仲が悪い双子も結構いますネ
[原題]Sisters
[製作年]1972[製作国]アメリカ
[日本公開]1974
[監督・原案・脚本]ブライアン・デ・パルマ
[脚本]ルイザ・ローズ
[製作]エドワード・R・プレスマン
[編集]ポール・ハーシュ
[音楽]バーナード・ハーマン
[上映時間]92
主な登場人物
ダニエル・ブルトン(マーゴット・キダー):
女優を目指している若いモデル。番組共演で知り合った黒人青年を自宅に呼ぶ。
エミール・ブルトン(ウィリアム・フィンレイ):
ダニエルの夫、別居中だと言う。ダニエルとドミニク姉妹の担当医師だった。
その他の登場人物
グレース・コリアー(ジェニファー・ソルト):女性記者
ジョセフ・ローチ(チャールズ・ダーニング):私立探偵
アーサー・マクレネン(バーナード・ヒューズ):ライフ誌の記者
フィリップ・ウッド(ライスル・ウィルソン):ダニエルと番組で共演
ルイーズ・ウィランスキー(オリビア・デュカキス)
あらすじ
クイズ番組「のぞき屋トム」の番組で、盲目の美女役を演じたダニエル。ダニエルは女優を目指してモデルの仕事をしている。彼女はその番組で賞品としてナイフをもらい、共演したフィリップはペアの食事券を受け取った。番組終了後二人でレストランに向かった。カナダのケベック出身だと言うダニエルは食事中突然後ろから男に掴まれ帰るように促される。元旦那がしつこいと男を拒絶し、ダニエルはフィリップと一緒にニューヨークのスタテン島にあるアパートに向かった。フィリップがアパートの窓から外でウロウロしている元旦那を見つけ、車で誘導しながらうまく巻いてくれた。そのままフィリップと一晩過ごしたダニエル。ダニエルのお腹には大きな傷跡があった。翌朝起きたダニエルは気分が悪く洗面所に向かい薬を飲もうと洗面台に置いた。フィリップはフランス語でダニエルが誰かと言い争っている声で目を覚ました。フィリップが洗面所に行き服を着るが、気づかずに洗面台に置いてあった薬を流してしまう。そこにダニエルがやってきて、実は自分には双子の妹ドミニクがおり精神的におかしい妹は、自分に彼氏ができると怒り狂うと言う。さらに今日は、自分達の誕生日だという。ダニエルはフィリップに薬と誕生日の買い物を依頼した。フィリップがダニエルとドミニクと書いた誕生日ケーキを買って帰り、番組でもらったナイフを持ちローソクをつけて突っ伏しているダニエルの前に持っていく。すると突然起き上がった女はフィリップにナイフを突き立てめった刺しにする。血まみれになったフィリップは息絶え絶えに床を這って窓に向かって助けを求めた。隣のアパートの窓から血だらけのフィリップを見た女性記者のグレースは、慌てて警察に通報した。
どんな映画?
この映画は、アメリカ合衆国の映画監督ブライアン・デ・パルマ監督が、結合双生児を題材に「スーパーマン」(1978年)でブレイク前のマーゴット・キダーが主演したサイコスリラー映画となっております。
女優を目指しているモデルの
ダニエルは番組の共演を
きっかけに知り合った
黒人青年のフィリップと
番組の賞品として受け取った
お食事券で一緒にごはん
カナダ出身だというダニエル
楽しく食事していると
彼女の後ろに怪しい男
ダニエルは元夫がしつこく
付き纏っていると言うのです。
フィリップはカッコよく男を
追払い二人は彼女のアパートへ
翌朝気分が悪くなった
ダニエルは洗面所へ
誰かがフランス語で
言い争う声が聞こえます。
ダニエルは自分には双子の
妹がいて彼氏ができると
怒り狂うと言うのです。
でもって実は今日二人の
誕生日なのと
ダニエルは切らしてた薬と
誕生日の買い物をフィリップに
お願いします。
フィリップはケーキ屋に行き
ダニエルとドミニクへと
ケーキに書いてもらいアパートへ
戻ります。
フィリップはケーキにローソクを
灯してダニエルの前に
すると突然ナイフで メッタ刺し!!
何で?
ドミニクだった??!
瀕死のフィリップはのたうちながら
窓から助けを求めます。
それを見ていたのは
隣のアパートに住む記者のグレース。
殺人よ!!
