時計台のエレベーター「大時計」

サスペンス

働き方改革? NO残業?
何それおいしいの? って思った方
社畜まっしぐらです。

[原題]The Big Clock
[製作年]1948[製作国]アメリカ
[日本公開]1950
[監督]ジョン・ファロー
[脚本]ジョナサン・ラティマー
[製作]リチャード・メイボーム
[原作]ケネス・フィアリング
[撮影]ダニエル・L・ファップ/ジョン・サイツ
[音楽]ヴィクター・ヤング
[上映時間]95

主な登場人物

ジョージ・ストラウド(レイ・ミランド):
ジョナス出版の雑誌「クライムウェイズ」の編集長。忙しさのあまり行けていなかった新婚旅行の為に、初めて長期休暇を計画していた。

アール・ジョナス(チャールズ・ロートン):
ジョナス出版のワンマン社長。愛人のポーリンを勢いで殺害してしまう。

その他の登場人物

ジョージェット・ストラウド(モーリン・オサリヴァン): ジョージの結婚7年目の妻
スティーヴ・ヘイゲン(ジョージ・マクレディ):ゼネラル・マネージャー、局長
ポーリン・ヨーク(リタ・ジョンソン):元モデル、社長の愛人
ロイ(ダン・トービン):ジョージの部下
ビル・ウォーマック(ハリー・モーガン):社長のボディガード
ルイーズ・パターソン(エルザ・ランチェスター):ジョージが購入した絵を描いた女性画家

あらすじ

ニューヨークの摩天楼に聳え立つビル群にある巨大出版社のジョナス出版。そこで編集長として働くジョージは、出版社のビルにある大時計の機械室に入り息を潜めた。ジョージは、警察に囲まれるという窮地に陥っていた。ほんの36時間前までは、家族と仕事に恵まれた普通の市民だったジョージ。ビルのロビーにある大時計は4月25日金曜日の午後11時23分と表示していた。ビルの中にある大時計は個人所有では世界一正確な時計とされ、世界地図の現地時間が示されていた。また、ビル内の時計と国内の印刷所の時計は大時計と連動していた。この大時計が止まることは社長が許さないだろうと話す。ビルの各階にそれぞれの雑誌フロアがあり、エレベーターに乗ったジョージは11階の「クライムウェイズ」で降りた。編集長のジョージは忙しく新婚旅行にも行くことができていなかったが、とうとう休暇をとり妻と5歳の息子と旅行に行く約束をしていた。ジョージは役員会議への召集を無視し、仕事を続けていたが再三の要求に仕方なく遅れていくと、社長は業績不振の「クライムウェイズ」をどうすべきかと追求する。すかさずジョージは今掴んでいる特ダネの話をし社長もそれを進めるように指示する。引き続きジョージに記事を仕上げるようマネージャーに説得されるが、ジョージはやっと取れた休暇を強行しようとする。その様子を社長室の盗聴器から聞いていたのは、社長の愛人ポーリンだった。社長のジョナスが社長室に入ると、彼女の存在に訝しがった。社長室には特別なエレベーターからしか入れないし警備員にはくれぐれも関係者以外は入れるなと言い聞かせていたからだ。ポーリンを部屋から出し、去り際に10時55分にと声をかけた。結局ジョージは出版社を辞めても構わないと言って会社を出て行った。レストランでジョージの隣にポーリンが座った。知らない女だと思ったジョージだったが、ポーリンは社長の古い友人だと話す。そこに妻のジョージェットが訪れ不振顔をする。慌ててジョージェットに取り繕い、ポーリンはそのまま立ち去る。ジョージェットは仕事ばかりのジョージとの旅行が、本当に実現するのかと不安を感じていた。再び社に戻ったジョージは一通り引き継ぎをして5時には出て行こうとした。そこにジョナス社長が訪れ、記事を仕上げないとクビだと告げられ、応じなかったジョージは会社を解雇されてしまう。そこにポーリンから電話が入り、社長の個人情報を握っている、会って話がしたいと伝えられる。

どんな映画?

