暗くなるまで待てない「見えない恐怖」

サスペンス

すごく痩せた人を見るとちゃんと食べているのか心配になります。

[原題]Blind Terror See No Evil
[製作年]1973[製作国]イギリス
[日本公開]1973
[監督]リチャード・フライシャー
[脚本]ブライアン・クレメンス
[撮影]ジェリー・フィッシャー
[音楽]エルマー・バーンスタイン
[上映時間]88

主な登場人物

サラ(ミア・ファロー):
失明してしまった女性。

その他の登場人物

スティーブ(ノーマン・アシュレイ):サラの恋人
ベティ(ドロシー・アリソン):サラの叔母
サンディ(ダイアン・グレイソン):サラの従姉妹

あらすじ

盲目になってしまったサラはジョージ叔父の家に世話になる。広い邸宅だったが勝手はわかっており、自由に歩くことができた。その頃周辺をうろつく、怪しい男の姿があった。家には叔父と叔母、従妹のサンディの三人と庭師がいた。サラは恋人のスティーブと会う約束をしていたが車で迎えに来たのはジャッコという男だった。スティーブは厩舎を営んでおり、馬の飼育をしていた。サラが帰って来ると人の気配がしない。出かけると聞いていたので気に留めずそのままベットに入って眠ってしまった。実は全員殺されていて、隣のベッドではサンディが、翌朝コーヒーをいれに行った台所では叔母が、お風呂に入ろうとしたバスタブには叔父が、すでに撃ち殺されていた。次第にただならぬ気配を感じたサラは、庭師の男にぶつかって転ぶ。庭師はまだ死んでおらず、男に撃たれその男は落としたブレスレットを取りに戻って来るという。

どんな映画?

目が見えなくなってしまった女性サラは、叔母さん夫婦と従妹のサンディがいる屋敷に
しばらく世話になることになります。

大きな屋敷で、裕福な家庭でした。
一方近くではロマたちがキャンプをしています。

手探りで飲み物を注ぐサラ。
心配そうに見つめるおばたち。

サラは、厩舎を営んでいる恋人のスティーブが迎えをよこし、彼に会いに行きます。

目が見えなくなってしまったサラはスティーブに引け目を感じていました。
屋敷に戻ってきたサラ、誰もいないと聞かされていたので室内が閑散としていても気に留めませんでした。隣のベッドに遺体が転がっていても…

翌朝バスルームに行きバスタブにお湯を張ります。叔父さんの遺体があることも気付かず…

室内の異様な雰囲気にとうとう皆が死んでいることに気づいたサラ。
半狂乱に屋敷の中を走り回り、転げ落ちます。
庭師パーカーも腹を撃たれていたが意識があり、男に撃たれたとサラに説明します。
そして、男は落としたブレスレットを取りに再び戻って来るだろうと…

男が屋敷にいるとわかり逃げ惑うサラ。
果たしてサラは無事に逃げ切れることができるのか?
犯人の正体は??

女性が痛めつけられるシーンが好きな人にはおすすめのスリラー映画です。

スタッフ・キャスト

この映画の見どころは、何と言っても主人公のサラを演じるミア・ファローが半狂乱になる姿です。
目の見えない役のミア・ファローが逃げ回るシーンがかなり痛々しいのです。(肉体的にも)
ここまでボロボロになる彼女の熱演は笑っちゃうぐらい見応えがあります。
「ローズマリーの赤ちゃん」でもそうですが、神経質そうにうろちょろする、一人上手の演技はミア・ファローがぴか一です。
個人的には、足を怪我しているのに裸足で逃げ惑うので破傷風は大丈夫なにかと心配になりました。
1967年のテレンス・ヤング監督の「暗くなるまで待って」のオードリー・ヘプバーンもそうですが、二人ともかなり痩せている為何をするにも大丈夫か?とハラハラしてしまうのです。

そして、ブーツしか見せない犯人の不気味さと、遺体の中でなかなか気付かず普通に生活する姿はスリリグ感が半端ないです。

監督のリチャード・フライシャーは、ディズニーで撮った1954年の「海底二万哩」、1966年に「ミクロの決死圏」などの娯楽作品で成功し、一方で1968年の「絞殺魔」や1973年の「ソイレント・グリーン」、1975年の「マンディンゴ」など観ていて陰鬱になるような映画も撮っています。SFからサスペンスと器用にこなす監督さんです。

サラを演じたミア・ファローは父親が映画監督のジョン・ファロー、 母親が女優のモーリン・オサリヴァンのサラブレッド。モーリン・オサリヴァンは1932年のジョニー・ワイズミュラー主演映画「類猿人ターザン」のジェーン役で非常に有名です。ミア・ファローは1968年に出演したロマン・ポランスキーの「ローズマリーの赤ちゃん」の演技が評価され、1974年の「華麗なるギャツビー」など話題作からスリラーまで数多くの作品に出演しました。80年代に公私供にパートナーだったウッディ・アレンの監督する作品に多く出演しました。個人的には、「ハンナとその姉妹」もいいのですが、「カイロの紫のバラ」がメロドラマタッチで好きです。

まとめ

木にぶつかって地獄行き

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