美女と大男「さらば愛しき女よ」

フィルムノワール

恋愛系の約束って大抵守られません。

[原題]Farewell, My Lovely
[製作年]1975[製作国]アメリカ
[日本公開]1976
[監督]ディック・リチャーズ
[原作]レイモンド・チャンドラー
[製作]ジェリー・ブラッカイマー
[音楽]デヴィッド・シャイア
[上映時間]95

主な登場人物

フィリップ・マーロウ(ロバート・ミッチャム):
私立探偵。最近年をとったと感じているらしい。

ヘレン・グレイル(シャーロット・ランプリング):
グレイルの若く美しい妻。

ムース・マロイ(ジャック・オハローラン):
ヴェルマ探しの依頼人。大男。

その他の登場人物

ナルティ刑事部長(ジョン・アイアランド): ロス市警
ジェシー・ハルステッド・フロリアン(シルヴィア・マイルズ): フロリアン夫人
レアード・ブルーネット(アンソニー・ザーブ): 暗黒街の顔役
ビリー・ロルフ警部(ハリー・ディーン・スタントン)
ニック(ジョー・スピネル)
ジョニー(売春婦の情夫): シルヴェスター・スタローン
売春婦(シェリル(レインボー)・スミス)

あらすじ

安宿の中で、私立探偵のフィルム・マーロウは歳をとったことを痛感していた。依頼を受けて人を探す毎日に疲れていた。唯一の楽しみはジョー・ディマジオの連続ヒット記録の更新だけ。7月中旬、警察の目を逃れていたマーロウだったが、ナルティ警部補に電話を掛けた。マロイは一緒かという警部補の問に一人で来いと答えるマーロウ。すでに2人殺されこれで7人目の犠牲者だった。新聞にはデカデカとマーロウの写真が出ていた。宿に来たナルティ警部補にマーロウは事の経緯を話し始めた。日当25ドルで15歳の家出娘を探していたマーロウ。ダンスホールで娘を見つけ母親に引き渡しているマーロウをじっと見つめる大男がいた。その大男はマーロウに声をかけてきた。男はマロイと名乗り刑務所から出てきたばかりだというのに車から男たちに発泡され命を狙われていた。マロイはマーロウにヴェルマという女を探して欲しいと依頼してくる。7年も会っておらず6年手紙が無いという。マロイはグレート・ベンド銀行で8万ドルを盗み投獄されていた。ヴェルマが以前務めていたフロリアンの店に行こうと言うマロイ。そこは今ではすっかり黒人街になっていた。ヴェルマを探すあまり店で暴れるマロイ。呆れたマーロウはヴェルマ探しを引き受け、警察が来る前にマロイを帰した。フロリアンの前に安宿が目につきそこのフロントの親爺に店のことを聞いてみる。210号室に当時のバンドマンがいると教えてもらう。トランペット奏者だったトミーという男は黒人の妻と子供で暮らしていた。以前のフロリアンのオーナーはすでに死んでおり、ジェシーという未亡人がいた。かなり古びた家にほぼアル中のフロリアン夫人はバーボン一本で大喜びだった。ヴェルマの話を聞くとトミーが写真を持っていると言うのだ。ジェシーにトミーを説得してもらい再び安宿に戻りヴェルマの写真を受け取った。

どんな映画?

1940年に発表されたフィリップ・マーロウシリーズの「大いなる眠り」に続く第二作目。
レイモンド・チャンドラー原作の「さらば愛しき女よ」を原作とした脚本で映画化され、1944年公開の「ブロンドの殺人者」(別題「欲望の果て」)でディック・パウエルがマーロウを演じており、この映画は原題通りの二度目の映画化になります。

家出娘の捜索の為ダンスホールを訪れた
私立探偵のフィリップ・マーロウ。
無事に家出娘を見つけて
外で待っていた母親に引き渡しますが
娘に蹴っ飛ばされます。
痛みに耐えているとマーロウの
肩をつかむ大男の姿が。

大男はマーロウにヴェルマという
女を探してほしいと依頼してくる。
めんどくさいな〜とあしらおうと
するが急に車が近づき発砲されます。

しょうがなく大男マロイの依頼を受け一緒に、
7年前にヴェルマが働いていた黒人街にある「フロリアン」という店に行きます。
黒人ばかりの店で相手にされず
マロイははうっかり(??)店主を殺してしまいます。

逃げたマロイの依頼を受けヴェルマを探します。
情報を得てヴェルマがあっさりみつかります。彼女は精神を病み入院していました。

そしてまた唐突に新しい依頼があります。
依頼人の男はネックレスを取り戻すために金の受け渡しをするので、それに同行してほしいというもの。

マーロウが車を運転し、取引場所に行きますが、何者かに殴られあっさり気絶。
気がつくと依頼人は殺されそのまま警察に連行されてしまいます。

どーも煮えきらない出来事にマーロウは独自で調査することに。
そしてマーロウは翡翠のネックレスコレクターである検事のグレイグに行き当たり会いに行くのですが…

思わせるぶりな態度をとるグレイル夫人。美しい金髪にフィリップ・マーロウも目を奪われます。

舞台はヒトラーがロシアに侵攻し、ジョー・ディマジオが56試合連続安打できるかどうかと話していたので1941年ですね〜ちなみにディマジオはマリリン・モンローと結婚していたことがあります。

ヒロインのファムファタールを演じたシャーロット・ランプリング
この映画の彼女は美しい!ゾクゾクするような思わせぶりな眼差しに、スレンターな身のこなし、シャーロット・ランプリングを見るだけでも価値があります。
個人的にはシャーロット・ランプリング(若い頃の)って池田理代子先生の描く漫画みたいなので好きです。❤️

スタッフ・キャスト

プロデューサーは批評家の酷評も何のその、映画に娯楽性を追求した作風でヒット作を数々手がけるジェリー・ブラッカイマー。この映画以後「アメリカン・ジゴロ」(1980年)、「キャット・ピープル」(1982年)、「フラッシュ・ダンス」(1983年)、「ビバリーヒルズ・コップ」(1984年)、「トップガン」(1986年)、「アルマゲドン」(1998年)、「パール・ハーバー」(2001年)、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズや「ナショナル・トレジャー」な1980年代から大ヒット作を連発しています。

眠たそーな顔で登場のロバート・ミッチャムのフィリップ・マーロー、この映画ではあまり受けなかったようですが、この後1978年にマイケル・ウィナー監督で「大いなる眠り」でも続投しております。若い頃から数々のフィルムノワール 作品に登場しておりましたが、1970年代50代に突入したロバート・ミッチャムはデヴィッド・リーンの大作「ライアンの娘」を皮切りにコンスタンントに出演、晩年まで精力的に活躍されました。

グレイ夫人役のシャーロット・ランプリングは70年代かなり多くのヨーロッパ作品に登場。1974年にアイルランド・アメリカ合作のカルト映画「未来惑星ザルドス」、同年にイタリアで女性監督のリリアーナ・カヴァーニが物議を醸した「愛の嵐」、1975年に本作とフランス・イタリア・西ドイツ合作の「蘭の肉体」、1977年にアメリカ・イタリア合作の動物パニック「オルカ」など中々のラインナップ。一時は低迷していたというより迷走していた時期もありましたが70代でも精力的に活躍されています。

大男マロイを演じたのが、この作品で映画デビューのジャック・オハローラン。1978年の「スーパーマン」で悪役一味を演じて有名になりました。
またこの映画は「ロッキー」でブレイク直前のシルヴェスター・スタローンが出演しています。

まとめ

ブロンド美人で地獄行き

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