360度回転「エクソシスト」

怪奇

テレビで何度も見た後に改めて映画館で観ましたが
やっぱ、大スクリーンで観るホラー映画は最高です!

[原題]The Exorcist
[製作年]1973 [製作国]アメリカ
[日本公開]1974
[監督]ウィリアム・フリードキン
[原作・脚本・製作]ウィリアム・ピーター・ブラッティ
[テーマ曲]チューブラー・ベルズ
[撮影]オーウェン・ロイズマン
[音楽]マイク・オールドフィールド/ジャック・ニッチェ
[上映時間]122

主な登場人物

リーガン・マクニール(リンダ・ブレア):
12歳の少女。クリスの娘。悪魔に体を乗っ取られ変わり果てた姿になる。

クリス・マクニール(エレン・バースティン):
リーガンの母。有名女優。リーガンの変化に心身ともに悩まされている。

その他の登場人物

デミアン・カラス神父(ジェイソン・ミラー):母親の介護で悩んでいたがそのまま死なせてしまった。
ランカスター・メリン神父(マックス・フォン・シドー):イラクで発掘調査をしていた神父。悪魔祓いの経験がある。
キンダーマン警部(リー・J・コップ):映画監督の死に疑問を持って捜査をしている。
カール(ルドルフ・シュンドラー):クリスの家の使用人
バーク・デニングズ(ジャック・マッゴーラン):クリスと親しくしている映画監督
タニー医師(ロバート・シモンズ):リーガンの主治医
ジョセフ・ダイアー神父(ウィリアム・オマリー):カラス神父の友人
シャロン・スペンサー(キティ・ウィン):クリスの秘書、リーガンの面倒をよく見ている
悪魔の声(マーセデス・マッケンブリッジ):悪魔に乗っ取られたリーガンが話す悪魔の発言

あらすじ

イラク北部の古代遺跡の中で発掘調査に参加していたメリン神父はとある遺物を発見する。それは悪霊バズズの像だった。
一方アメリカで女優のクリスが、女手一つで12歳になるリーガンを育てていた。撮影の関係でジョージタウンの家に引っ越すことにした。その家に引っ越した直後から、何か変な音が聞こえるようになるがネズミだろうと使用人たちに伝えた。その街に住むカラス神父はニューヨークに住む年老いた母親の元を訪れていた。カラス神父は一人暮らしの母親を心配していたが、母親は自分の家から出ようとはしなかった。クリスはリーガンがウィジャ・ボードを押し入れから見つけたと聞き、一緒にやってみようとするが、リーガンはいつも一人でやっていると答える。二人でやるものだとクリスがボードのプランシェットを持とうとすると勝手に動く。クリスはリーガンに誕生日を一緒に過ごすと約束するが、結局当日は撮影でローマにおりリーガンは寂しい思いをしていた。そんな中家に戻っていたクリスのベッドにリーガンが眠っており、リーガンは自分の部屋のベッドが揺れると言うのだ。気になったクリスは屋根裏に上ってみるがカールがすでに見ていて、ネズミはいないと述べる。一方カトリック教会ではマリア像がひどく凌辱されておりその姿に神父が息を飲んだ、カラス神父は母親が精神病院に入れられたと聞き慌てて病院に行く。すると母親はベッドに縛り付けられカラス神父に恨み言を述べるばかりだった。為す術もなく悩むカラス神父だったが、母親は孤独死してしまう。クリスは自宅で盛大にパーティーを開く。監督のバークは悪酔いしてカールに悪態をつき、ベロベロで帰っていった。残った友人たちで歌って騒いでいる中リーガンが起き出しみんなの前で失禁する。慌ててクリスはリーガンを風呂に入れていやる。再びリーガンをベッドに戻したクリスだったが、すぐに部屋に呼ばれ扉を開けてみると、ベッドは激しく揺れリーガンの全身を叩きのめしていた。母親に死なれたカラス神父は自暴自棄になり夢にうなされ信仰を失いつつあった。クリスは嫌がるリーガンを病院で検査させるのだが。

どんな映画?

アメリカで実際に起こった悪魔祓い事件を元に、作家のウィリアム・ピーター・ブラッティが脚本、原作、製作を担当しウィリアム・フリードキンが監督したオカルト映画の金字塔です。

有名女優のクリスは映画撮影のため
間もなく12歳になる娘のリーガンとともに
ジョージタウンの家に住むことに
この家のすぐ横には急勾配の階段があります。

仕事が忙しいシンママのクリスはしばしば
リーガンに寂しい思いをさせていました。
そんな中リーガンが自分の部屋のベッドが
揺れると言い出します。
怪しい物音を感じていたクリスはネズミでも
出るのかと思いますがそんな様子もありません。

一方カトリック神父のカラスは一人暮らしの母親を
気遣いながらもどうすることもできず苛立ちと
自己嫌悪を感じながら結局母を孤独死させて しまいます。

ある日クリスが家でウィジャボードを見つけると
リーガンが物置にあったので出してきたと言います。
ウィジャボードはアルファベットやイエス・ノーを
記入したボードにブランシェットと呼ばれるコマを
二人で抑えて質問し動きを見るという
アメリカ版こっくりさんです。

