尼僧が私服に着替えたら「黒水仙」

フィルムノワール

映画ジャンルとして存在する(と思われる)尼僧もの。
エロを想像してはいけません。

[原題]Black Narcissus
[製作年]1947[製作国]イギリス
[日本公開]1951
[監督・製作・脚本]マイケル・パウエル/エメリック・プレスバーガー
[原作]ルーマー・ゴッデン
[撮影]ジャック・カーディフ
[音楽]ブライアン・イースデイル
[上映時間]100

主な出演

シスター・クローダー(デボラ・カー):
美しすぎるイギリス人シスター。
真面目で堅物な性質を買われ若くしてインド、モプ宮殿の修道院長に抜擢される。

ディーン(デヴィッド・ファーラー):
イギリス人監視人。古い宮殿の為何かと男手が必要だが、シスター・ルースの精神を乱すことに。

シスター・ルース(キャスリーン・バイロン):
神経症の女。ディーンに強い関心を示す。

その他の登場人物

カンチ(ジーン・シモンズ):現地の娘
王子(サブー):インド人王子。「黒水仙」の香水をつける。
シスター・フィリッパ(フローラ・ロブソン):厳しい環境にベテランシスターも気持ちがかき乱される。

あらすじ

インド、カルカッタの修道院。若きシスター・クローダーはさらに過酷な地にあるモプ宮殿の修道院長に選ばれ、他の四人の修道女とともに現地に赴いた。そこにはイギリス人のディーンという男が監視員として滞在していたが、シスターたちを歓迎している感じではない。
激しく風が吹きすさぶ高地で、元ハーレムという宮殿に学校や病院を設置しようと奔走していたが、次第に彼女たちの肉体や精神は極限に達し始めた。

どんな映画?

インドの僻地の修道院
元ハーレムだったとういう宮殿を活動の場にするため
派遣された修道女たち

そこにいるのは無駄に美しすぎる尼、デボラ・カー扮するシスター・クローダーの姿でした。

普段は修道院で女性だけの生活を送るシスターたちですが現地での慈善事業もシスターの大事な役割です。
ですが、それは同時に外界とのつながりができてしまうのです。

監視員のディーンや、インドの王子が登場し、
お・と・こ
と接するようになってしまうのです。

王子は「黒水仙」という香水をつけていました。

その香りは高慢で堅物なシスター・クローダーまで
俗世間にいたころの自分を思い起させ、惑わせるのです。

一度崩れた精神の均衡は堰を切ったように急激にあふれ出し、
とうとう事件は起きてしまうのです。

バーンと閉ざされた扉を開けると

そっ そこには

ぎゃ~!!

って尼僧が私服に着替えて暗闇に立っていたいだけでした。

でもこのシーンは大変スリリングに描かれているのです。

スタッフ・キャスト

監督、脚本はイギリスで数々の名作を撮りあげたマイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーのゴールデンコンビです。
撮影はインドで行うことはできず、絵とセットで行われていますが、デボラ・カーの美貌とともに美しい映像が繰り広げられています。

マイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーコンビは1946年に「天国の階段」1947年に「黒水仙」1948年に「赤い靴」などコンビで数々のイギリスを代表する名作映画を排出していますが、マイケル・パウエルは単独でカルト的サスペンス映画「血を吸うカメラ」を撮っています。

デボラ・カーは元祖イングリッシュ・ローズと言われる押しも押されぬ美貌でイギリスを代表する美人女優。この映画のデボラ・カーは若さもあって美しすぎます。しかし、まっことオスカーには縁がありませんでした。

イギリス人監視官を演じているデヴィッド・ファーラーは微妙な男前ですが、ワイルド系でシスターたちを勝手に惑わす男役で出演しています。1950年に同じくマイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーコンビの映画「女狐」にも出演しています。

この映画ではインパクト抜群の精神不安定な女性を演じているキャスリーン・バイロン。1980年にはデヴィッド・リンチ監督作品「エレファント・マン」にも脇で出演していました。

インド人の若い娘カンチを演じているのがジーン・シモンズでこの人もエラがはってますが美人女優です。子役時代から多くの作品に出演されていました。「キッス」のボーカル、ジーン・シモンズとはまったく別人ですってあたりまえか。

まとめ

異国の地で地獄行き。

コメント

タイトルとURLをコピーしました