこの映画に出演した翌年の1976年に49歳の若さで亡くなられました。
この映画で若いマザコンの患者ビリーを演じたブラッド・ドゥーリフはこの演技でアカデミー賞助演男優賞にノミネート。この後元祖人形ホラー「チャイルド・プレイ」シリーズで呪いの殺人人形チャッキーの声を演じた人物としてよく知られています。
また、その後1985年の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドク役として大ブレイクを果たしたクリストファー・ロイドがスクリーンデビューし、小柄なバイブレーターとして多くの作品に登場し「ローズ家の戦争」(1989年)の監督やヒット作のプロデューサーとして知られるダニー・デヴィートやミュージシャンとして著名なスキャットマン・クローザースなど多くの俳優が登場しているのも見どころの一つです。

まとめ

精神病院は地獄行き

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