マスクしたままが初対面だったりすると
マスク取った時の顔がイメージが
違ったりしてちょっとがっかり…
ということがあります。
何故か目だけだと期待値が上がって
しまいます。
[原題]Les Yeux sans visage
[製作年]1959[製作国]フランス・イタリア
[日本公開]1960
[監督]ジョルジュ・フランジュ
[原作・脚本]ジャン・ルドン
[脚本]クロード・ソーテ/ピエール・ボワロー/トーマス・ナルスジャック
[撮影]ユージェン・シュフタン
[音楽]モーリス・ジャール
[上映時間]88
主な登場人物
ジェネシュ教授(ピエール・ブラッスール):
優秀な医師。娘の為に青い瞳の若い女性を調達し顔の皮膚を剥ぎ、娘に移植する。
クリスティーヌ(エディット・スコブ):
教授の娘。交通事故で顔にひどい火傷を負うが、皮膚移植で別人の顔を手に入れる。
その他の登場人物
ルイーズ(アリダ・ヴァリ):教授の秘書
エドナ(ジュリエット・メニエル):誘拐されて顔の皮膚を剥がされる。
ジャック・ベルノン(フランソワ・ゲラン):クリスティーヌの元婚約者。医師。
バロー刑事(アレクサンドル・リニョー):若い女性の失踪を捜査
ポーレット(ベアトリス・アルタリバ):おとり捜査で教授の病院に送り込まれる
あらすじ
真冬の夜、ジェネシュ教授の秘書であるルイーズは、車を走らせていた。後部座席を仕切りに気にするルイーズ。車を止め川に目がけて、若い女性と思しき遺体を投げ捨てた。パリで成功している医師のジェネシュ教授の講演は盛況だったが、教授の娘が失踪してから人が変わったようだと噂されていた。法医学研究所では、川底で見つかった若い娘の遺体が教授の娘ではないかと話し合っていた。しかし、教授の娘が病院から消えた時、顔は交通事故で大火傷をしていたはずだし、それを苦にした自殺にしては、裸に男物のトレンチコートは不自然すぎた。しかし遺体の特徴はテソの娘とも一致しており判断がつかなかった。遺体は顔の損傷が激しかったが、教授を呼んで遺体を確認させると教授ははっきりと、娘のクリスティーヌだと述べた。一緒に呼ばれたテソは行方不明の娘ではないと聞き安堵していた。その後クリスティーヌの葬儀が行われ、教授、クリスティーヌの元婚約者のジャック、教授の秘書ルイーズが揃っていたが、ルイーズは激しく動揺しているようだった。森の中の広大な屋敷に戻った教授とルイーズ。そこには死んだはずの娘クリスティーヌが、ベッドで自分の死亡通知を見て嘆いていた。自分の醜くなった顔に死にたいと泣くが、教授はうまくいくと仮面をつけるように促す。仮面をつけたクリスティーヌは部屋を出てジャックに電話をかけるが何も話さず、ただかつての美しかった自分の自画像を見つめるだけだった。ルイーズは街で若いエドナに住む部屋を紹介すると車に乗せて、森の奥の屋敷まで連れて来る。教授に会わせた後、エドナに薬を嗅がせルイーズと二人で地下室の秘密扉にある研究室に運んだ。それを見ていたクリスティーヌは、一人でこっそり研究室に入って行った。そこには手術台に寝かされたエドナと、奥の扉には檻に入れられた多くの犬がいた。手術室に戻ったクリスティーヌは仮面を取り、エドナの前に立った。エドナが目を覚ますと、クリスティーヌの顔を見て悲鳴を上げた。教授とルイーズによる手術が始まり、エドナの顔から皮膚が剥がされた。
どんな映画?
この映画はフランスの映画監督ジョルジュ・フランジュが、1960年に監督したホラー映画です。猟奇的な描写と、登場人物の心理的葛藤を描いた異色怪奇映画で、後のホラー映画に多大な影響を与えたカルト映画として有名です。
ジェネシュ教授の助手ルイーズは
真夜中何やら運ぶ為に車を走らせています。
そんでもって川に何かを落としている模様。
その後川底で見つかったのは
若い女性の遺体
遺体は顔の損傷が激しく
警察は有名な医師ジェネシュ教授の
娘が交通事故で顔に負った
ひどい火傷を苦に
自殺したのではないかと考えます。
教授の娘クリスティーヌは
行方不明になっていました。
教授が呼ばれ遺体は娘の
クリスティーヌだと確認します。
すぐにクリスティーヌの葬儀が行われました。
冷静な教授 悲壮感漂うクリスティーヌの元婚約者
ルイーズはかなり動揺しているよう
葬儀の後
教授とルイーズは森の中の
屋敷に戻ります。
そこには悲しむクリスティーヌの姿が!
