愛のポルターガイスト「呪いの家」

怪奇

ドアが急に閉まるとびっくりしますが
ドアが急に閉まらなくなるのは困ります。

[原題]The Uninvited
[製作年]1944[製作国]アメリカ
[日本公開]1946
[監督]ルイス・アレン
[原作]ドロシー・マカードル
   「Uneasy Freehold」
[脚本]ドディ・スミス/フランク・パートス
[撮影]チャールズ・ラング
[音楽]ヴィクター・ヤング
[上映時間]99

主な登場人物

ロデリック・フィッツジェラルド(レイ・ミランド):
リック、作曲家。ロンドンで音楽批評家をしていたが、妹のパメラと一緒に「風の家」と呼ばれている屋敷を購入し住み始めるが、怪現象に見舞われる。

ステラ・メレディス(ゲイル・ラッセル):
元家主ビーチ司令官の孫娘、若く美しい20歳の女性。「風の家」に呼ばれているような気がしていた。

その他の登場人物

パメラ・フィッツジェラルド(ルース・ハッセイ):ロデリックの妹
ビーチ司令官(ドナルド・クリスプ):ステラの祖父
スコット(アラン・ネイピア):医師
ホロウェイ(コーネリア・オーティス・スキナー):メアリーの友人、現在は精神病院の経営者。

あらすじ

コーンウォール半島周辺の西側の海に切り立つ「呪われた岸壁」と呼ばれる場所は、海霧と不気味な伝説が漂っていた。この付近の人々は、波の音と不気味な物音を聞くうちに特殊な直感に目覚めるのだと。霊が訪れる前兆として寒気を感じるのだというのだ。そんなこととは知らずに、1937年5月のことリックと妹のパメラは、休暇を楽しむためロンドンからやって来ていた。二人は、愛犬ボビーを追いかけて入ったボロボロのお屋敷をパメラが気に入り二人で購入しようと持ちかける。2階の部屋は施錠されており入れなかったが、他の部屋は手入れすればかなり素敵な屋敷になるだろと、パメラはリックに音楽評論家なんか辞めてこの家で作曲に専念した方がいいと提案する。二人はあの崖の上の屋敷が売りに出ているのかビーチ司令官の家を訪れるがあいにく司令官はおらず、中で待たせてもらうことにする。出迎えてくれた孫娘のステラに、「風の家」と呼ばれている、あの家は売りに出ているのか確認すると、彼女は顔色を変えてあの家は売りに出ていないと言い張る。しかし司令官が戻ってくると、キッパリと即金なら格安で二人に売ると告げる。ただ、司令官は人里離れた場所で夜になると奇妙な音がすると話すが、二人は意に介さなかった。家を手に入れた二人は、花を持って2階の施錠されていた部屋に入る。部屋に入ったリックは急にこの家を買っていいのか不安に駆られるようになるが、パメラは気のせいだと答える。しかし持って来ていた花は急に枯れてしまったが二人は気づいていない。愛犬のボビーは吠えるばかりで2階に上がってこようとしない。窓からステラが悲しそうにこちらを眺めていた。リックは買い物しに商店に入るが、店主から以前あお家に住んでいた女性が不可解な死に方をしたと話、それが司令官の一人娘のことだった。崖から落ちて亡くなったと言うのだ。店から出たリックは、道でステラと出くわす。昨日とは違い素直に謝ってくる彼女にリックは好感を持つ。

どんな映画?

アイルランドの小説家・ジャーナリストのドロシー・マカードルの小説の映画化。イギリス出身のルイス・アレンが監督し、レイ・ミランドが主演。この映画はポルターガイストを描いた初めての映画として、当時大ヒットしました。

ロンドンに住むリックとパメラの兄妹は
休暇でやってきたコーンウォールで
見かけた古びた広い屋敷を気に入ります。
ノリノリのパメラはこの家を購入しようと
リックと一緒に持ち主である老人
ビーチ司令官の家を訪ねます。

二人を出迎えたのは
司令官の孫娘のステラ
彼女は風の家と呼ばれる
元々彼女が住んでいた家を
購入したいという二人に
何なのこいつら 
という態度 ですが、
とっととあの家を売りたいという
司令官は破格の値段で二人に
売ってしまいます。

