「フランダースの犬」はベルギーではあまり知られていないそう。
作者がイギリス人ということもありますが、
日本独自で流行るものがけっこうあります。
[原題]Streets of Fire
[製作年]1984[製作国]アメリカ
[日本公開]1984
[監督・脚本]ウォルター・ヒル
[脚本]ラリー・グロス
[製作]ローレンス・ゴードン/ジョエル・シルバー
[主題歌] 「Deeper And Deeper」
ザ・フィックス
[撮影]アンドリュー・ラズロ
[音楽]ライ・クーダー
[上映時間]97
主な登場人物
トム・コーディー(マイケル・パレ):
エレンの元カレ。ギャングに攫われたエレンを救出すべく再び街に戻ってくる。
エレン・エイム(ダイアン・レイン):
人気ロック歌手。凱旋ライブ中にギャングのボス、レイブンに拉致されてしまう。
その他の登場人物
レイブン(ウィレム・デフォー):地元のギャングのボス
ビリー・フィッシュ(リック・モラニス):エレンのマネージャー
マッコイ(エイミー・マディガン):元女兵士
リーヴァ・コーディ(デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ):トムの姉
クライド(ビル・バクストン)
あらすじ
人気ロック歌手のエレンが育った街で凱旋コンサートを行った。会場は満員でエレンの歌に街の若者は乗り乗りだった。そこへギャング団のボス、レイブン率いる”ボンバーズ”が現れ、エレンを連れ去る。ダイナーを営んでいる姉は弟のトムに電報を出し、助けを求めた。久しぶりに街に戻ったトムだったが、エレンにはすでにマネージャー兼同棲相手のビリーがおり、自分とはもう関係ないという。バーで知り合った軍隊上がりの女兵士マッコイを部屋に泊める。その夜トムはエレンを助けることに報酬をもらうためビリーと話をし、地理に詳しいビリーを案内役にした。ストリートギャングの集まる店に向かう三人。その店にはベットに手錠をはめられたエレンが監禁されていた。トムはエレンを連れビリーの運転している車に乗せ、一人残るのだが。
どんな映画?
ヒット映画「48時間」の監督として知られているウォルター・ヒルが、次作として、1984年に脚本家のラリー・グロスと共同執筆し映画化。
この映画はネオ・ノワール・ロック・ミュージカルというジャンルに位置しております。
ロック歌手エレン・エイムの凱旋コンサートに沸き立つ会場。
ダイナーを営むリーヴァも意気揚々と出かけます。
しかし突如バイクの集団が乱入、歌うエレンを強引に連れ去ります。
集団は街のゴキブリ”ボンバーズ”でした。
リーヴァはすぐに電報を打ちます。
そして帰って来るのです。 あいつが…
電車に乗って。
リーヴァの弟、マイケル・パレ演じるトムです。
トムはよれよれの上着脱ぐといきなりサスペンダーに袖を切ったシャツ。
何!?その恰好?? でも、まあいっか。
リーヴァはトムにエレンを助けてと頼みます。
トムは昔エレンと付き合っていましたが、
スターを夢見た彼女と泣く泣く別れていました。
一方トムはバーで知り合った女兵士マッコイに頼まれ、
リーヴァの部屋に一緒に泊めます。
トムは思いなおし、エレンを助けに行くことに。
現在エレンのマネージャー兼同棲相手のビリーを呼び出します。
ビリーは蝶ネクタイにメガネの冴えない男。
何でこんな男と?
トムはビリーと報酬の相談をし、依頼を受けます。
”ボンバーズ”のアジトに乗り込むトム、ビリー、マッコイ。
アジトではエレンがベッドにつながれていました。
そこに登場したのが、”ボンバーズ”のボス、レイブン。
なんと!これからレンコン掘りにでも行くのかという、
胴付き長靴を着て登場!?
おまけに髪型は変形リーゼント!!
彼はエレン自身が狙いでした。
トムは銃を手に派手にぶっぱなしますが死人は出ません♪
一旦はエレンを連れ戻すことに成功するのですが…
ダイアン・レインの衣装は背中ぱっくりです。
ロックンロールの寓話と銘打って製作されたこの映画。独特の世界観と音楽、アイドル的な風貌のダイアン・レインと肉体もいけてるマイケル・パレ。80年代に若者だった方はこの映画が好きな人多いんじゃないでしょうか?私も大好きです。 映画はヒットしました・・・
日本でだけ♪
アメリカでは製作費を全く回収できない興行収入で大コケ!続編も考えていたのに断ち切れ。残念な結果になりました。劇中のダイアン・レインはモロ 口パクで実際に歌っているのはファイヤー・インク。この映画のために組まれたバンドです。オープニングの「ノーホエア・ファースト」、 エンディングは「今夜は青春(Tonight Is What It Means to Be Yong)」、このエンディングは1985年の大映ドラマ「ヤヌスの鏡」の主題歌「今夜はANGEL」として使用されました。この曲を聞くと杉浦幸のスケバン姿を思い出します。
本国では、主演のマイケル・パレなど根強い支持者が今だにいらっしゃるようで、2008年に非公式の続編らしき「Rode to Hell」が製作され、再びマイケル・パレがトム・コーディを演じているそうです。
ラブとロックが相まって漫画的なチープ感が日本人向け!!
スタッフ・キャスト
監督のウォルター・ヒルはあのサム・ペキンパー監督によるアクション映画の傑作「ゲッタウェイ」の脚本を担当。1975年チャールズ・ブロンソン主演の映画「ストリートファイター」で監督デビュー。1978年にはライアン・オニールとイザベル・アジャーニを主演に「ザ・ドライバー」を監督。1981年に戦争スリラーである「サザン・コンフォート/ブラボー小隊 恐怖の脱出」を脚本も担当、翌年には1982年のニック・ノルティとエディ・マーフィーのバディムービー「48時間」、こちらはアメリカでも日本でも大ヒットしました。また、アメリカ映画として初めてモスクワの赤の広場で撮影されたことで知られる「レッドブル」(1988年)、ミッキー・ロークが主演した「ジョニー・ハンサム」(1989年)など多くの映画を製作、脚本、監督されています。また、「エイリアン」シリーズでは製作、原案、脚本などを担当されていらっしゃいます。
主演のトム・コーディを演じたた当時無名だったマイケル・パレは、このトム役で一躍B級スターの仲間入りを果たしました。同年には「フィラデルフィア・エクスペリメント」に主演、共演がナンシー・アレンなのでB級臭プンプンですが、案外好きな映画だったりします。そして現在でもB級映画一直線に活躍されています。一部のコアなファンがいらっしゃって需要があるのです♪役者にとって大事なことです!
ダイアン・レインは呪われたかのようにその後低迷。1979年の「リトル・ロマンス」から美しく脱皮して、この頃ホントにきれいだったので残念です。ですが、30代になり出演したエイドリアン・ライン監督の「運命の女」(2002年)の出演を契機に見事再ブレイクを果たしました。
この中で一番出世はレイブン役のウィレム・デフォーでしょうか?1986年のオリバー・ストーン監督の「プラトーン」のバンザイでアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。その独特な風貌を活かした悪役はホントにはまっていますし(「スパイダーマン」の緑のやつとか)神父やインテリ役も器用にこなす性格俳優になりました。また、2000年に「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」で、F・W・ムルナウ監督の「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922年)に出演していたマックス・シュレックがモノホンの吸血鬼だったというトンデモ設定映画では、マックス・シュレックを演じています。
まとめ
日本でだけ天国行き
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