オカルトバレエ学院「サスペリア」

怪奇

最近いびきをかくようになったみたいで
ショックです。

[原題]Suspiria
[製作年]1977[製作国]イタリア
[日本公開]1977
[監督・脚本・音楽]ダリオ・アルジェント
[脚本]ダリア・ニコロディ
[原作]トーマス・ド・クインシー
[製作]クラウディオ・アルジェント
[製作総指揮]サルヴァトーレ・アルジェント
[撮影]ルチアーノ・トヴァリ
[音楽]ゴブリン
[上映時間]99

主な登場人物

スージー・バニオン(ジェシカ・ハーパー):
NYから来たバレリーナ志望のアメリカ人女学生。単身バレエ学院にやって来るが、その日にすれ違った女学生パットがころされていることを知る。

その他の登場人物

サラ・シムズ(ステファニア・カッシーニ):スージーと友人になる
ブランク夫人(ジョーン・ベネット):校長代理
ミス・タナー(アリダ・ヴァリ):主任教授
フランク・マンデル(ウド・キア):サラの精神科医で友人。
ミリウス教授(ルドルフ・シュンドラー):精神科の教授。魔女について詳しい。
マーク(ミゲル・ボセ):スージーのちょっと気になる男子
ダニエル(フラヴィオ・ブッチ):盲目のピアニスト
パット・ヒングル(エヴァ・アクセン):冒頭で殺される生徒
オルガ・イワノワ(バーバラ・マグノフィ):3年生。スージーが彼女の家で世話になる。
ナレーター(ダリオ・アルジェント)

あらすじ

バレエ留学の為、単身ニューヨークからドイツの空港に到着したスージー。外は嵐で大雨が吹き荒び、やっとのことでタクシーを拾いエッシャー街と行き先を告げる。土砂降りの雨の中に、バレエ学院の建物が見えた。タクシーを降りたスージーは、扉に向かうと同時に出て来る生徒パットの姿があった。彼女はドアの前で「秘密がわかったの 扉の陰に アイリスが3つ 青を回して」と述べ、そのまま走り去った。スージーはインターホンを鳴らし新入生だと告げるが、知らないと扉を開けてもらえない。仕方なくまたタクシーに戻り車を走らせた。窓の外では、さっきのパットが雨の中走り続けているのが見えた。パットは友人のアパートにたどり着き泊めてもらうことにしたが、何かにひどく怯えているようだった。窓から何か異様な気配を感じ、パットはシェードランプを窓に近づけてみた。すると暗闇の中から獣のような二つの目が浮かび上がった。その瞬間窓を突き破って腕が飛び出し、パットを窓に押し付けた。物音に気づいた友人が扉を叩くが、扉は閉まったままで開けられない。部屋の中ではパットがナイフで胸を激しく刺され血まみれになりながら、天窓に押しつけられそのまま窓が割れて落下。パッドはワイヤーで首を括られ吊るされた状態になり絶命、下にいた友人も落ちてきたステンドガラスが突き刺さり絶命した。翌朝、学院に盲目のピアニスト、ダニエルが入って行った。気を取り直して再び学院を訪れたスージーは、主任教授のミス・タナーに快く迎えられた。ミス・タナーに校長代理のブランク夫人を紹介されると、夫人は校長が今旅行に出ているので自分が代理を務めている。生徒が殺され警察が来ていてバタバタしていると話す。警察と話す夫人に、スージーは昨日その生徒を目撃した時間を話す。部屋が空いておらず、週50ドルでオルガの家で下宿させてもらうことになる。たまたま隣り合わせたサラと言葉を交わすが、オルガはサラのSはスネークのSだと絡んでくる。オルガの家は素敵だったので、寮の部屋が空いたと聞かされても移りたくないと答える。レッスン室に向かったスージーは、途中廊下にいたメイドと夫人の甥の少年アルバートを見かける。メイドの持っていた金属の反射に照らされ目眩を覚えたスージー。レッスン室に着くとミス・タナーに少し休ませて欲しいと頼むが、ミス・タナーはお構いなしにスージーにレッスンを強要する。するとセージーは口や鼻から出血し気を失ってしまう。医師からただの貧血だと言われ、赤ワインを飲むように指示される。結局オルガの家からスージーの荷物が寮に運ばれ、スージーは学院の寮に住むことになる。隣はサラの部屋で、彼女はスージーを感じよく迎えてくれた。

どんな映画?