リックは街の人から
昔あの家に住んでいた司令官の娘
メアリー・メレディスが
屋敷の前の崖から転落して
不審死を遂げたことを聞かされます。

やっぱりいわくつきの家かー
でもそこまで気にしないリック
道でステラに会うと昨日とは
打って変わって感じが良く 
おまけに20歳の美人
二人は急接近♪
リックは「風の家」にステラを
招待するのですが…

降霊術を試みるリック、ステラ、パメラ、スコット医師の4人

原題の「The Uninvited」は「招かれざる者」意味で、家に取り憑いている幽霊を指しているのですが、ホラー映画と言っても対象が限定的なのでそれ程おどろおどろしくなく、ポルターガイスト的な怪奇現象も、ドアが勝手に閉まるとか、ミモザの香りがするとか、寒気がするとかなのでかなり軽く描かれています。現代のホラー好きからすると全然物足りなく感じますネ。

ただこの映画・・・

すごく面白いんですよー!

幽霊の存在は特殊効果ではっきりと描かなかったことが、かえって観る人に恐怖心を与えたと思われます。マーティン・スコセッシ監督はこの映画を最も怖かったホラーの一つに挙げています。事実、公開当時映画は大ヒットしています。 また、過去に何があったかという謎解きの要素が強く、ミステリー仕立てのラブストーリーとも言えます。 主演のレイ・ミランドもちょうど油の乗ってきている時期で、翌年にビリー・ワイルダー監督の「失われた週末」でアカデミー賞主演男優賞を獲得しています。 ラストのレイ・ミランドの高笑いは爽快です!

ヴィクター・ヤングがこの映画の為に作曲した「星影のステラ」は、ジャズのスタンダードナンバーになり、その後歌詞も付けられフランク・シナトラなどが歌っています。また映画ではシドニー・ポラック監督の「サブリナ」(1995年)や、マーティン・スコセッシ監督の「カジノ」(1995年)などで使用されています。

スタッフ・キャスト

ヒロインのステラを演じたのはアメリカ合衆国の女優ゲイル・ラッセル。1943年に19歳で映画デビュー、翌年の「呪いの家」で重要な役を得ました。この映画は成功し翌年再びルイス・アレン監督の「桃色の旅行鞄」(1944年)に出演し再び人気を獲得します。1945年にアラン・ラッド主演の競馬映画「傷だらけの勝利」に出演、同年再びアラン・ラッドと「空輸空路」に出演。1947年には「拳銃無宿」に出演し、ジョン・ウェインと共演を果たしています。その後、ジョン・ファロー監督、エドワード・G・ロビンソン主演の「夜は千の眼を持つ」(1947年)などに出演、「怒涛の果て」(1949年)では再びジョン・ウェインと共演。1950年にはジョセフ・ロージー監督のサスペンス映画「暴力の街」に出演しています。実生活でもジョン・ウェインにも愛されたことでも知られる美人女優でしたが、アルコールの問題を抱えており36歳の若さでお亡くなりになっています。

妹のパメラ役を演じたのはアメリカ合衆国の女優ルース・ハッセイ。1939年にフランチョット・トーン、アン・サザーン主演の夫婦探偵物の「ファスト・アンド・フューリアス」や、ウィリアム・パウエル主演の素人探偵物の「第三の影」などに出演。1940年に出演したジョージ・キューカー監督の「上流階級」で雑誌のカメラマン、エリザベス役で知られるようになり、この演技でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされます。同年キング・ヴィダー監督、スペンサー・トレイシー主演の歴史映画「北西への道」に出演。エドワード・ドミトリク監督、ジンジャー・ロジャース主演の「夫は還らず」(1943年)や、1949年にフィッツジェラルドの小説「グレイト・ギャツビー」の2度目の映画化「暗黒街の巨頭」では、ジョーダン・ベイカーを演じています。

ステラの母親メアリーの怪しい友人を演じたのは、アメリカ合衆国の女優で作家としても知られるコーネリア・オーティス・スキナー。映画「キスメット」の主演で知られる20世紀初頭のアメリカ合衆国の著名な俳優オーティス・スキナーの一人娘と知られ、コーネリアと女性ジャーナリスト、エミリー・キンブローとの共著の小説は1944年にルイス・アレン監督が「桃色の旅行鞄」として映画化。この映画でゲイル・ラッセルが10代の頃のコーネリア・オーティス・スキナーを演じています。

まとめ

誰の呪い?で地獄行き

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