雇い主の妻は元カノ「ギルダ」

フィルムノワール

ストラップレスのブラをして寝ると
朝には必ずお腹の辺りまで下がってます。

[原題]Gilda
[製作年]1946[製作国]アメリカ
[日本公開]1949
[監督]チャールズ・ヴィダー
[脚本]マリオン・パーソネット
[製作]ヴァージニア・ヴァン・アップ
[撮影]ルドルフ・マテ
[音楽]モリス・W・ストロフ
[音楽監督]マーリン・スカイルズ
[上映時間]109

主な登場人物

ジョニー・ファレル/ナレーション(グレン・フォード):
イカサマギャンブラー。マンスンと出会いビジネスパートナーになる。

ギルダ・マンスン・ファレル(リタ・ヘイワース):
元歌手。出会ったばかりのマンスンと結婚。しかし男遊びをやめない。

その他の登場人物

ベイリン・マンスン(ジョージ・マクレディ):カジノのオーナー。
モーリス・オブレゴン刑事(ジョセフ・カレイア):マンスンを追っている。
アンクル・ピオ(スティーヴン・ジェレイ):カジノの使用人
ケイシー(ジョー・ソーヤー):用心棒
(ルース・ローマン):ノンクレジット

あらすじ

アルゼンチンで小銭を手に入れたアメリカ人イカサマギャンブラーのジョニー。勝ち逃げしようと退散するところ路地裏で男に襲われそうになるが、杖を持った紳士に助けられる。杖にはナイフが仕込まれていた。本物のギャンブルをやらないかと言う紳士の申し出にジョニーはネクタイをして紳士の言うカジノに出向く。しかしまたもやイカサマをして勝ち逃げしようとしたところボスが呼んでいると呼び止められる。上の階のボスの部屋に行くとすぐ二人の男に殴られる。目の前にいたのは昨夜の紳士で、このカジノのオーナーだという。ジョニーはすかさず彼に自分を用心棒として雇わないかと持ちかける。オーナーはマシスンと名乗り、ジョニーを雇うことにする。ジョニーはカジノの見回りをしながら過ごすうち第二次世界大戦が終結する。祝杯をあげる中、マンスンはジョニーに自分は旅行に出ると告げ店をジョニーに任せた。マンスンが戻ったと聞き屋敷に出向いたジョニーだったが、そこで紹介されたのはすでにマンスンの妻になっていたギルダだった。実はジョニーとギルダは旧知の仲だったが、その時は驚きながらもお互い知らないふりをしていた。

どんな映画?

フィルム・ノワールの代表作の一つとして真っ先に挙げられる「ギルダ」という映画。
今から70年以上昔の映画ですが、タイトルはよく知られていると思われますがストーリーを語れる人は少ないのでは?
はて?一体どんな話?

舞台は第二次世界大戦中のアルゼンチン。
アメリカ人のイカサマギャンブラージョニーはマンスンと名乗る紳士に助けられ彼のカジノで働くことに。

マンスンをただのカジノオーナーだとは思えないジョニー。
ジョニーはマンスンの信頼を得て行きます。
そうこうしているうちに第二次世界大戦が終結!
突然旅に出ると言って出かけていったマンスンが次に現れた時に妻として連れてきたのが

ギルダでした。

驚くジョニーでしたがその時は知らないふり。
実はギルダはジョニーの元カノでした。
ギルダはジョニーに振られた腹いせに知り合ったばかりのマンスンとスピード婚。

マンスンと結婚しても男と踊り気ままなふりをして過ごすギルダ。
ピオにタバコを吸うのは欲求不満と言われてしまいます。

最近の映画ではめっきりお目にかかれなくなった喫煙シーン。
フィルム・ノワールでは欠かせない小道具の一つですが、この映画ではバンバン吸います。

嫉妬心の強いマンスンはギルダにジョニーを知っていたなと問いかけますががギルダは否定します。
嫉妬で興奮を覚えるというサディスティックな心中を吐露するマンスン。

名シーンの一つであるギルダが誰もいないナイトクラブでピオ一人を相手にアコースティックギターで弾き語りする「Put the Blame on Mame」(メイムのせい)は印象的ですが、リタ・ヘイワースの歌はアニタ・エリスが吹き替えされていました。

