病的に嘘つきの人って
「昨日ラーメン食べた」って
嘘でも本当でもどーでもいいことも
全部嘘だったりします。
[原題]Out of the Past
[製作年]1947[製作国]アメリカ
[日本公開]劇場未公開、テレビ放映有り
[監督]ジャック・ターナー
[原作・脚本]ダニエル・メイウェアリング(ジェフリー・ホームズ名義)
「Build My Gallows High」
[撮影]ニコラス・ムラスカ
[音楽監督]コンスタンチン・バカライニコフ
[音楽]ロイ・ウェッブ
[上映時間]97
主な登場人物
ジェフ・ベイリー/ジェフ・マーカム(ロバート・ミッチャム):
ガソリンスタンドを経営する流れ者の男。今はアンと交際しているが、過去にニューヨークで探偵をしていた。
キャシー・モフェット(ジェーン・グリア):
ウィットの愛人。ウィットに発砲し、4万ドルを持って逃走した性悪女。
その他の登場人物
ウィット・スターリング(カーク・ダグラス):ギャングのボス
ミータ・カーソン(ロンダ・フレミング):イールズの美人秘書
アン・ミラー(ヴァージニア・ヒューストン):ジェフの現在の恋人
キッド(ディッキー・ムーア):ジェフのガソリンスタンドで働く聾唖の青年
ジャック・フィッシャー(スティーヴ・ブロディ):ベイリーの相棒の探偵
ジョー・ステファノ(ポール・ヴァレンタイン):ウィットの手下
ジム(リチャード・ウェッブ):警察官、アンの元カレ
あらすじ
田舎町でガソリンスタンドの店主をしているジェフを、ある男が訪ねて来た。男はスタンドで働く聾唖の青年にジェフの居場所を尋ねるが、わからないと首を横に振った。その頃ジェフは、川辺で今の恋人アンと釣りを楽しんでいた。そこに青年が身振りで男が来たことを伝えにきた。とうとう来たなと悟ったようなジェフは、ガソリンスタンドに戻った。男はウイットの手下ジョーだった。その夜ジェフはアンに、自分はベイリーではなく本当はマーカムだと告白する。ジェフは3年前にニューヨークで相棒のフィッシャーと共に探偵事務所を開いていた。ある日、大物ギャングでカジノ経営者でもあるウィットに呼び出された。ウィットは愛人であるキャシーに撃たれ療養中だったが、キャシーは4万ドルを持って逃亡しており彼女を探して欲しいと依頼してきた。キャシーのメイドによると彼女はフロリダに行ったと言う。ジェフはフロリダからアカプルコを周り、カフェで待ち伏せした。するとすらっとした美しい女がカフェを訪れ一目でキャシーだとわかった。彼女に声をかけると、この先にパブロスという店があり自分も時々行くと教えてくれる。その日ジェフは、ウィットに知らせようと電話局に行くが、休みでなんだがほっとしていた。夜になりパブロスに行きキャシーが来るのを待った。キャシーに惹かれたジェフは、キャシーがウィットを憎み4万ドル盗んだのは自分ではないと話し、その真偽に興味がなくなっていた。その後毎晩キャシーと待ち合わせして会うようになり、とうとう彼女の家に呼ばれた。その晩ジェフはキャシーにウィットから一緒に逃げようと言う。キャシーは承諾し愛しているとジェフに告げる。次の朝ホテルで待ち合わせようと約束し、ジェフが荷造りをしていると突然ウィットと手下のジョーが訪ねて来る。何とかウィットにキャシーはもうこの街にはいないようだと誤魔化し、その夜船でキャシーと一緒にサンフランシスコに逃げた。
どんな映画?
この映画は、複雑なストーリー展開と、典型的な悪女の登場が、フィルム・ノワールの代表作の一本として有名な映画となっております。 また、スリーピング・アイの異名を持つタフガイ俳優ロバート・ミッチャムが主演し、ジェーン・グリアが最強ファム・ファタールを演じています。
ガソリンスタンドを営むジェフに
ある男が訪ねてきます。
何だか訳ありふう。
男は大物ギャング、ウィットの手下で
何年も姿を消していたジェフを
探し当てたのです。
ジェフは覚悟を決め彼女のアンに
自分の過去を語り始めます。
ニューヨークで探偵をしていたジェフ
ある日ウィットから
自分に撃って負傷させた上に
4万ドル持ってトンズラした
愛人を探して欲しいと依頼を受けます。
アカプルコに飛んだジェフ
とうとう愛人のキャシーと思しき
女性を見つけます。
何とも雰囲気のある美女
思わず見つけたことを報告せず
彼女に近付き次第にお互い惹かれていき…
とんでもないことに!!!!
