呪われた家族「魔の家」

怪奇

敵は家中にあり

[原題]The Old Dark House
[製作年]1932[製作国]アメリカ
[日本公開]1933
[監督]ジェイムズ・ホエール
[製作]カール・レムリ・Jr
[原作]J・B・プリーストリー
[上映時間]72

主な登場人物

モーガン(ボリス・カーロフ):
フェム家の怪しい召使。話すことができない。酔っ払うと手がつけられないくらい暴れるらしい。

マーガレット・ウェヴァートン(グロリア・スチュアート):
フィリップの若く美しい妻。ウェールズの山奥で夫と友人のペンドレルと共に豪雨と土砂崩れに遭遇。近くにあった怪しい屋敷で泊めてもらうことにする。

その他の登場人物

ロジャー・ペンドレル(メルヴィン・ダグラス):ウェヴァートン夫妻の友人
フィリップ・ウェヴァートン(レイモンド・マッセイ):雨で立ち往生
サー・ウィリアム・ポーターハウス(チャールズ・ロートン):後から来る
グラディス・デュケーヌ(リリアン・ボンド):ウィリアムの連れ、コーラスガール、本名はパーキンス
ホレス・フェム(アーネスト・セジガー):館の住人
レベッカ・フェム(エヴァ・ムーア):ホレスの姉

あらすじ

フィリップとマーガレットの夫婦とその友人のペンドレルは車で街に向かうが、大雨に遭い道に迷ってしまう。ウェールズの山奥で今日中に戻るのは難しそうだった。土砂崩れの中、灯りを見つけた一行はその屋敷に飛び込んだ。ドアを叩くと少し扉が開き恐ろしげな男の顔が覗き込んだ。男は三人を部屋に通すと、上の階からホラス・フェムと名乗る男が出迎えた。扉を開けたのは下男のモーガンと言い口が聞けないと館の住人が話す。三人は今晩止めて欲しいと頼むと、上の階から婆さんが出てくる。ホレスは姉のレベッカだと紹介するが、早く出て行けと言われてしまう。三人は外は土砂崩れで水没していると泊めてくれと懇願する。水没という言葉に激しく動揺するホレス。結局三人は泊めてもらうことにするが、老婆はベッドは貸さないよとしつこく言い続ける。マーガレットは濡れた服を着替えるため老婆に部屋を貸して欲しいと依頼する。老婆は奥の薄暗い部屋に連れて行くが、この部屋では妹が苦しんで死んだと話す。そもそもの元凶の父親は102歳で上の部屋にいるという。続けて老婆はマーガレットのように若く美しい女は罪深い、若さの維持と着飾ることしか考えていないと彼女に迫り、胸に手を当てた。恐怖のあまり振り払ったマーガレットだが、老婆の不気味さに動揺を隠せなくなった。皆で食事を始めるが、突然ドアを叩く音がした。暴風の中、ポーターハウスと名乗る裕福そうな太った男とそのガールフレンドのグラディスが勢いよく入ってくる。奔放な感じのグラディスを睨む老婆、しかしペンドレルはグラディスをいたく気に入ったようだった。

あらすじ

フランケンシュタイン」(1931年)の監督で知られるジェームズ・ホエールが監督し、同作でフランケンシュタインの怪物を演じたボリス・カーロフが主演の少しコメディ色の強いサスペンス映画です。

ウェールズの山奥で大雨
土砂崩れに遭遇した
マーガレットとフィリップ夫妻
プラス友人のペンドレル
車には幌しかないので
雨が容赦なく車内に流れ込みます。

そこに家の明かりが見えて
ラッキーと三人で向かいます。
ドアを叩くと少し開き
中から何も言わない男が
覗き込みます

何かブッキー

それでも外にいるよりまし!と
屋敷に突入。
上の階から家の住人である
ホレスが出てきて
さっきの男は使用人の
モーガンで話すことができないと
言います。

休ませて来れという申し出に
どうぞと言ってくれる
この人はまとも(?)そう

ですが今度はババアが出てきて
ホレスの姉だというのですが
泊めるなんてとんでもないと
言ってきます。

何とか頼み込んで泊めてもらうことに。
そうとなれば着替えたいので
部屋を貸してくれと言う
若妻マーガレット
泊めてもらうくせに
何だか偉そうな都会の人間

薄暗く大きいけど古くて
汚い感じのお屋敷
部屋でドレスに着替えた
マーガレットにババアが

この家は呪われている!!
お前らみたいなチャラチャラした
連中がこの家を壊した!!

