ちょっと怪しい家が近所にあっても
都会ならそれほど気にされないですね。
[原題]The Little Girl Who Lives Down the Lane
[製作年]1976[製作国]アメリカ・カナダ・フランス
[日本公開]1977
[監督]ニコラス・ジェスネール
[脚本・原作]レアード・コーニッグ
[製作]ゼヴ・ブラウン/ドニ・エロー
[音楽]クリスチャン・ゴベール
[上映時間]94
主な登場人物
リン・ジェイコブズ(ジョディ・フォスター):
イギリスから詩人の父と引っ越してきた13歳の美少女。フランクの母ハレット夫人の家を借りている。
フランク・ハレット(マーティン・シーン):
近所の変態。リンに目をつけて何かと家に押し入ってくる。
その他の登場人物
コーラ・ハレット(アレクシス・スミス):フランクの母親
マリオ(スコット・ジャコビー):近所の少年、リンの協力者
ロン・ミリオリティ(モルト・シューマン):警官
あらすじ
海岸近くの白い家に住むリンはその日ケーキにロウソクを立て自分の誕生日を祝っていた。タバコに火を着けてふかしていると、ベルが鳴りドアを開けると、ハロウィンだと言って訪れた近所の男フランクがずうずうしく上がりこんでくる。フランクの母親が彼女たち親子に家を貸していて二人の息子のためにお菓子はないかという。フランクはリンにロウソクの数で13歳と尋ねるが14歳と答える。リンは母親は死に、詩人の父親と二人暮らしで今も二階の書斎で仕事をしていると言う。いやらしいかんじで髪に触れようとするフランクにケーキを渡し帰らせる。翌日一人で銀行に行ったリンは現金をおろす。部屋に入ると家主であるフランクの母ハレット夫人が、庭のリンゴを取ってずかずか上がりこみ父親に会いたいと言ってくる。ジャムの瓶を取るからとテーブルの下の地下室に行こうとするがリンが止める。ハレット夫人はロンドンから来たよそものとあまりいい顔をしない。学校に通っていない様子のリンに教育委員会に訴えるという。教育委員会の話を確認しに行ったリンは夫人がうそをついたことにほっとし帰ろうとしたしたところに店からフランクが声をかけてくる。しかしすぐに警官のパトカーが通りリンを送ってくれる。警官のミリオリティはフランクには気をつけろと話す。その後瓶を出しておいたためハレット夫人が訪れるが、夫人はリンに態度が悪いと絡んでくる。夫人は今すぐ父親を出せ、本当は不在なんだろうと詰め寄ると、リンは夫人に息子のフランクは変態、何で逮捕されないんだと逆襲すると、夫人は激昂しリンを引っ叩く。怒った夫人はリンに自分の家から出て行けと、無理やりテーブルをどけて地下室の扉をこじ開けた。地下に降りた夫人は驚いて地下室の扉に頭を撃ちつけ落ちてしまう。しばらく座り込んだあと、おそるおそる地下室を確認したリンは夫人が血を流して死んでいるのを見る。リンは外に出て夫人が乗って来た車を動かそうと夫人の遺体からキーを取り車に乗り込むと、向こうから自転車でマジシャンの格好をした少年近づいてきた。
どんな映画?