思わせぶりなキャシーにジェフは
二人で逃亡することに。
「過去を逃れて」は、第二次世界大戦から復員後のロバート・ミッチャムが、逃れられない過去の精算に挑むも、悪女に翻弄される男を淡々と演じクールな印象を与え、その後の役作りにも大きな影響を与えました。 また、この映画に登場するファム・ファタールのキャシーは、もう清々しい程の悪女♪人を殺すことも厭わず、息を吐くように嘘をつく。
そんな悪女に翻弄されるもう一人の男に、名優のカーク・ダグラス。 ギャングのボス役にも関わらず、必ずしも悪役とは言えないストーリー展開と、過去と現在が入り組みながら怒涛のラストまで、見応えのあるフィルム・ノワールの名作です。
1984年の、テイラー・ハックフォード監督ジェフ・ブリッジス主演の「カリブの熱い夜」は本作のリメイクとなっております。こちらの映画は、だいぶ改変されております。
スタッフ・キャスト
監督はフランス出身、ハリウッドで活躍したジャック・ターナー。1942年に代表作の一つである、シモーヌ・シモンを主演にしたサイコホラー映画「キャット・ピープル」を監督。1943年にホラー映画「私はゾンビと歩いた!」、「レオパルドマン 豹男」を監督しています。翌年にはヘディ・ラマーが出演したゴシック・ノワール「恐ろしき結婚」(1944年)、「過去を逃れて」(1947年)の翌年にはマール・オベロン主演のノワール映画「ベルリン特急」を監督しています。心理的ホラー映画や、フィルムノワール 作品に特化した監督さんでした。
最強ファム・ファタールを演じたのがアメリカ人女優のジェーン・グリア。1945年にアンソニー・マン監督のサスペンス映画「午前2時の勇気」で映画初出演。「過去を逃れて」(1947年)に出演の同年に、スーザン・ヘイワード主演のノワール映画「私は殺さない」(1947年)に出演。1949年に出演した、ドン・シーゲル監督のフィルム・ノワール映画「仮面の報酬」では、再びロバート・ミッチャムと共演しています。1956年には「最も危険なゲーム」の3度目の映画化、ロイ・ポールティング監督の「太陽に向かって走れ」に女性記者役で出演。翌年もジェームズ・キャグニーがロン・チャイニーを演じた「千の顔を持つ男」(1958年)に出演しています。また、1984年に「過去を逃れて」のリメイクであるテイラー・ハックフォード監督の「カリブの熱い夜」では、主人公の母親役を演じていることでも知られています。
弁護士の色っぽい秘書役で登場したロンダ・フレミングはアメリカ人女優。1945年にアルフレッド・ヒッチコック監督、イングリッド・バーグマン主演の「白い恐怖」で、患者役で登場。翌年のロバート・シオドマク監督の「らせん階段」(1946年)で、殺される美女を演じています。1951年にはディック・パイエルと共演した「犯人を逃すな」、フリッツ・ラング監督の「口紅殺人事件」(1956年)などのフィルム・ノワール的な作品から、1957年に出演した「OK牧場の決斗」などのような西部劇に多く出演されていました。
ジェフの今の恋人アンを演じたのがアメリカ人女優のバージニア・ヒューストン。1946年のフィルム・ノワール「殺人夜想曲(ノクターン)」に出演。1951年には「脅迫者(ラケット)」で、ロバート・ミッチャムと再び共演しています。翌年の1952年にはジョーン・クロフォード主演のノワール映画「突然の恐怖」に出演しております。また、ターザンシリーズでジェーンを演じており、ジェーンを演じた9番目の女優さんとしても知られています。
聾唖の青年キッドを演じたディッキー・ムーアは、サイレント映画時代から活躍した子役で、1933年のトーキー映画「オリヴァ・ツイスト」でオリヴァ・ツイストを演じています。
まとめ
皆殺し美女に出会って地獄行き
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