ロープで回転「妖精たちの森」

怪奇

子供にいい加減な事教え込むと
大変なことになる場合があります。

[原題]The Nightcomers
[製作年]1971[製作国]イギリス
[日本公開]1973
[監督・製作]マイケル・ウィナー
[脚本]マイケル・ヘイスティングス
[製作]エリオット・カストナー/ジェイ・カンター/アラン・ラッド・Jr
[原作]ヘンリー・ジェームズ
[撮影]ロバート・ペインター
[音楽]ジェリー・フィールディング
[上映時間]95

主な登場人物

ピーター・クイント(マーロン・ブランド):
城の前主人に仕えていた馬丁、下男。ジョスルに暴力を振るう。フローラとマイルズの姉弟には慕われているが不道徳な考え方を教える。

マーガレット・ジェスル(ステファニー・ビーチャム):
姉弟の家庭教師。クイントに暴力的に扱われながらも従ってしまう。

その他の登場人物

グロース夫人(ゾーラ・ハード):古株のメイド
屋敷の主人(ハリー・アンドリュース):姉弟の叔父。現在の当主。
新しい家庭教師(アンナ・パルク):ミス・ジェスルの後任
フローラ・ティレル(ヴァーナ・ハーヴェイ):姉
マイルズ・ティレル(クリストファー・エリス):弟

あらすじ

森を走り回るフローラとマイルズの姉弟は、二人が心酔している馬丁のクイントを探していた。両親を亡くした姉弟の叔父は、この城は二人に残すが、自分はここに居る気はないと二人の世話を古参のメイドのグロース夫人に一任した。前主人に仕えていたクイントや姉弟の家庭教師であるミス・ジェスルも居たければ居ればいいと述べる。主人はジェスル先生に姉弟に両親が亡くなったことを話すべきかなど相談した。そのまま城に残ることになったクイントだったが、深夜にジェスル先生の寝室に忍び込んだ李、姉弟に両親は自動車事故で死んだと勝手に伝えたり悪影響しか無かった。フローラはジェスル先生に両親の事を尋ねるが、自分は知らないと答える。マイルズはクイントに両親は死んだらどこにいくという問いに、無神論者のクイントは天国も地獄もない遅かれ早かれ皆一緒になるのだと述べた。主人がいないのいいことにクイントは勝手に主人の服を着込みグロース夫人に罵られた。クイントは夜に子供達の部屋に入り込み、グロース夫人に模した人形に針を刺して、子供達にもうすぐ死ぬよと嘯く。子供達はクイントにジェスル先生はクイントのことが好きだと思うと話、好きなもの同士は何をするのかと言う話題で、フローラはお互いを怖がらせるのと笑い合った。フローラはジョスル先生、グロース夫人と買い物に出かけ、店で見つけた蝶の標本を買ってもらい大喜びして帰った。その夜クイントはジョスル先生の部屋に忍び込み、彼女をロープで縛り付け一晩中慰み者にした。その行為を窓からマイルズが見ていた。ジョスルはクイントを愛しているわけではないが、異性に対する欲望に苦悩していた。

どんな映画?

イギリスでカツ活躍した小説家ヘンリー・ジェームズ原作の古典的ホラー小説「ねじの回転」の前日譚を、マイケル・ウィナーが監督。マーロン・ブランドが変態暴力男を素で演じております。

両親に先立たれ後見人の叔父にも
見捨てられたフローラとマイルズの
姉弟は、両親の死を伏せられたまま
城の中で年取ったメイドと
家庭教師のジェスル先生と
暮らしていました。
姉弟の心の支えは

マーロン・ブランド!!

演じる亡くなった父親の馬丁である
クイントでした。

クイントは粗野で野蛮
面白おかしくいい加減な話で
フローラとマイルズは
すっかりクイントに
取り込まれている様子。

おまけにクイントは夜中に
ジェスル先生の寝室に忍び込み
先生をロープで縛る!叩く!縛る!
とやりたい放題。
それを窓から見ていたマイルズ

これが愛し合うってことなんだ!!

早速マイルズは
姉のフローラで試してみます。
フローラをベッドに縛りつけながら
何かちゃう
そうだ服脱いでよ。
脱ぐわけねーだろ!!
逃げるフローラに追いかけるマイルズ

そんな騒ぎに駆けつけたグロース夫人
お前ら何やってんねん!!?

絶対あの下品な男クイントが
子供達に悪影響を与えているに違いない!と
憤慨するグロース夫人
一方ジェスル先生もあんな
ひどいことをされながら
うっとり…

マーロン・ブランドに!!

