砂漠地獄「化石の森」

ドラマ

出会いって大事ですよね〜
最近全くと言っていいほど出会いがないです。

[原題]The Petrified Forest
[製作年]1936[製作国]アメリカ
[日本公開]1936
[監督]アーチー・メイヨ
[原作]ロバート・E・シャーウッド
[脚本]デルマー・デイヴィス他
[製作総指揮]ハル・B・ウォリス
[上映時間]82

主な登場人物

アラン(レスリー・ハワード):
作家、ヒッチハイカー。妻に逃げられ放浪中。

ガブリエル・メープル(ベティ・デイヴィス):
通称ギャビー。家族経営のレストランでウェイトレスをしているが本当は画家になりたいという夢をもっている。

ドューク・マンティ(ハンフリー・ボガート):
逃亡犯。レストランに逃げ込む。

その他の登場人物

ボーズ(ディック・フォラン): 店員
チザム夫人(ジュヌヴィエーヴ・トビン):裕福な観光客。
じいさん(チャーリー・グレープウィン):ジェイソンの父親。
ジェイソン・メープル(ポーター・ホール):ギャビーの父親。

あらすじ

砂漠の辺境地のガソリンスタンドで祖父と父、店員のボーズとレストラン(皆は「ブラック・メサ」と呼ぶ)のウェイトレスをしているギャビーは憂鬱な毎日を過ごしていた。母が送ってくれたヴィヨン詩集を読んで、母親のいるフランスに行くことを夢見ていた。ラグビー馬鹿のボーズがちょっかいをかけてくるが、その気になれないままキスされる。ちょうどそこにヒッチハイカーの男が通りかかり、店に入れる。祖父は強盗殺人事件の犯人のデューク・マンティの一味が逃亡していると聞きはしゃぎ始めるが、父は軍服を着て捜索にでかけてしまっていた。ヒッチハイカーのアランは作家をしていたと話すとギャビーの目は輝き服も大人っぽいものに着替えた。じいさんはアランにキッドに二発撃たれたことがあるとか、マーク・トウェンと幼馴染みだと話た。本は売れず妻に捨てられたアランは放浪しながら死んでもいいと思えるほど信じられる何かを探していると言う。彼に魅力を感じるギャビーは彼に自分の描いている絵を見せた。絵をみたアランは彼女の独特のタッチに才能を感じるが、ギャビーは砂漠の中でフランスに留学する夢を見ながら半ばあきらめていた。(アランが生まれたのは1901年)ギャビーはアランに「化石の森」といい、死んだ木々の標本を見せる。アランは自分に似合っていると言う。

どんな映画?

この映画は、それまでB級映画にばかり出演していたハンフリー・ボガートを一躍ハードボイルド・スターに押し上げた作品であります。

化石の森はアリゾナ州にある国立公園で、珪化木(経過ぼく)と呼ばれる化石化した植物が見られることで有名です。公園の目玉はペインテッド砂漠とブルー・メサの丘などがあります。

砂漠の辺境の地でガソリンスタンド兼ダイナーを営んでいる親娘3代。
与太話ばかりする爺さんと
不満たらたらで偏屈な父親
夢を持っているが叶えられない娘

そんな中凶悪な強盗一味マンティが逃亡したとニュースが入ります。

娘のギャビーは店員のボーズから口説かれますがあまり相手にしませんが強引。頭悪くてやだーと思っているとそこに現れたのはスマートな見た目の客。

ギャビーは一目で彼に興味を持ちます。
今までに会ったことのない人種だったからです。
客はアランと名乗り作家だと言います。
それを聞いたギャビーはお着替え❤️

食事中のアランに誘われて自分の夢を語るのですが…

ギャビーはアランを抱き抱えながら、彼を化石の森に埋めると言います。ヴィヨンの詩を読みながら…
「君の畑に私がまく種は空種ではない、その実が私に似ているから
その畑を耕し肥やすは神の御心それが二人の出会った目的」

ハンフリー・ボガートが演じた
デューク・マンティは1930年代に「社会の敵ナンバー1」と言われたギャング、ジョン・デリンジャーがモデルとされています。たびたび脱獄し、銀行を襲ったデリンジャーでしたが、FBIのエージェントによって1934年に射殺されています。

閉塞感そのものの象徴であるかのような砂漠の中で、出会った二人。二人がなぜ出会ったのか?そこに意味があるのか?誰にとっても人生の転機になったことは間違いないでしょう。

スタッフ・キャスト

原作のロバート・E・シャーウッドはアメリカの劇作家兼脚本家です。ウォタルウ橋(哀愁)の原作者、「レベッカ」(1940年)の脚本を担当したことでも知られています。そして、復員兵の社会復帰の難しさを描いた「我らの生涯の最良の年」(1946年)でアカデミー賞脚色賞を受賞しています。2メートルを超える高身長の人物としても有名です。

主演の作家を演じるレスリー・ハワードはイギリス出身のスマートな物腰で1930年代を代表する知的な紳士俳優でした。原作の舞台化でもレスリー・ハワードが演じており、映画化に際しデュークのキャスティングに当初予定されていたエドワード・G・ロビンソンよりハンフリー・ボガートを推したと言います。

ヒロインのギャビーを演じたベティ・デイヴィスは、レスリー・ハワードと1934年に初期の代表作になった「痴人の愛」(人間の絆)に継ぐ共演となります。同年に2度目の映画化である「マルタの鷹」(1936年)でヒロインを演じ、翌年「札つき女」で汚れ役、スカーレット・オハラを思わせるサザン・ベルを演じた「黒蘭の女」(1938年)、「愛の勝利」(1939年)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど30年代から40年代にかけて全盛期を迎えます。

この映画でスターになったハンフリー・ボガート。30年代の初期にはギャング映画や犯罪映画に数多く出演。最近ではパブリック・ドメインとなっている格安DVDでボギーが出演している数々のB級作品が鑑賞できます。「化石の森」に出演した当時ボガート36歳でした。この映画の出演により一躍スター俳優の仲間入りを果たしたボガートの快進撃は40年代に突入します。自分を抜擢してくれたレスリー・ハワードに感謝し、彼の名前にちなんでローレン・バコールとの娘にレスリー・ハワード・ボガートと名付けたそうです。ベティ・デイヴィスとは「札つき女」で再び共演しています。

まとめ

死に場所求めて地獄行き

コメント

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