1973年に出版され、脚本も担当しているレアード・コーニッグの同名スリラー小説を、「扉の影に誰かいる」(1970年)のニコラス・ジェスネールが監督。少女時代のジョディ・フォスターが主演したことで知られています。
海の側の白い一軒家に
一人出入りする金髪の美少女リン
彼女はケーキのロウソクに
火をつけ一人自分の誕生日を
祝っています。
鏡で すきっ歯を気にする13歳
そこにハロウィンだと入ってくる
ずうずうしい若い男
男はリンと父親が住んでいる家の
大家の息子フランクでした。
一人?というフランクに
父親は詩人で家の2階で仕事
していると答えるリン
怪しみながらねっとりリンを
見るフランク
何かキモいんですけど
息子が息子なら母親のオバはんも
フツーに家に上がり込んで来る。
いくら大家だからと言って
図々し過ぎるだろ。
オバはんは父親はどこの一点ばり。
もう三年分の家賃を払っているんだから
自分たちの家だというリンに
生意気なと突っかかるオバはん。
学校も行っていなそうなリンを
何だか怪しんでいる様子。
再び家にやってきたオバはんは
テーブルの下の地下倉庫を
開けようとするのですが…
ハレット夫人に呆然とするリン
この映画は1977年度のサターンホラー映画賞受賞しており、少女のベッドシーンがあるなどカルト的な映画となっております。残念(?)ながら、作中に登場するジョディ・フォスターのヌードシーンは、成人している姉のボディダブルです。 ホラーやサスペンス要素よりも、主人公のローティーンの少女リンの恋愛や大人に対する不信感にフューチャーした青春映画とも言えるかもしれません。
ジョディ・フォスターの大人びた表情と、でもやっぱり子供といったアンバランスで危うい美しさと、演技力が光る佳作です。
警官のミリオリティを演じたのは、自身この映画で音楽監督を務めたアメリカ合衆国の歌手、ピアニストのモルト・シューマンです。
ショパンのピアノ協奏曲第一ホ短調が流れる中、殺人美少女ジョディ・フォスターのクールな眼差しが印象深い一本です。
スタッフ・キャスト
主演のクール美少女リンを演じたのはアメリカ合衆国の女優ジョディ・フォスター。子役から活躍し、1972年のラクエル・ウェルチ主演のローラーゲーム映画「カンサス・シティの爆弾娘」に出演。マーティン・スコセッシ監督映画では1974年の「アリスの恋」に出演、1976年に主演の「フリーキー・フライデー」で、中学生女子が母親と中身が入れ替わるという難しい役を好演。同年にアラン・パーカーのイギリス映画、子供が大人を演じるギャング映画「ダウンタウン物語」で、セクシードレスとばっちりメイクでクラブの歌手を演じて話題になりました。そんでもってジョディ・フォスターが13歳の売春婦を演じ、世間でセンセーショナルを起こしたマーティン・スコセッシ監督の「タクシー・ライバー」(1976年)に出演。少女スターとしてその後も映画に出演。1980年にはエイドリアン・ラインの監督デビュー作「フォクシー・レディ」、同年、サーカスに紛れ込む家出少女を演じた「カーニー」などに出演。多忙な中イェール大学を卒業した才媛で、熱狂的なファンも多く、ストーカー被害からしばらく活動を自粛。その後は、フランス語も堪能なこともありクロード・シャブロル監督の珍しい大河ロマン「他人の血」(1984年)や、嫌なことが次々起こるどん底家族映画の「ホテル・ニューハンプシャー」(1984年)などに出演し本格的に女優業を再開。1988年にレイプ被害者を熱演した「告発の行方」でアカデミー賞主演女優賞を獲得。人気実力共に不動のものにしました。同年には青春映画「君がいた夏」(1988年)では少年の憧れの女性を演じています。また、アラン・スミシー名義でデニス・ホッパーが監督・主演したラブサスペンス「ハートに火をつけて」(1990年)で、マフィアの殺人現場を目撃してしまい殺し屋に追われる女性を演じています。個人的にこの映画結構面白くて、特にベッド一杯のピンクのパンケーキシーンは好きですねー。この翌年にジョナサン・デミの伝説の猟奇映画「羊たちの沈黙」(1991年)で、女性FBIを演じ再びアカデミー賞主演女優賞を獲得していますがね。
近所の変態野郎を演じたのはアメリカ合衆国の俳優マーティン・シーン。エミリオ・エステベス、チャーリー・シーンのお父ちゃんとしても知られていますが、1999年から放送開始されたテレビドラマ「ザ・ホワイトハウス」での大統領役が非常に知られています。1967年に地下鉄乗客の恐怖を描いた「ある戦慄」でチンピラの一人を演じています。1973年に出演したテレンス・マリック監督の「地獄の逃避行」で、シシー・スペイセクと共にナチュラル・ボーン・キラーズを演じています。「白い家の少女」に出演した同年に「カサンドラ・クロス」(1976年)に出演し、エヴァ・ガードナーの愛人役を演じていました。1979年に出演したフランシス・フォード・コッポラの「地獄の黙示録」で、ベトナム戦争でマーロン・ブランド(カーツ大佐)を探しに行くウィラード大尉を演じ広く知られるようになりました。1983年のデヴィッド・クローネンバーグ監督の「デッドゾーン」でも、大統領候補を演じています。80代になっている現在までにも多くの映画に出演されていらっしゃいます。
まとめ
紅茶を飲んで地獄行き
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