縛られるジェスル先生

ヘンリー・ジェームズの小説「ねじの回転」は、1961年に「回転」としてジャック・クレイトン監督によって映画化されています。この映画では、ジェスル先生の後任としてやってくるガヴァネス(家庭教師)を、デボラ・カーが演じています。 「回転」がクイントとミス・ジェスルの幽霊の謎を解くミステリータッチで描かれていたのに反して、こちらはエロと暴力にフォーカスし過ぎて興行的に失敗。 下品で野蛮な男を演じさせたら右に出る者はいない(かもしれない)マーロン・ブランドにはぴったりの役所で、暴力を振るいながらも男の色気でジェスル先生を籠絡。かつて「欲望という名の電車」(1951年)で、ヴィヴィアン・リーに襲いかかって再起不能にさせただけあります。 ジェスル先生を演じたステファニー・ビーチャムは、すごい美人という感じではないですが、体はすごい!文字通り体当たりのボディを披露されております。また、遺体になったジェスル先生のインパクトも大で、この映画の見どころの一つになっております。

スタッフ・キャスト

フローラとマイルズの家庭教師ジョスル先生を演じたのはイギリス出身の女優ステファニー・ビーチャム。映画だけでなくテレビドラマでも活躍している女優さんです。1970年にマイケル・ウィナー監督のオリンピック映画「栄光への賭け」と、俳優のロディ・マクドウォールが監督したホラー映画「タム・リン」(1970年)で映画初出演。翌年出演したのがこの「妖精たちの森」。文字通り体当たりの演技でした。1972年にハマー・フィルム製作のドラキュラシリーズものの1本「ドラキュラ’72」に、ヴァン・ヘルシング教授の孫娘役で出演し、この映画でピーター・カッシング、クリストファー・リーと共演。その後もロイ・ウォード・ベイカー監督のゴシック・ホラー「スクリーミング/夜歩く手首」(1973年)でもピーター・カッシングと共演しております。モダン・ホラーの巨匠と称されるピート・ウォーカー監督作品では、監督のヒットホラー「フライトメア 恐怖!人喰い女達の晩餐」(1974年)や、知る人ぞ知るサイコ・スリラーの傑作とされる「魔界神父」(1976年)、イギリスの美人女優リン・フレデリック主演のスラッシャー映画「スキゾ」(1976年)、スリラー映画の「カムバック」(1978年)に出演されております。また、ポンコツ映画の傑作(?)「悪魔の受胎」(1979年)など映画ではB級ホラーへの出演が大半を占めていました。1981年から始まったアメリカの昼ドラ「ダイナスティ」のスピンオフ作品である「コルビーズ」にチャールトン・ヘストンの相手役として出演。1989年のイギリス製作のファンタジー映画「ウィロビー・チェイスのおおかみ」で、悪役主演を演じています。また、今や伝説の青春ドラマ「ビバリーヒルズ高校白書」でディランの母親役を演じていたり、ビバヒルにも出演していたシャナン・ドハーティが出ていた「チャームド~魔女3姉妹~」にも出演しアメリカのトレビドラマで活躍後、イギリスに戻りテレビドラマを中心に活躍、またご自身に聴覚障害がありその経験から慈善活動にも積極的なお方です。

子供達の叔父さん役で最初にちょこっと出演しているのは、イングランドの俳優ハリー・アンドリュース。1953年にテレンス・ヤング監督、アラン・ラッド主演の戦争映画「赤いベレー」で映画デビュー。ご自身の経験から主に戦争映画の将校役などで活躍。J・リー・トンプソン監督の戦争サスペンス映画「恐怖の砂」(1958年)、フィリップ・ダン監督のアメリカ・イギリス合作映画「脱走」(1962年)、ケン・アナキン監督の警察映画「ギャング情報」(1962年)、マーク・ロブソン監督のガンジー暗殺を描いた「暗殺5時12分」、キャロル・リード監督がミケランジェロの姿を描いた「華麗なる激情」(1964年)などに出演し、脇役ながらも主要な人物を演じています。また、シドニー・ルメット監督の戦争映画「丘」(1965年)では、ウィルソンという悪徳軍曹を演じています。アナトール・リトヴァク監督の戦争サスペンス映画「将軍たちの夜」(1966年)、シドニー・ルメット監督のスパイ映画「恐怖との遭遇(死者にかかってきた電話)」(1967年)などに出演。また、マイケル・ウィナー監督のフィリップ・マーロウもの「大いなる眠り」(1978年)では、執事役、リチャード・バートン主演のスリラー映画「恐怖の魔力/メドゥーサ・タッチ」(1978年)で警視総監役、リチャード・ドナー監督の「スーパーマン」(1978年)では最初に登場する長老役など多くの映画に出演されています。

まとめ

口は災いの元で地獄行き

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