コウノトリは卵を産むと
喜びのダンスをするそうです。
[原題]Agnes of God
[製作年]1985[製作国]アメリカ
[日本公開]1986
[監督・製作]ノーマン・ジュイソン
[脚本・原作]ジョン・ピールマイアー
[撮影]スヴェン・ニクヴィスト
[音楽]ジョルジュ・ドルリュー
[上映時間]99
主な登場人物
マーサ・リヴィングストン(ジェーン・フォンダ):
アグネスを担当する法廷精神科医。
シスター・アグネス・デヴロー(メグ・ティリー):
嬰児殺しの疑惑のシスター。
その他の登場人物
ミリアム・ルース院長(アン・バンクロフト):アグネスの母親がわり、実は叔母。
リヴィングストン夫人(アン・ピトニアック):マーサの母
ラリー(ウィンストン・レカート): 刑事
モンシニョール(ガブリエル・アーカンド)
シスター・アン(デボラ・グローバー)
ジョセフ・レボー(ガイ・ホフマン)判事
あらすじ
カナダ、モントリオールのマリー・マドレーヌ修道院で、修道女の悲鳴が響いた。悲鳴の主は若く美しい修道女アグネスのもので、彼女は部屋で血まみれのまま、床に横たわっていた。慌ててやってきたルース院長は部屋のくずかごの中にシーツにくるまれた赤子の遺体を見つけた。アグネスはすぐに救急車で運ばれ、大事には至らなかったが、本人は妊娠したことも出産したことも記憶にないと言う。尼僧のスキャンダルに、マスコミも賑わい、殺人も念頭に調査が始まり、まず精神科の医師マーサが彼女の担当になることに。マーサはくわえたばこで修道院にむかい、アグネスと面会。ルース院長が出迎えるが、アグネスにきつく尋問するのはやめてほしいと訴える。マーサは出入りの神父も疑う。窓に向かって、美しい声で歌うアグネス。マーサがアグネスに話しかけると、要領を得ず、悪い夢を見ているような話を始める。「マリー」という女性の話をするが、マーサがマリーってと尋ねるとさあと答える。院長も彼女は純真無垢で神の子、どうやって妊娠するかもわからないと言う。マーサが神父のもとを尋ねると神父は思いの外ヨボヨボでとてもアグネスを妊娠させられるような感じではなかった。神父はあの修道院に男が入り込むのは不可能だと話す。マーサは老人ホームに母を尋ねる。認知症の母はマリーのことを話すが、マーサはマリーは死んだを伝えると、母は彼女の顔を見て「あんた誰?」と言うだけだった。修道院を調べるマーサ、どこにも入り込む余地がなかった。院長はアグネスは2年前にこの修道院に入り、それまでもまったく性の知識はなかったと話す。
どんな映画?
この映画はジョン・ビールマイアーの舞台劇を映画化したものです。第58回アカデミー賞で3部門にノミネートされ、メグ・ティリーが第43回ゴールデングローブ賞を受賞しています。
厳粛な男子禁制修道院で
けたたましい修道女の叫び声!!?
救急車で運ばれた修道女アグネスは
血まみれ。
そして彼女の部屋のゴミ箱には
何と嬰児の遺体が!!
尼僧のスキャンダルに沸くマスコミ。
殺人の容疑も含め裁判所は尼僧の精神鑑定を精神科医のマーサに依頼します。
気乗りしないマーサ。
咥えタバコで修道院に乗り込みます。
ルース院長に話を聞くのですが
アグネスは子供の頃からここに入り
性の知識もなく男と接触することも
ないと話ます。
んで実際にアグネスに会うマーサ。
彼女は若く美しい尼僧でしたが
話すことは浮世離れしてわけわかめ。
マーサの役割はアグネスが妊娠を認識し意図的に子供を殺したかどうかを調査することでした。
しかしマーサは次第にアグネスに深入りして行くのですが…
何故か手のひらから血を流せる特殊技能(?)を持つアグネス。
処女のまま懐妊もあり得る?
主人公のマーサもアグネスも母親から精神的に虐待を受けた経験のある毒親育ち。
浮世離れしたアグネスは、そもそも自分から修道院に入りたかったどうか?そして、修道院の中でも若い娘が入れられて自由に恋愛もできず可哀想だと思う人がいたと言うこと。
アグネスを変わった形で庇う院長を演じたアン・バンクロフトは実力派美人女優でしたがこの頃はすっかり老け役が板についています。
また、アグネス役のメグ・ティリーは「サイコ2」(1983年)の時の浅黒い肌とは一変したような透き通るような白い肌に透明感のある顔立ちは
さすが女優!と言いたくなります。
撮影はイングマール・ベルイマン信頼のスウェーデン撮影監督スヴェン・ニクヴィスト。
音楽はフランソワ・トリュフォーの常連ジョルジュ・ドルリュー。
とプロフェッショナル揃いです。
罪がどこにあるのか?
誰にあるのか?
考えさせられる女性映画です。
スタッフ・キャスト
監督は長いキャリアを誇るカナダ出身でアメリカで活躍するノーマン・ジュイソン。1965年にスティーブ・マックイーン主演の「シンシナティ・キッド」を監督。翌年コメディ映画の「アメリカ上陸作戦」を監督し、さらにその翌年にはアカデミー賞作品賞など4部門を獲得した社会派サスペンス映画の傑作「夜の大捜査線」(1967年)を監督しています。またその翌年には再びスティーブ・マックイーン主演のサスペンス映画「華麗なる賭け」(1968年)などコンスタントに話題作ヒット作を連発していました。社会派からコメディまで職人的にこなし、1987年には「月の輝く夜に」で大人のラブストーリーなどドラマ性のある作品も手がけています。
主演の精神科医を演じたのが実力派大女優ジェーン・フォンダ。1971年の「コールガール」、1978年の「帰郷」でアカデミー賞主演女優賞を獲得し70年代は女優として確固たる地位を確立したジェーン・フォンダ。80年代に突入し40代になった彼女が最初に出演したのが「9時から5時まで」(1980年)と言うコリン・ヒギンズ監督のコメディ映画。こちらが思いの外大ヒット。そして翌年には兼ねてから念願だった長年確執が取り沙汰されていた父親ヘンリー・フォンダとの共演を果たすべく「黄昏」(1981年)の映画化権を獲得。この作品でそれまだ無冠だった名優ヘンリー・フォンダに最年長主演男優賞をもたらしました。また、1982年にはエアロビクスのビデオ「ジェーン・フォンダのワークアウト」をリリースすると飛ぶように売れたそう。自宅でやるエクササイズの先駆けになりました。80年代中盤には映画だけでなくテレビドラマ「ドールメーカー」での卓越した演技力が評価されかなり意欲的に活躍されていました。
まとめ
神が舞い降りて地獄行き
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