イタリアンホラー映画界の巨匠ダリオ・アルジェントが、アメリカ人女優ジェシカ・ハーパーを主演に起用した70年代オカルト映画の金字塔。
日本での公開当時のキャッチフレーズが「決して、ひとりでは見ないでください」で、大ヒットしました。

アメリカ人のスージーは
バレエ留学のため単身
ドイツの空港に到着
外は暴風雨といういきなり不穏な感じ
タクシーを拾ってやっとのことで
学院に到着
突然扉が開き女生徒と思しき人が
誰かに何かを伝えている様子

「秘密がわかったの 
 3つのアイリス 青いのを3回回すの!」

と言いながら雨の中飛び出して行きます。
なんじゃ?
と思いつつスージーはインターホンを
鳴らして自己紹介
しかし 知らないと言われてドアを
開けてもらえません。

仕方なくまたタクシーに乗ります。
外からはさっきの女生徒が走っている姿が
その後女生徒は友人のアパートに到着
ひどく怯えている彼女は何かに襲われ
何度も刺された上にワイヤーで首吊り
友人も落下物で死亡

翌日無事に入学できたスージー
主任教授のミス・タナーは怖そう
校長代理のブランク夫人は美ババア
あいにく寮の部屋が空いておらず
オルガの家に下宿することになります。
その後スージーがレッスン中に
貧血で倒れ学院の寮に入ることに

しかしそこではー

シーツの向こうから聞こえるいびき
サラはこのいびきは校長ではないかとスージーに話します。

この映画は、ダリオ・アルジェント監督が、イギリスの評論家トマス・ド・クインシーの「Suspiria de Profundis(深き淵よりのため息)」を元に、妻であるダリア・ニコロディと共に脚本、映画化。1980年の「インフェルノ」、2007年の「サスペリア・テルザ 最後の魔女」の「魔女3部作」の1作目に当たります。 前作の「サスペリアPART2」(1975年)は、日本で勝手につけられたタイトルだけで「サスペリア」とは無関係です。

美女たちが、これでもかと言うほど痛ぶられ、刺され、吊るされ、泣き叫びながら絶命する様は、もうある種の形式美すら感じられます。 ほんでもって地獄のうじ虫攻撃。さすが美少女いじめの第一人者ダリオ・アルジェント監督です。 血を連想させる赤い照明が効果的で、建物や部屋、衣装もゴシック調でとても美しいです。 ラストがあっさりしすぎという嫌いはありますが、不穏感が半端ない素晴らしいイタリアン・ゴシック・ホラーの傑作です。

主任教授のミス・タナーを演じたのは、イタリアの大女優アリダ・ヴァリ。元アイドル女優だったアリダ・ヴァリもこの頃は貫禄十分の美魔女ならぬ、美ババア魔女。校長代理を演じたジョーン・ベネットも、「マン・ハント」(1941年)、「飾窓の女」(1944年)でファムファタールを演じた美人女優。お二人ともお年を召されても、ギラギラした美しい瞳はご健在です。

この映画は2018年にルカ・グァダニーノ監督によりリメイクされています。

スタッフ・キャスト

主人公のスージーを演じたのはアメリカ合衆国出身女優のジェシカ・ハーパー。1974年にブライアン・デ・パルマ監督の「ファントム・オブ・パラダイス」にヒロイン役で出演。この映画は、戦慄のロックンロールミュージカルでしたが公開当時興行的に失敗。ですが音楽は称賛され、後にカルト映画化しています。この映画でジェシカ・ハーパーを気に入ったのが、イタリアのダリオ・アルジェント監督。「サスペリア」のヒロインに起用。20代後半とは思えない少女のような顔と体型!自身の代表作となりました。その他、ウディ・アレン監督の「ウディ・アレンの愛と死」(1975年)、「スターダスト・メモリー」(1980年)に出演。1981年には1975年のカルト映画「ロッキー・ホラー・ショー」の続編「ショック・トリートメント」に出演してます。2018年のルカ・グァダニーノ監督のリメイク「サスペリア」にも出演されています。

スージーの友人サラを演じたのは、イタリアの美人女優ステファニア・カッシーニ。1970年にピエトロ・ジェルミ監督の映画でスクリーンデビュー。1974年にポール・モリセイ監督のエロドラキュラ映画「処女の生血」で、3姉妹の3女を演じています。1976年には、ベルナルド・ベルトルッチ監督の長編大作「1900年」出演されています。また、日本では画家の故・池田満寿夫が監督・原作・脚本を担当した官能映画「エーゲ海に捧ぐ」(1979年)に出演されていました。

この映画ではあまり活躍しなかったのですが、活動初期の頃とんでも映画常連のウド・キア様が精神科医役で登場しています。近年では、性格俳優として大作への出演が多いのですが、まだ若くキモイケメンの頃には、西ドイツで製作された「残酷!女刑罰史」(1970年)に出演。1973年にポール・モリセイ監督のエロコメゴシックホラー「悪魔のはらわた」では、変態フランケンシュタイン男爵を演じています。そんでもって、同じくポール・モリセイ監督の「処女の生血」(1974年)では、処女じゃない女の血を飲むと悶え苦しむ吸血鬼を演じています。

まとめ

生きている死に出会って地獄行き

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