とマーガレットの胸に掴み掛かります。

何すんねん!このババア!
何じゃこの家は?妖怪だらけか??

さらに 太った金持ち男とその連れの
若い彼女も加わり
果たして全員無事に朝を
迎えられるのでしょうか?

マーガレットに襲いかかる酔っ払ったモーガン

「魔の家」は、原題が「The Old Dark House」とあるように、1930年代から1950年代にかけて製作された「オールド・ダーク・ハウス」ものと呼ばれる当時人気のジャンルで、代表的なものには「猫とカナリヤ」(1927年)などがあります。
「オールド・ダーク・ハウス」ものは、館もののような特定の広大な屋敷に殺人鬼が紛れ込むと言うサスペンスやミステリーであって、幽霊や超常現象のホラーものとは異なっております。 「フランケンシュタイン」(1931年)や「透明人間」(1933年)などの怪奇映画で成功していたジェームズ・ホエールでしたが、こちらは軽いタッチのサスペンス映画となっています。ただ、公開当初は「フランケンシュタイン」程の評価を得られず、長らく失われた映画となっていたようです。 その後、1963年にウィリアム・キャッスル監督で、同じ原作の「戦慄の殺人屋敷」としてリメイクされており、現在ではフィルムも復元され再びカルト的な評価を得るに至っております。

この映画、若い頃のグロリア・スチュアートがとにかく綺麗だなーと感じます。翌年に同じくジェームズ・ホエール監督の「透明人間」(1933年)にもヒロインとして出演されていますが、87歳でアカデミー賞にノミネートされた「タイタニック」(1997年)の出演で知れられています。 また、名優チャールズ・ロートンのハリウッド映画デビュー作でもあります。

ホントに怖いのは幽霊でも怖い顔の男でもなく、狂った家族だったてことですヨ

スタッフ・キャスト

監督はホラー映画の巨匠として知られるイギリス出身の映画監督ジェイムズ・ホエール。1931年に「哀愁」(1940年)の元ネタ「ウォタルウ橋」、同年「フランケンシュタイン」を監督。翌年「魔の家」を監督。その後、同じくグロリア・スチュアートをヒロインにした「透明人間」(1933年)、「フランケンシュタインの花嫁」(1935年)を監督しています。同年、ユニバーサルで再び続編ホラーを撮るのを拒否り監督したのがミステリー・コメディの「不在証明なき犯罪」(1935年)。翌年満を持して監督したミュージカル映画「ショウボート」(1936年)は、大ヒットを遂げミュージカル映画の金字塔となりました。しかしその後の映画の失敗により1941年には映画界から引退同然となってしまいました。1957年にご自宅のプールで死亡しているのが発見され、これは1998年の映画「ゴッド・アンド・モンスター」で描かれています。

ロジャー・ペンドレルを演じたのはカナダ出身の俳優レイモンド・マッセイ。1934年のレスリー・ハワード主演の「紅はこべ」に、全権大使ショーヴランを演じ、1936年にはH・G・ウェルズ原作の近未来小説の映画化「来るべき世界」で主演。1940年に出演した「エイブ・リンカーン」では、エイブラハム・リンカーンを演じアカデミー賞主演男優賞にノミネートされます。その後はフランク・キャプラ監督のブラック・コメディ「毒薬と老嬢」(1944年)での連続殺人鬼役や、同年のフリッツ・ラング監督の「飾窓の女」(1944年)では主人公の友人の検事役など主に脇を固める存在になるのですが、その中でも1955年に出演したエリア・カザン監督の「エデンの東」では、ジェームズ・ディーンの厳格な父親役を演じ、日本でもよく知られるようになりました。

ウェヴァートン夫妻の友人ペンドレルを演じたのは、アメリカ合衆国の俳優メルヴィン・ダグラス。1976年にロマン・ポランスキー監督の「テナント/恐怖を借りた男」で、気難しそうな大家のジジイを演じています。また、1980年にはジョージ・C・スコット主演のホラー映画「チェンジリング」では、上院議員を演じています。

まとめ

豪雨で道に迷って地獄行き

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