ラブ・バード「鳥」

パニック

カラスにはよく襲われそうになります。

[原題]The Birds
[製作年]1963[製作国]アメリカ
[日本公開]1963
[監督・製作]アルフレッド・ヒッチコック
[脚本]エヴァン・ハンター
[原作]ダフネ・ドュ・モーリエ
[音楽]バーナード・ハーマン(音響コンサルタントのみ)
[上映時間]119

主な登場人物

メラニー・ダニエルス(ティッピ・ヘドレン):
新聞社オーナーの娘。お騒がせセレブとして訴えられたりしている。

ミッチ・ブレナー(ロッド・テイラー):
弁護士。週末は実家のあるポデガ・ベイで過ごしている家族思い。

その他の登場人物

リディア(ジェシカ・タンディ): ミッチの母。メラニーをあまり快く思っていない。
アニー・ヘイワース(スザンヌ・プレシェット): 小学校教師。メラニーと知り合いになる。
キャシー(ヴェロニカ・カートライト): ミッチの年の離れた妹。

あらすじ

サンフランシスコのペットショップに入った新聞社社長の娘メラニーは、鳥を買い求めに来たミッチと出会う。彼は11歳の妹ためにかわいい鳥がほしいというのだ。メラニーを店員だと思ったミッチは、鳥を見たいと声をかける。ミッチの為に籠から取り出すメラニーだったが、鳥が手につかず逃してしまう。ミッチが帽子で捕まえ籠に戻してやるが、彼はメラニーの名前を知っており、店員でないこともわかっていた。気になったメラニーは彼の車のナンバーを控え、新聞社の知り合いに電話をかけ交通局に問い合せて車の持ち主を調べさせた。ミッチの身元がわかり、メラニーは鳥を調達しミッチの元に持って行く。扉の前にメッセージをつけて置いていこうとするが、エレベーターで一緒になった男性にミッチならしばらく戻らないことを聞かされる。ミッチは週末実家のあるポデガ・ベイで過ごすと言うのだ。二羽の鳥を連れ車で湾に向かったメラニー。湾岸の雑貨店でミッチの実家を尋ねたメラニー。向こう岸の家で、彼は実家に母親のリディアと妹といるという。メラニーは突然尋ねて驚かせたいと、ミッチの妹の名前を尋ねるが、結構曖昧だったので店の主人は丘の上の小学校に彼女の担任のアニーがいるからそこで聞けば確実だと教えてもらう。アニーとミッチの間には昔何かあったようだった。メラニーはボートを使い向こう岸のミッチの家に向かった。岸に近づくと身を隠してミッチが家から出た所を確認し、鳥かごを持ってこっそり家に入った。ミッチの妹キャシー宛の手紙を添えて鳥かごを置いて出ていった。ボートに身を隠しミッチが家に戻って自分を探しに来ることを確認すると、ボートにエンジンをかけて帰る。ミッチが追いかけて来るのを尻目にニヤついてると、かもめに額を攻撃され怪我をしてしまう。

どんな映画?

この映画の後に続々と作られた動物パニック映画の先駆的存在の作品です。殺人とは関わらないのでヒッチコック監督作品として入門編として良いのではないでしょうか。
あっ でも人は死にます。

多くの人で賑わう大都市サンフランシスコ。
空で騒ぐ無数の鳥たちを見上げるメラニー。
金髪美人の彼女は、新聞社の社長令嬢でお騒がせセレブとしてゴシップ記事を賑わせていました。

ペットショップに来たメラニー。
そこに鳥を買いに来た男性が彼女を店員と間違えたようで、そのまま店員のフリをします。
妹のために「ラブ・バード(ボタンインコ)」が欲しいと言います。
ところがその男はメラニーが店員でないの知っていたどころか、彼女が迷惑行為で訴えらていることも知っていて失礼な態度で出て行ってしまいます。

メラニーはセレブ力を活かし男がミッチ・ブレナーだと調べ、「ラブ・バード」を彼の部屋まで届けに行きます。

しかしミッチは週末実家のある海岸で過ごすと聞き、車を飛ばして向かいます。

車が曲がるのに合わせて一緒に
2羽の鳥も体を揺らして
この鳥たちはかわゆいのです。

メラニーはボートで彼の実家に行き、こっそり侵入し手紙と鳥を置いて立ち去ろうとします
いくら美人でも
勝手に家に侵入するのは不味い気も
しますが映画なので便宜上OK。
 
ボートで戻ろうとしたところミッチに見つかりますが、彼は結構喜んでいます。

悪い気がしていないメラニーに
突如カモメが襲いかかるのでした。

次々に人間に襲いかかる鳥たち。

何故鳥が人々を襲撃するかはわからないまま物語が進行し、島の人々はよそ者であるメラニーにその矛先を向けていきます。鳥に襲われる恐怖だけでなく同時に、パニックの際に憎悪の対象にもなってしまう恐怖も描いています。

金持ちの上に美人なメラニーは誤解を受けやすかったのです。特にミッチの母親は家族に対して依存気味でメラニーを最初から快く思われていないようなところも主人公の不安感と孤立感が一層引き立ちます。

美人が行かなくてもいいような部屋に入って鳥にメタメタにされていく様はその筋(?)の方には名シーンと思われます。
鳥好きにはちょっと厳しい映画かもしれませんが動物パニック映画のパイオニア作品として必見です。

スタッフ・キャスト

ダフネ・ドュ・モーリエの原作を映画化した作品ですが、彼女は「レベッカ」の作者としても広く知られています。

ヒロインのセレブ娘を演じたティッピ・ヘドレン。テレビコマーシャルを見たヒッチ先生に気に入られてこの映画の主演に起用され、一躍注目されるスターに。翌年には「マーニー」にも主演しますが、今ではかなり知られているヒッチコック監督による執拗なセクハラにより、かえってキャリアを絶たれるというもったいないことに。美しい金髪に小さい唇かわいい顔、モデル上がりのスタイルの良さで、個人的には娘のメラニー・グリフィスよりキレイじゃないかと思われる容貌でヒッチ先生も本当に入れ込んでしまったんでしょうね~そこら辺は2012年のテレビ映画「ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女」で見られます。ヒッチコック監督がヤバイほどキモいです!近年では大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ事件が問題となっていますが、この当時は監督もプロデューサーも絶対でしたからね~拒否ったら自ら退くしか無かったんでしょうね~、もっと活躍できたはずなのに残念です。

ミッチの母親を演じたのはイギリス出身のジェシカ・タンディ。活動期間は非常に長いのですが、1989年にブルース・ベレスフォード監督のヒューマンドラマ「ドライビングMissデイジー」でユダヤ系老婦人を演じ、80歳の最高齢でアカデミー賞主演女優賞を獲得しています。俳優のヒューム・クローニンとはおしどり夫婦で有名でした。

ミッチの妹として出演していなのが子役で有名だったヴェロニカ・カートライト。1963年の「噂の二人」ではあまり目立たない役でしたが、ドン・シーゲル監督の「ボディー・スナッチャー」のリメイク作品「SF/ボディ・スナッチャー」(1978年)ではすっかり大人役で登場。「エイリアン」ではシガニー・ウィバーと共に宇宙船に2人いる女性乗組員の中の一人でした。

ヒッチ先生登場

この頃には観客がヒッチ先生の登場に注目するあまり、映画の内容に集中できないということが起こってしまったため物語の早々に登場する
ことに。

ペットショップからヒッチ先生が2匹の犬を連れて出て来る。

まとめ

鳥に襲われて地獄行き

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