1946年にケネス・フィアリングが発表しヒットした犯罪小説「The Big Clock」を1948年に映画化。映画監督のジョン・ファローと脚本家のジョナサン・ラティマーのコンビで取り組んだ10本の映画の中の1本です。

ニューヨークの高層ビル
ジョナス出版社 社長のジョナス
自慢のデジタル大時計を配し
社長専用のエレベーターまで
ワンマンで強引な社長

一方で犯罪雑誌「クライムウェイズ」の
編集長ジョージは入社7年以来
休暇なしで新婚旅行もお預け
そこでジョージは妻と子供を連れて
新婚旅行を計画!!
何としても旅行に行くと決意
ですがそれでは困ると
引き留める出版社側

それを社長室でこっそり聞いていたのは
社長の愛人ポーリン
社長はすぐにポーリンを追い出し
夜に会いに行くと伝えます。
社長は自分を切るだろうと
思ったポーリンは
ジョージに近づきます。

その日ジョージは
とっと仕事を引き継ぎ
5時には会社を出ることにしますが
社長が訪れジョージに
記事を仕上げないとクビと
パワハラ全開
ジョージはそのまま出て行こうと
しますがちょうとポーリンから電話が
社長の弱みを握れるかもと
彼女と会うことにするのですが…

時計を買いに骨董屋に入ったジョージとポーリン。
ジョージは酔っ払った勢いで絵を買ってしまいます。

勢いで愛人を殺害してしまった社長が、局長の案で罪をなすりつけるべく社長が来る前に愛人と会っていた男を探そうとします。その男が別人の名前を語った主人公本人で、社長から自分で自分を探すように珍妙な指令を受けるという、変わったストーリー展開が特徴的な映画です。

ニューヨークの高層ビル群にロビーには巨大時計、社長専用のエレベーターなど公開当時かなり現代的でスタイリッシュだったそうです。また、滅私奉公的な出版業界を描いていたのも当時珍しかったようです。 1976年にイヴ・モンタン主演で舞台をフランスのオルレアン警察署に設定され、刑事物にアレンジされた「真夜中の刑事/PYTHON357」(1976年)としてリメイクされています。 また、有名なリメイクとして1987年のケヴィン・コスナー主演の「追いつめられて」では、舞台がワシントンDCの米国国防総省に変更されています。

ジョン・ファローの妻モーリン・オサリヴァンは5年振りの映画出演。社長役のチャールズ・ロートンの妻エルザ・ランチェスターも女流画家として出演しております。

スタッフ・キャスト

監督のジョン・ファローはオーストラリア出身の映画監督兼脚本家。1936年に自身が監督した「ターザンの逆襲」でヒロインのジェーンを演じたモーリン・オサリバンと同年に結婚。「大時計」(1948年)を監督した同年にコーネル・ウールリッチ原作の「夜は千の眼をもつ」を監督。さらに、同年に「大時計」と同じジョナサン・ラティマー脚本、レイ・ミランド主演のスリラー「夜霧の誘惑」(1948年)を監督。1950年にロバート・ミッチャム主演で「ゼロへの逃避行」、翌年にもロバート・ミッチャム主演の「替え玉殺人事件」(1951年)など多くのフィルム・ノワールを監督。また、「カルフォルニア」(1947年)、ジョン・ウェイン主演の「ホンドー」(1953年)など西部劇も多く監督されています。脚本家としては、1956年に「八十日間世界一周」の脚本を担当されています。モーリン・オサリバンとの間にミア・ファロー、ティサ・ファローがいらっしゃいます。

ジョナス社長を演じたのはイングランド出身のオスカー俳優、映画監督のチャールズ・ロートン。1925年にE・A・デュポン監督の「ピカデリィ」で映画デビュー。1932年にジェームズ・ホエール監督のホラーコメディ「魔の家」(1932年)でハリウッドデビューし、翌年に「獣人島」(1933年)でモロー博士を演じ、同年にアレクサンダー・コルダ監督の「ヘンリー八世の私生活」(1933年)で主演のヘンリー八世を演じ、この演技でアカデミー賞主演男優賞を獲得しました。また、この映画では妻であるエルザ・ランチェスターがアン・オブ・クレーヴズを演じています。その後もイギリス時代にアルフレッド・ヒッチコック監督の「巌窟の野獣」(1939年)、ウィリアム・ディターレ監督の「ノートルダムの傴僂男」(1939年)でせむし男のカジモド、ロバート・シオドマク監督のフィルム・ノワール「容疑者」(1944年)、アルフレッド・ヒッチコック監督の「パラダイン夫人の恋」(1947年)、ロバート・テイラー、エヴァ・ガードナー主演のサスペンス映画「賄賂」(1949年)などに出演。1957年にはビリー・ワイルダー監督、アガサ・クリスティ原作の名作法廷ミステリー映画「情婦」に出演し、妻のエルザ・ランチェスターと共演しています。1955年にロバート・ミッチャム主演で「狩人の夜」を初監督されています。公開当時は大いにずっこけてしまい、その後映画を監督することはなかったのですが、現在ではカルト映画として高い評価を得ています。

まとめ

社畜はつらいよで地獄行き

コメント

タイトルとURLをコピーしました