自分の死亡通知を見て
絶望に打ちひしがれていました。
ルイーズが彼女を励まし
クリスティーヌの顔に仮面を装着するのでした。
ルイーズは街で若いく青い瞳の女性
エドナに狙いを定め
彼女を森の奥の屋敷に連れて来ます。
顔の皮膚を剥ぐために!!?
スケキヨ仮面をつけたクリスティーヌ
ルイーズにもう死にたいと訴えるのですが…
監督のジョルジュ・フランジュはフランスの映画監督、脚本家で、フランスでは、パリにある私立文化施設「シネマテーク・フランセーズ」の共同創設者として知られフランスの映画文化に貢献されたお方ですが、日本では「顔のない眼」だけが商業公開され、他の作品は知られていません。 脚本で参加しているピエール・ボワロー、トーマス・ナルスジャックはボワロー=アルスジャック名義で2人でサスペンス小説を発表。1955年にアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督が映画化した「悪魔のような女」や、1958年にアルフレッド・ヒッチコックが監督した「めまい」の原作者として有名です。ジャン・ルドン原作の小説を、ボワロー=ナルスジャックが脚本を担当することにより、物語の視点が博士よりもクリスティーヌに当てられています。これにより単なるホラー映画ではなく、登場人物の葛藤や悲壮感が出て、物語が叙情的に描かれています。 また、脚本と助監督を担当しているクロード・ソーテは、その後に1970年の「すぎ去りし日の…」や、1992年の「愛を弾く女」などを監督されています。
映画内では、若い娘の顔を剥ぎ取る手術シーンがしっかり描かれており猟奇的な映画ではあります。主人公であるはずのジェネシュ教授の心情がわからず、一方で目に見えて動揺するアリダ・ヴァリ演じるルイーズの姿です。恩のある博士の意志に忠実に従うルイーズでも、残る道徳心で葛藤する演技は、さすがベテラン女優といった貫禄です。また、仮面を着けたクリスティーヌは、自分の心情を述べ、父親は本当は実験を楽しんでいるのではと考え始め苦悩します。そして、美しくなければ見向きもしないと感じることも、女性としては非常に辛い状況です。ただ、最初の施術を受けた時点でクリスティーヌも同罪だと思いますがネ。 見終わった後に、何とも言えない悲壮感を与えるホラー映画となっております。
この映画は、スペインのトンデモ系多産映画監督ジェス・フランコが「美女の皮をはぐ男」(1961)としてパクっておられます。さらにフランコ監督は、1988年に「美女の皮をはぐ男」のセルフリメイクを「フェイスレス」てして発表。ヘルムート・バーガーが主演の博士を演じています。
スタッフ・キャスト
マッド・サイエンティストの父親ジェネシュ教授を演じたのは、フランスの俳優ピエール・ブラッスール。1938年にマルセル・カルネ監督、ジャン・ギャバン主演の犯罪映画「霧の波止場」で、若いヤクザ役を演じています。また、1945年のマルセル・カルネ監督のフランス映画史上に残る名作の一つとされる「天井桟敷の人々」では、女たらしの俳優フレデリックを演じており、若い頃は女たらしのイケメン役で脇での出演が多かったのですが、中年に差し掛かり「怪僧ラスプーチン」(1954年)では主演のラスプーチンを演じています。その後は渋い演技でルネ・クレール監督の傑作の一つとされる「リラの門」(1957年)で、主演の呑んだくれジュジュを演じています。その後も、マウロ・ボロニーニ監督のイタリア映画「汚れなき抱擁」(1960年)では、マルチェロ・マストロヤンニの父親役を演じています。ソフィー・マルソーの映画「ラ・ブーム」のパパ役で知られるクロード・ブラッスールの父親です。
教授の娘クリスティーヌを演じたのはフランスの女優エディット・スコブ。1958年にジョルジュ・フランジュ監督の「壁にぶつかる頭」にちょこっと出演。1969年にルイス・ブニュエル監督の映画「銀河」で、聖母マリア役を演じています。また、脇でジャン・ベッケル監督のサスペンス映画「殺意の夏」(1983年)や、レオス・カラックス監督の「ポンヌフの恋人」(1991年)などに出演。オリヴィエ・アサヤス監督のドラマ映画「夏時間の庭」(2008年)ではジュリエット・ビノシュの母親役を演じています。晩年まで舞台女優としても活躍されていましたが、2019年に81歳でお亡くなりになっています。
まとめ
パパはマッド・サイエンティストで地獄行き
コメント