未来から40年過ぎました。
[原題]1984
[製作年]1957[製作国]イギリス
[日本公開]劇場未公開
[監督]マイケル・アンダーソン
[脚本]ウィリアム・テンプルトン/ラルフ・ベッティンソン
[原作]ジョージ・オーウェル
[製作]N・ピーター・ラスヴォン
[撮影]C・M・ペニントン=リチャーズ
[音楽]マルコム・アーノルド
[上映時間]91
主な登場人物
ウィンストン・スミス(エドモンド・オブライエン):
39歳の男。真理省記録局に勤務。監視社会に疑問を持ち、禁止されている日記をつけ始める。
ジュリア(ジャン・スターリング):
26歳。真理省創作局で本の製作を担当。ウィンストンを尾行しているようだが。
その他の登場人物
パーソンズ(ドナルド・プレザンス):ウィンストンの隣人
オコナー(マイケル・レッドグレイヴ):高級官僚の一人
チャリントン(デヴィッド・コソフ):古物商、思想警察
ジョーンズ(マーヴィン・ジョーンズ):死刑囚
あらすじ
1965年に核戦争が勃発し、世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアの3つの統治国家に分断された。その後も戦争は続き、紛争状態を継続させることで政党を保持させていた。現在のロンドンは、省庁が集まるエアストリップ・ワンの首都、オセアニアの行政区となっていた。ユーラシアがミサイルを発射したと、街頭ビジョンで知らされ、逃げ惑うロンドン市民。平和省からミサイルは迎撃されたと放送が入り、アパートに戻ったウィンストン。部屋に入るとすぐに包を床に置き素早く蹴っ飛ばし部屋の中に入れた。ウィンストンは自室のテレスクリーンに向かって胸のバッチを照合させ、続いて服やカバンの中身などを見せた。この時代、あらゆる市民生活が当局によって厳しく監視されていた。ウィンストンは隠し持ってきた包の中から、日記を取り出し、1960年と書かれていたものを1984年に書き換えた。「憎悪週間」中である4月18日ウィンストンはこの古い日記に、今は禁じられ、発覚すれば死刑になる自分の日々の出来事や、意見を書き込んでいこうと決意する。そこにニュースが入り、破壊工作員の2人が逮捕され、彼らが最後に「ビッグ・ブラザー万歳!」と言い残したと報道されていた。そこでウィンストンは日記に「打倒ビッグ・ブラザー」と書き残し、机の引き出しの中にしまった。その後、隣人のパーソンズと一緒に店に入ると、席には死刑囚のジョーンズたちがいた。ビッグ・ブラザーが地中海での勝利に免じて囚人たちを愛情省で治療の上、釈放したようだった。そこに同じ真理省の創作部で働くジュリアが入ってきた。ウィンストンはパーソンズに、なんだか彼女に付けられているような気がして苦手だと話す。愛情省から速報が入り、ビッグ・ブラザーはジョーンズとラザーフォードの二人の再逮捕を決定したという。すぐに二人は逮捕され連行されていった。気分が悪くなったウィンストンは一人店を出て街を歩いた。するとすぐにジュリアがウィンストンの跡を追い、やはり彼を尾行しているようだった。ウィンストンは古い日記帳を買った店に入り、店主の老人チャリントンから他の商品も見せてもらう。その店にはテレスクリーンが無く、市民エリアは無くてもいいのだと言う。
どんな映画?
イギリスの作家ジョージ・オーウェルのディストピアSF小説の傑作を、イギリス人映画監督のマイケル・アンダーソンが映画化。イギリス映画ですが、アメリカ人俳優のエドモンド・オブライエンが主演し、ヒロイン役にもアメリカ人女優のジャン・スターリングが出演してます。
核戦争が勃発し
世界は、オセアニア、ユーラシア、
イースタシアの3つの統治国家に
分断されたという設定。
1984年の現在
3つの統治国家は常に
戦争を続けている(らしい)
完全管理社会であるオセアニアで
真理省記録局に勤務している
ウィンストンは
こんな社会に疑問を
感じていました。
ウィンストンは当時
禁止されていた日記を
つけることにした。
バレると逮捕されて死刑になる(らしい)
そんなウィンストンは
最近同僚の女性ジュリアに
尾行されている気がしています。
なぜ彼女は自分を?