と意気込んで通報するグレース。
犯行現場に向かうのですが…
結合双生児だったダニエルとドミニク姉妹
ブライアン・デ・パルマ監督が、旧ソ連で生まれた女性の結合双生児ダーシャとマーシャのクリヴォシリャポワ姉妹から着想を得て映画化。この姉妹は分離されることなくお亡くなりになられていますが、生まれた場所が場所なだけに過酷な人生を送られたそうです。ただこの姉妹、映画でも登場したシャム双生児の語源にもなった有名な結合双生児、チェンとエンのブンカー兄弟は仲が良かったようなのですが、クリヴォシリャポワ姉妹は性格が異なり反目し合っていたようです。いくら姉妹でも性格が合わないのに離れられない状態は相当キツイですネ。同じ結合双生児としてアメリカ合衆国の芸能界で有名だったヒルトン姉妹も仲がよくなかったようです。
ヒロインのマーゴット・キダー。個人的に、「スーパーマン」(1978年)で見ていた頃は、何かシワっぽくておばさん?っぽくねと思っていたのですが、今見るとやっぱりキレーですねー。この映画では、セミヌードも披露されていらっしゃいます。 もう一人のパッとしない(?)ヒロインのグレース。窓から事件を目撃して、とくダネ!よと事件の捜査を始める中盤からのヒロインです。この映画でもやっぱりアルフレッド・ヒッチコック監督の「裏窓」(1954年)や「サイコ」(1960年)などを踏襲されています。 また、ロバート・シオドマク監督の「暗い鏡」(1946年)、ロバート・マリガン監督の「悪を呼ぶ少年」(1972年)などにも類似性があります。
「悪魔のシスター」は、2006年にダグラス・バック監督に「シスターズ」としてリメイクされています。
スタッフ・キャスト
主演のダニエルを演じたのはカナダ出身の女優マーゴット・キダー。ハリウッドで活躍し1978年のリチャード・ドナー版「スーパーマン」でロイス・レインを演じたことで有名な女優さんです。「悪魔のシスター」(1972年)に出演後、1974年に本国カナダ産のサスペンス・スリラー映画「暗闇にベルが鳴る」に、主演のオリヴィア・ハッセーの友人役で出演。なかなか悲惨な殺され方でgoodでした。ジョージ・ロイ・ヒル監督の「華麗なるヒコーキ野郎」(1975年)ではロバート・レッドフォードの相手役として出演、同年にJ・リー・トンプソン監督のサイコホラー映画「リーインカーネーション」(1975年)でオールで殴る役(?)で出演されています。ほんでもって1978年に世界的なヒットとなった「スーパーマン」で、ヒロインのロイス・レインを演じ世界的に知られるようになります。続編の「スーパーマンⅡ」(1980年)、「スーパーマンⅢ」(1983年)、「スーパーマンⅣ」(1987年)でもロイスを演じています。また、1979年の大ヒットホラー映画「悪魔の棲む家」に出演、続いて日本では劇場未公開でしたが、ポール・マザースキー監督の恋愛映画「ウィリーとフィル 危険な関係」(1980年)に主演の一人として出演されています。この頃人気も知名度もピークを迎えたのですが、1990年代に入ると撮影中の事故で休業を余儀なくされた後に経済的に困窮。精神病を患い数日間失踪して大変な状態で発見されたことも。2000年代に入り母親役などで復活するも残念ながら2018年に69歳でお亡くなりになられています。私生活では「ホームアローン」(1990年)のパパ役で知られる俳優のジョン・ハードや、「リオの男」(1963年)や「まぼろしの市街戦」(1967年)の監督で知られるフランスのフィリップ・ド・ブロカと結婚されていらっしゃいましたが、いずれも短い結婚生活でした。
ヒロインの元夫でイカれた医者を演じたのは、アメリカ合衆国出身の俳優ウィリアム・フィンレイ。コロンビア大学時代に知り合ったブライアン・デ・パルマ監督の映画「Murder à la Mod」(1968年)でデビュー。同監督の「ファントム・オブ・パラダイス」(1973年)では何と主演!!復讐の鬼ファントムをキモく熱演されておられました。この怪演でホラー映画への出演も多く、トビー・フーパー監督のホラー映画「悪魔の沼」(1978年)では、旅行中の若い夫役を演じています。デ・パルマ監督の映画では常連で「フューリー」(1978年)、「殺しのドレス」(1980年)、「ブラック・ダリア」(2006年)などに出演されています。また、トビー・フーパー監督の「ファンハウス/惨劇の館」(1981年)や「トビー・フーパーのナイトテラー」(1993年)にも出演されています。
まとめ
殺人現場を目撃して地獄行き
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