一方カジノでは不審な男どもが訪れるようになります。
それは、電球のフィラメントなどに利用されるタングステンの権利を巡るものでした。

遂にカジノで事件が…

ハリウッドの衣装デザイナー、ジャン・ルイが手がけたストラップレスドレスは非常に有名です。

このドレスを着てこれだけ踊ってずり落ちないでいられるのは、
胸のデカさとドレスの密着度が活かせるスタイルの良さが必須ですね~

美しい足を惜しげもなく披露して歌い踊るギルダの姿は観る人の目を釘付け!
1994年にスティーヴン・キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」をフランク・ダラボン監督が映画化した「ショーシャンクの空に」で刑務所内で観ているのがこの映画。囚人たちもギルダの踊るシーンで大盛り上がりでした。

やはり、この映画の魅力はなんと言ってもリタ・ヘイワースの美しさとボディに尽きます!
まさかのハッピーエンドでB級映画丸出しのご都合主義、陳腐な展開で結局この人たち何やってんの?な感はありますが、リタ・ヘイワースの魅力を余すところなく描いた必見のフィルムノワール です。

スタッフ・キャスト

監督はハンガリー出身でハリウッドで活躍したチャールズ・ヴィダー。 1941年にアイダ・ルピノ主演でイカれた姉たちを庇う娘役を演じた「生きてる死骸」を監督。その後リタ・ヘイワースとジーン・ケリーを起用したミュージカル映画「カバーガール」(1944年)で大成功を収めます。さらに「ギルダ」から2年後の1948年には再びグレン・フォード、リタ・ヘイワース主演で「カルメン」を映画化しています。またグレース・ケリーの最後の出演作「白鳥」(1956年)を監督しています。

撮影監督はルドルフ・マテ。「裁かるるジャンヌ」(1928年)や「吸血鬼(ヴァンパイア)」(1930年)などのカール・テオドア・ドライヤー監督作品の撮影を担当し、「都会の牙」(1950年)などの映画監督としても知られています。

主演のギルダを演じたのは1940年代を飾る押しも押されぬ大スターリタ・ヘイワース。優れたダンサーでもあり第二次世界大戦ではトップピンナップガールとして兵士達のセックスシンボルでした。実際は濃い茶色の髪色を赤毛に染め、額の脱毛処理を施し魅力倍増。この「ギルダ」はファムファタールの代表語になりました。この映画の間に結婚していたのがリタ・ヘイワースの2番目の夫オーソン・ウェルズ。この後リタ・ヘイワースを金髪に変えて、これまた現代ではフィルム・ノワール の代表格「上海から来た女」(1947年)に出演しますが映画のすぐ後に離婚。これまたすぐにアリ・ハーン王子と再婚するも数年で離婚。ハリウッドに戻り再びグレン・フォードと共演した「醜聞殺人事件」(1952年)で復帰。この映画の興行収入は「ギルダ」を上回ったそうです。また、「銭の罠」(1964年)ではグレン・フォードとの最後の共演を果たしました。波瀾万丈な人生と共に今でも伝説の女優さんです。

一見カジノのオーナーだがその実、フィラメントカルテルの横取りを図っていた狡猾な男マンスンを演じたのはアメリカ人俳優のジョージ・マクレディ。日本では劇場未公開のフィルム・ノワール「私の名前はジュリア・ロス」(1945年)やレイ・ミランド主演のノワール作品「大時計」(1948年)では、主犯格でないものの重要な役割を演じ、ハンフリー・ボガートが弁護士を演じた「暗黒への転落」(1949年)では刑事を演じています。ウィリアム・ワイラー監督の「探偵物語」(1951年)に医師役で出演。また、スタンリー・キューブリック監督、カーク・ダグラス主演の戦争映画「突撃」(1957年)にミロー将軍役で出演しています。しばしば悪役俳優として知られており多くのフィルムノワール 作品に出演、また知的な顔立ちから晩年は医師や博士の役が多かったです。

カジノの下働きのおじさんですが物語のバイブレーターとして活躍するアンクル・ピオを演じたのはハンガリー出身でアメリカで活躍したスティーヴン・ジェレイ。主演作は少ないものの多くの映画に出演しています。
また、「見知らぬ乗客」(1951年)でファーリー・グレンジャーの相手役を演じたルース・ローマンがチョイ役で出演。

まとめ

元カノが恩人の妻になって地獄行き

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