わたくしはどちらかと言うとオリジナル派です。
[原題]Cape Fear
[製作年]1961[製作国]アメリカ
[日本公開]1962
[監督]J・リー・トンプソン
[原作]ジョン・D・マクドナルド「法に叛く男」
[製作]サイ・バートレット
[音楽]バーナード・ハーマン
[上映時間]105
主な登場人物
サム・ボーデン(グレゴリー・ペック):
弁護士。かつてケイディに襲われていた女性を助けてケイディを刑務所送りに。しかし必ずしも清廉潔白な人間とも言えない。
マックス・ケイディ(ロバート・ミッチャム):
女をいたぶるサイコ野郎。自分を刑務所送りにしたサムを逆恨みする。
ペッグ(ポリー・バーゲン):
サムの美しい妻。
その他の登場人物
ダットン警察署長(マーティン・バルサム):サムの友人。
チャーリー・シーバース(テリー・サバラス):サムが雇った私立探偵。
ナンシー(ロリ・マーティン):サムの娘。
裁判長(エドワード・プラット)
あらすじ
ジョージア州サヴァナ。裁判所から出た弁護士のサムを執拗に見つめる男がいた。サムが車に乗り込むと、窓越しにやってきていやらしくあいさつをする。男は、8年前婦女暴行の現場を目撃したサムが、証言したため8年間の刑務所送りになったケイディだった。ケイディはサムを脅すような発言をしその場を立ち去ったが、サムが妻と娘と楽しんでいたボーリング場に現れたり、不気味な行動を見せる。サムは知り合いのダットン警察署長に相談したが、逮捕には至らなかった。そんな中サムの家の犬が何者かによって毒殺されてしまった。用心の為妻や娘にケイディの話をした。しかしその後ケイディは弁護士を連れて現れ、サムに脅されたり犬殺しの濡れ衣を着せられたと訴えてきた。サムは探偵を雇いケイディを尾行させていた。するとケイディはバーで知り合った女の部屋に行き、彼女をひどく暴行する。探偵が彼女の部屋に行くとすでにケイディはおらず、彼女は黙ってベットにうずくまっていた。警察に訴えるよう説得したが彼女は復讐を恐れてすぐさま街を離れる準備をし始めた。サムは家族とともにクルーザーに乗るためビーチに向かうがそこにもまたしましまの服を着たケイディが来ており、娘を変な目で見るケイディに思わずサムは殴りかかってしまう。娘のナンシーが通う学校にもケイディが現れ、学校に逃げるナンシーを不気味に付けてくるケイディ。恐怖におびえたナンシーは道路に駆けだし、車に轢かれそうになってしまう。怒り狂ったサムは銃を持って家を出て行くが、間もなく戻る。サムはケイディを呼び出し金銭の話を持ち出す。ケイディは刑務所に入っていた八年分の金額を要求し、サムや妻子に付きまとうような不気味な行動を見せ始める。
どんな映画?
やや強引だが敏腕弁護士のサム・ボーデンは妻子もあり、仕事も順調でした。
しかし彼を法廷でじっと見つめる男がいます。
男は、8年前にサムが刑務所送りにしたマックス・ケイディでした。
サムに絡んでくるケイディ。
家族で楽しんでいるところに姿を見せ、不気味な行動をとります。
男はサムに復讐の執念をたぎらせていたのです。
そんな時事件が起きます。
サムが家族でかわいがっていた犬が何者かに毒殺されたのです。
1987年の映画「危険な情事」でもそうですが、ストーカーにまずヤラレルのがペットです。
ナンパした女性をいたぶるケイディ。やっぱり変質者でした。
ケイディ役のロバート・ミチャッムは1955年の知る人ぞ知る映画「狩人の夜」で、危ないエセ牧師役で怪演を見せましたが、ここでも不気味な男を熱演しています。
やがて追い詰められたサムは、ケイディに対抗するため弁護士にしては??と言う行動を取り始めるのでした。
決戦の地岬にて
揉み合うおっさん対おっさん!!!
スタッフ・キャスト
この映画は1991年にマーティン・スコセッシ監督で「ケープ・フィアー」としてリメイクされています。
ケイディをロバート・デニーロ、サムをニック・ノルティ、サムの妻にジェシカ・ラング、娘役にジュリエット・ルイスが演じており、いずれも雰囲気はオリジナルに近いです。
リメイク版はロバート・デニーロの入れ墨だらけ(「狩人の夜」を意識していたそう)と妙に鍛えられた体が当時話題になりました。
車の下に張り付いていたデニーロの姿が印象的な映画でした。
で、この映画、オリジナル版のキャストも出演しております
今度はデニーロの弁護士役でグレゴリー・ペック。
ニック・ノルティの友人の警部にロバート・ミッチャム。
ペックの友人役の警察署長役だったマーティン・バルサムが裁判官に扮しております。
監督のJ・リー・トンプソンはアクション映画からコメディ、西部劇と器用にこなした監督さんですが、大ヒットした「ナヴァロンの要塞
」、「マッケンナの黄金」、「0の決死圏」でもグレゴリー・ペックと組んでいます。キャリアの後半は、「誕生日はもう来ない」などの珍作?やチャールズ・ブロンソンのアクション映画を多く撮っていました。
サム・ボーデン役のグレゴリー・ペックはイケメン俳優として「ローマの休日」などで有名ですが、40代にさしかかるとややキャリアが低迷しかけました。そんな時1961年のJ・リー・トンプソン監督の「ナヴァロンの要塞」のヒットにより復活を遂げました。そして「恐怖の岬」と同じ1962年の「アラバマ物語」でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、自身のキャリアの頂点に達しました。
マックス・ケイディはロバート・ミッチャムは西部劇から、フィルム・ノワール、探偵ものなど多くの映画に出演し、その風貌から悪役には凄みがあります。
新旧ロバート対決と言うことで、「恐怖の岬」と「ケープ・フィアー」併せて御覧いただくと面白味がいっそう増しますよ~
まとめ
岬で地獄行き
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