一緒にやろうと言うクリスでしたがブ ランシェットが勝手に動き出します。
リーガンが動かしているんだろうと思ったクリスは
特に気に留めません。
しかし次第にリーガンの奇行が目立ち始め戸惑うクリス。

リーガンを病院に連れていき拷問のような
検査続きますが結局どこも異常なし
リーガンの様子はますますひどくなり
卑猥な言動や少女とは思えない暴力を
振るい始めます。
とうとう医師は悪魔祓い(エクソシスト)を勧めます。

リーガンの元を訪れるメリン神父

公開当時大ヒットを記録し、翌年の日本公開では映画館の周りを何周も人が並んだと言われる伝説のオカルト映画です。この映画の後に同様のオカルト映画が雨後の筍にように製作され、オカルト映画ブームを生み出しました。
初回公開当時はまだ生まれていなかったので劇場で観に行けなかったのですが、2000年のディレクターズ・カット版には間に合いました♪このディレクターズ・カット版では当時公開が見合わされていたリーガンが、ドタドタドターっとすごい勢いで階段をブリッジで降りる伝説のスパイダーウォークに口から血を流すCGシーンが追加されています。

この映画は1940年代のアメリカであった「メリーランド悪魔憑依事件」を元にしていますが、この事件はローランド・ドゥ(仮名)と呼ばれる14歳の少年が神父により悪魔祓いを受けたと言うものでした。
悪魔が少女に取り憑き苦しむ少女の姿や、思春期の娘が信じられないような卑猥な言葉を吐き、口から緑のゲロ、暴力とおおよそ娘を持つ母親がやってほしくないことのオンパレードでショックを受けるシングルマザーの姿や、母親を救うことができず苦悩する神父の葛藤を描いており単純なオカルト映画にはとどまらず、ヒューマン映画の側面も見られる傑作です。
映画の中で登場するカラス神父の友人役の神父を演じたウィリアム・オマリー氏は実際のカトリック神父で、演技とは無関係の人物でしたが、フリードキン監督に演技指導を仰いだ際いきなりビンタされ、そのままのショック顔が撮影されたという逸話があるそうです♪

続編として1977年に、フリードキン製作ジョン・ブアマン監督の「エクソシスト2」が公開されましたが微妙な出来に、その後1990年に正式な続編としてウィリアム・ピーター・ブラッティが監督・脚本・原作・製作をこなした「エクソシスト3」が発表されました。

スタッフ・キャスト

監督のウィリアム・フリードキンはアメリカの映画監督。1970年にオフ・ブロードウェイの舞台劇「真夜中のパーティー」を映画化し、翌年に監督した「フレンチ・コネクション」が大ヒット。この映画でフリードキン監督はアカデミー賞の作品賞と監督賞を獲得しています。1973年にはオカルト映画の金字塔「エクソシスト」を監督し、世界的な大ヒットと高い評価を得ました。1977年に巨額の制作費をかけてフランスのアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の名作サスペンス映画「恐怖の報酬」(1953年)をリメイクしますが、大コケ。現在ではそれなりに再評価されていますが残念リメイクとして知られています。フランスの大女優ジュンヌ・モローやイギリスの美人女優レスリー=アン・ダウンとちょっとの間結婚していたことでも知られています。

悪魔に取り憑かれた12歳の少女を演じたのは、泣く子も黙るリンダ・ブレア。「エクソシスト」のリーガン役で世界的な名声を得て人気子役の仲間入りを果たしましたが、その後のキャリアは迷走を続けました。1974年には「エアポート’75」で臓器移植を控えている少女役を演じ、1977年には「エクソシスト」の続編の体でジョン・ブワマン監督の「エクソシスト2」に再びリーガン役を演じました。1981年には日本で繰り返しテレビ放映されたホラー映画「ヘルナイト」に学園のアイドル(?!)役で出演。見事ゴールデンラズベリー賞の最低主演女優賞にノミネートされてしまいました。成人女優のキャリアの獲得する為ヌードになったり体当たりの映画に出演しますが、評価はイマイチ。「エクソシスト」からの脱却は難しかったようで、その後もキワモノ映画の添え物的存在になっています。

リーガンの母親役を演じたのはアメリカの女優エレン・バースティン。比較的若い頃から映画出演をしていましたが中々女優としての芽が出ませんでしたが、1971年のピーター・ボグダノヴィッチ監督の映画「ラスト・ショー」で母親役を演じアカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。その後に出演した「エクソシスト」での演技が高く評価されアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。乗りに乗って翌年に出演した「アリスの恋」で晴れてアカデミー賞主演女優賞を獲得しています。その後も多くの名作や秀作に出演していますが、個人的には2000年のダーレン・アロノフスキー監督の最高ウツ映画「レクイエム・フォー・ドリーム」で、テレビのクイズ番組出演の為、ダイエットで薬に手を出す主婦を演じ強烈な印象を残しています。

カラス神父役には当時舞台では頭角を表していたものの、映画界では無名に近いジェイソン・ミラーを起用し、これまたアメリカではあまり知られていなかったスウェーデンを代表する俳優マックス・フォン・シドー、ベテラン俳優のリー・J・コップが出演。ノンクレジットですが、悪魔バージョンのリーガンの吹き替えをマーセデス・マッケンブリッジが担当しております。

まとめ

悪魔が取り憑いて地獄行き

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