話の核は核「キッスで殺せ!」

フィルムノワール

たーすーけーてー

あなたが車を運転しているとトレンチコートに裸足の女性が走って
助けを求めてきました。あなたならどうしますか?
①警察を呼ぶ
②無視する
③車に乗せる

[原題]Kiss me Deadly
[製作年]1955[製作国]アメリカ
[日本公開]1955
[監督・製作]ロバート・アルドリッチ
[原作]ミッキー・スピレーン
[脚本]A・I・ベゼリデス
[音楽]フランク・デ・ヴォール
[上映時間]105

主な出演

マイク・ハマー(ラルフ・ミーカー):
私立探偵。ハイウェイで裸足の女ヒッチハイカーを拾った事を発端に謎の事件に巻き込まれる。

その他の登場人物

Dr・ソべリン(アルバート・デッカー):怪しい博士
カール・エベロ(ポール・スチュワート):賭けボクシングの胴元
ヴェルダ(マキシン・クーパー):ハマーの相棒
リリー(ギャビー・ロジャース):クリスティナのルームメイト、ガブリエル
クリスティーナ・ベイリー(クロリス・リーチマン):裸足のヒッチハイカー
チャーリー(ジャック・イーラム):用心棒
シュガー(ジャック・ランバート):用心棒

あらすじ


私立探偵のハマーは、深夜のハイウェイを走行中、突然現れた全裸にトレンチコート姿の女を車に乗せる。彼女はこのまま無事にバス停に着いたら忘れて、着かなかったら私を覚えていてと言う。途中立ち寄ったスタンドで彼女がこの手紙を出して欲しいと従業員に渡した直後、男たちに襲われる。女は拷問の抹殺され、ハマーも車ごと転落させられ重傷を負わされるが助かる。マイクは連邦検察局に呼び出され、尋問を受ける。事件に何かあると考えたハマーは一人調査を始める。

どんな映画?

マイク・ハマーの場合、正解は③の車に乗せるでした。

しかし、その結果は…

何者かに連れていかれ、女性は拷問の上殺され、ハマーも車ごと崖に落とされてしまいます。

しかし不死身の私立探偵ハマーは病院で目覚めます。
そこに心配そうにハマーを見つめる秘書兼恋人の美人(?)秘書ヴェルダの姿が。

退院したハマーが警察の尋問から戻って来ると、ヴェルダから留守電が入っています。

ある男がハマーに会いたいと言ってきたのですが、その男は新聞の化学記者で最近消息不明でした。男を探し出しその男から、ハマーが乗せたヒッチハイカーの部屋を聞きへはに向かいます。
そこには彼女とルームメイトだと言うリリーがベッドに横たわっていた。

うさんくさい女リリー、度重なる脅迫と暴行。
それは「あるもの」を巡る攻防だったのです。

箱の中身はなんでしょね~?

この映画は公開当時、そのトンデモ内容によりかなり非難を受けたようです。女性に対する暴行やハマーがよくぼこぼこにされるシーンが多いのも理由らしいですが、原作をかなり改変したその結末にありました。現在DVDで観られるのはラストカットをつけ足したもので実際に公開されたのは二人の生死がわからないものだったそうです。
結局ガイガー計数が思いっきり振り切っていると思われるので、助かったとしてもその後は…というどちらにしてもめでたしめでたしではないです。
そのおかげかどうか、今日も語り継がれるカルト映画に成長していきました。

スタッフ・キャスト

1950年代のアメリカは、マッカーシズムが吹き荒れソ連の核開発関係のスパイ事件疑惑など社会不安が渦巻いていました。そしてマッカーシズムを公然と批判していたのがDr・ソべリン役のアルバート・デッカーでした。

アルバート・デッカーは名脇役として数々の映画に出演し、政治家としても活動していましたが、1968年に浴室で謎の死を遂げています。

監督のロバート・アルドリッチは、武骨で男臭い映画を多く撮っており、女優がみんなブス…いえ、個性的な女性が多く、時には映画で女が誰も出てこないという作品もあります。一方で1962年「何がジェーンに起ったか?」1964年「ふるえて眠れ」1968年「甘い抱擁」など女のいやーな部分を描かせるのに長けています。わたくしも好きな監督の一人です。

主演のマイク・ハマー役のラルフ・ミーカーは1957年にスタンリー・キューブリック監督作品の戦争映画「突撃」に出演。この映画も代表格ですがB級作品の出演が多かった印象です。

ヒッチハイカーのクリスティーナ役のクロリス・リーチマンは1971年に出演した「ラスト・ショー」で若い男と不倫関係に陥る人妻を演じてアカデミー助演女優賞を受賞。テレビドラマでも活躍しエミー賞の常連です。

ロバート・アルドリッチ監督の初期の迷作です!

まとめ

裸足のヒッチハイカーを拾って地獄行き。

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