実はジュリアは・・・
オセアニアの絶対的指導者ビッグ・ブラザーを盲目的に崇拝する人々。
「1984」は、イギリスの作家ジョージ・オーウェルが、1949年に刊行したSF小説で、第二次世界大戦で世界中の作家に与えた影響は大きく、特にオセアニアの絶対的指導者であるビッグ・ブラザーは、ソ連のスターリンをモデルにしているといわれています。同じくイギリスの作家アンソニー・バージェスも戦争の影響を受けて、近未来を舞台にしたディストピア小説「時計じかけのオレンジ」を発表しています。
オーウェルの小説は、至るところに設置されている監視カメラや、自宅にも設置されているテレスコープと呼ばれるカメラによって生活も徹底的に管理され、さらに隣人同士も監視し合う生活が、自己の意思や思想を徹底的に排除し、権力に盲目的に従うようにしていれば幸せすらも感じるという地獄が描かれております。現在ではディストピア小説の傑作とされており、後に見られるような監視社会への恐怖を描いた作品の先駆的作品です。
映画でアメリカ版ではラストが「打倒ビッグ・ブラー」と改変されており、遺族ともめたそうです。
ちなみに日本はイースタシアに属するらしいです。
1957年のこの映画は、日本では劇場未公開ですが、1984年にマイケル・ラドフォード監督が「1984」を映画化しています。こちらの映画は日本公開された当時、日本で初めて無修正ヘアが映された映画として知られているそうです。
スタッフ・キャスト
主人公のウィンストンを演じたのは、アメリカ合衆国出身の俳優兼映画監督エドモンド・オブライエン。1939年にウィリアム・ディターレ監督の「ノートルダムの傴僂男」に出演。1946年のロバート・シオドマク監督のフィルム・ノワール、「殺人者」で、生命保険の調査員役で主演しています。ジョージ・キューカー監督のフィルム・ノワール「二重生活」(1947年)では宣伝マンを、等オール・ウォルシュ監督のギャング映画「白熱」(1949年)では、主人公を演じるジェームズ・キャグニーを追いかける潜入捜査官を演じ、次第に性格派実録俳優の頭角を現します。ルドルフ・マテ監督のフィルム・ノワール「都会の牙」(1949年)で主演。ヴィンセント・シャーマン監督のフィルム・ノワール「死への招待」(1950年)では行方不明になる友人を演じています。その後も立て続けに、ルー・ランダース監督のサスペンス映画「恐怖の街」(1952年)、ウィリアム・ディターレ監督のフフィルム・ノワール「黒い街」(1952年)二主演した後、アイダ・ルピノ監督の「二重結婚者」(1953年)と「ヒッチ・ハイカー」(1953年)の2本に立て続けに主演しています。また、1954年のフィルム・ノワール「事件の死角」では、主演だけでなく共同監督も務めています。同年出演したジョセフ・L・マンキーウィッツ監督、ハンフリー・ボガート、エヴァ・ガードナー主演のドラマ映画「裸足の伯爵夫人」(1954年)で記者を演じ、この演技でアカデミー賞助演男優賞を獲得しています。ジャック・ウェッブ監督の「皆殺しのトランペット」(1955年)に出演し、1956年にイギリスでマイケル・アンダーソン監督のSF映画「1984」に主演。同年、フランク・タシュリン監督、ジェーン・マンスフィールド主演のコメディ映画「女はそれを我慢できない」(1956年)、1960年の船上パニック映画「最後の航海」などに出演。1961年にはアクション映画「男の罠」を監督、製作をしています。 ジョン・フランケンハイマー監督、バート・ランカスター主演のドラマ映画「終身犯」(1961年)、また同監督のサスペンス映画「5月の7日間」(1963年)で上院議員、ドナルド・シーゲル監督の犯罪映画「犯罪組織(シンジケート)」(1965年)で主演、リチャード・フライシャー監督のSF映画「ミクロの決死圏」(1966年)で将軍役、1967年にアメリカ・フランス・イタリア合作、モーリス・クローシュ監督のサスペンス映画「暗黒街のエース」に出演。1969年にサム・ペキンパー監督の西部劇「ワイルドバンチ」に出演。ジョン・フランケンハイマー監督の「殺し屋ハリー/華麗なる挑戦」(1974年)にも出演されています。
ヒロインのジュリアを演じたのはアメリカ合衆国出身の女優ジャン・スターリング。1949年ジーン・ネグレスコ監督、ジェーン・ワイマン主演のドラマ映画「ジョニー・ベリンダ」に出演。ジョン・スタージェス監督のフィルム・ノワール「ミステリー・ストリート」(1950年)、ジョン・クロムウェル監督、エリノア・パーカー主演の犯罪映画「女囚の掟」(1950年)、ルドルフ・マテ監督、ウィリアム・ホールデン主演の犯罪映画「武装市街」(1950年)、アーサー・ルービン監督のコメディ映画「ルバーブ」でレイ・ミランドの相手役を演じて、同年出演した「地獄の英雄」で妻を演じて、この会陰技でゴールデングローブ賞を獲得し、自身の代表作となりました。
まとめ
未来は暗いで地獄行き
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