女豹じゃなくて豹女「キャット・ピープル」

怪奇


猫は人間のことをでかすぎる猫だと思っているそうです。

[原題]Cat People
[製作年]1942[製作国]アメリカ
[日本公開]1988
[監督]ジャック・ターナー
[製作]ヴァル・リュートン
[編集]マーク・ロブソン
[音楽]ロイ・ウェッブ
[上映時間]73

主な出演

イレーナ・デブローナ(シモーヌ・シモン):
セルビア人の若い娘。広い屋敷に一人で暮らしている。
豹に並々ならない関心がある様子。

オリヴァー・リード(ケント・スミス):
会社員、イレーヌの夫。動物園で出会ったイレーナに
一目惚れし声をかける。

その他の登場人物


ジャド先生(トム・コンウェイ):精神分析医
アリス(ジェーン・ランドルフ):オリヴァーの同僚

あらすじ

オリヴァーは動物園でヒョウの檻の前にいる美しい娘に声を掛ける。すぐに打ち溶けて親しくなるが、彼女が奇妙なことを言い出す。故郷の村に古い言い伝えがあり、自分は魔女の呪いによる人猫の末裔で、キスをするとヒョウになってしまうかもしれない、というのだ。そんなのは迷信に決まっているとプロポーズをし、二人は結婚することになる。結婚してからも彼女の不安は消えず、結ばれることができない。考えあぐねたオリヴァーは精神科を受診させる。
イレーナは、精神科医を紹介したのが、会社の同僚の女性からだと知り、憤慨する。女同僚アリスをプールまで後をつける。悲鳴をあげたことで女同僚は無事だったが、バスローブはズタズタに引き裂かれていた。

どんな映画?

動物園の豹をスケッチしていた若い娘に声をかける
アメリカ人サラリーマンのオリヴァー。
ようはナンパです。
そのまま彼女に付いて行きます。
彼女はイレーナと名乗る外国人でした。
入って行ったのはお屋敷で、そのまま部屋の中に。
翌日も会う約束をします。

仕事中のオリヴァーはイレーナのプレゼント用に猫を用意していました。
猫を見てかわいいと抱く同僚のアリス。
オリヴァーがイレーナに猫を見せると猫は彼女に威嚇します。
「アリスにはなついたのに」とオリヴァー。
なんかやなかんじ!
イレーナは違うペットと取り換えてほしいと二人でペットショップへ。
するとイレーナを見た動物たちが一斉に大興奮。
結局鳥と交換してもらうことに。

イレーナは先祖が猫族の血筋でキスをすると大変なことになってしまうと
オリヴァーに告白する。
そんなのおとぎ話の話と気にしないとオリヴァー。
気が済むまで待つと言うオリヴァーと結婚したイレーナ。
新婚ですが寝室は別々です。

一か月後、やっぱ迷信を信じ込んでしまうのは治療が必要とオリヴァーはイレーナに精神科を勧めます。

しかしその精神科医は…

そして、中々体を許してくれない新妻より
率直に話ができる同僚のアリスに惹かれていくオリヴァー。

とうとうオリヴァーはイレーナに別れを切り出します。

バリバリバリー

いいの仕方ないのと言いながら
内心穏やかでないイレーナ。ってそんなの
当たり前でしょ!!

この映画、途中まで観ていると性嫌悪症の女性と夫の話な気がします。
キスすると豹に変身してしまうかもという強迫観念から夫と深い関係になれない、
しかし夫のことを愛してしまった妻。
触れ合いたいのに触れ合えないジレンマの彼女に追いうちをかけるのが、
夫の会社の同僚女性との不倫!?


ぜんぜん待てねーじゃん!!嫉妬を覚えてしまう妻。
取り方によっては変身自体彼女の妄想だったのかもしれません。
もしくは性的接触ではなく嫉妬が彼女を変身させていたのかも。


直接的な映像より、陰影によって表現された恐怖シーンが白黒画像と相まってより効果的でした。同僚のアリス自身も不倫に対する罪悪感がさらに恐怖を生み出しているサイコ系サスペンスにも通じる部分があります。

スポーツクラブのプールで一人泳ぐアリスに近づく不審な影…

それにしても戦時中に夜中に会員制のプールに一人で泳ぐなんて、まさにホラーなんですが。

変身系ホラーの秀作です。主人公がかわいそすぎて同情を禁じえません。

スタッフ・キャスト

監督のジャック・ターナーはフランス出身アメリカ育ちの映画監督。この「キャット・ピープル」の成功から1943年には「わたしはゾンビと歩いた!」「レオパルドマン 豹男」と怪奇映画を立て続けに監督。1945年にヘディ・ラマー主演のフィルム・ノワール 「恐ろしき結婚」を監督し、1947年にはフィルム・ノワールの傑作「過去を逃れて」を監督。立て続けにマール・オベロン主演のフィルム・ノワール「ベルリン特急」(1948年)を監督 しており、その後も多くの作品を残しました。

主人公イレーヌを演じた猫顔のシモーヌ・シモンはフランス人女優。1938年にはルノワールの「獣人」に出演し、第二次大戦中にハリウッドでこの「キャット・ピープル」に出演。人気を博しました。1944年には「キャット・ピープルの呪い」という同一キャストの続編が作られていますが、シモーヌ・シモン自身はその後振るわなかったようです。

何やら某俳優と同性同名の旦那役のケント・スミスは1945年には「らせん階段」で主人公を何かと気にかける医師の役で出演。こちらは誠実な役でした。

1982年のリメイク版「キャット・ピープル」では、ナスターシャ・キンスキーがフルヌードを披露しており、主題歌はデヴィッド・ボウイが歌っておりました。

まとめ

不倫されて地獄行き

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