男と女はダバダバだ!「男と女」

ドラマ

子連れデートは難易度高そうです。

[原題]Un homme et une femme
[製作年]1966[製作国]フランス
[日本公開]1966
[監督・脚本・製作・撮影]クロード・ルルーシュ
[脚本]ピエール・ユイッテルヘーベン
[音楽]フランシス・レイ/バーデン・ハプエル
[主題歌]ピエール・バルー/ニコール・クロワジール
    「男と女」
[上映時間]102

主な登場人物

アンヌ・ゴティエ(アヌーク・エーメ):
幼い一人娘をドービルの寄宿舎に預ける若い未亡人。夫を仕事中の事故で亡くしている。

ジャン・ルイ・デュロック(ジャン=ルイ・トランティニャン):
フォード社のテストドライバー兼現役のレーサー。一人息子をアンヌと同じ寄宿舎に預けている。

その他の登場人物

ピエール・ゴティエ(ピエール・バルー):アンヌの夫
ヴァレリー・デュロック(ヴァレリー・ラグランジュ):ジャン・ルイの妻
アントワーヌ(アントワーヌ・シレ): ジャンの息子
フランソワーズ(スアド・アミドゥ): アンヌの娘
校長(シモーヌ・パリ):寄宿舎の校長

あらすじ

アンヌは一人娘フランソワーズをドービルの寄宿学校に預け手おり、毎週末日曜日に娘に会いにパリから通っていた。一方、ジャン・ルイも週末を息子のアントワーヌと過ごしていた。お互いの子供を寄宿学校に送った後、雨が降っており、帰りの列車を乗り過ごしていたアンヌをジャン・ルイが車で送ることになった。車中、娘と息子の話をし、お互い結婚しているといい合い、アンヌはスタントマンの夫の話ばかりした。夫の職業以外平凡だねと話すジャン・ルイにアンヌはブラジルで夫と過ごした日々など語り完璧な愛だと言う。パリまでアンヌを送ったジャン・ルイは来週車でドービルまで送り、アンヌの夫とも会ってみたいと申し出る。しかし実際には、映画撮影の際スクリプトをしていたアンヌの目の前で夫は事故死していた。翌週末、二人は待ち合わせて、お互いの子供を迎えに行った。週末を子供たちと楽しく過ごす。ジャンはレーサーで、かつてルマンの24時間耐久レースで事故を起こし、重傷を負ってしまい、そのショックに耐え切れなくなった妻は自ら命を断ってしまった。モンテカルロのレースに向かうジャン。しばしの別れに、思い出と未来が激しく交差し合う。

どんな映画?

ダーバーダー ダバダバダ ダバダバダ の主題歌で超有名。1966年にフランスのクロード・ルルーシュ監督が監督・脚本・製作・撮影をこなし、一躍世界中にその名を知らしめた映画です。

一人娘を寄宿学校に入れ
パリで暮らすアンヌ
息子をアンヌと同じ寄宿学校に
入れていたジャン・ルイ

雨の夜二人の男女は出会い
ジャン・ルイがアンヌを車で送りながら
彼女の夫の話を聞きます。
アンヌはスタントマンの夫と二人で
ブラジルで過ごした日々を
楽しそうに語ります。

しかしアンヌの夫はすでに撮影中の事故で 亡くなっていたのです。

一方 ジャン・ルイの妻もまた
レーサーをしているジャン・ルイが
事故に遭った際、不安に耐えきれず
自ら命を絶っていたのです。

アンヌとジャン・ルイ 二人はデートを重ねるのですが…

もっと頼まないと言うアンヌに
ジャン・ルイが再びウィエターを呼び一言
「部屋を一つ」
急速にズームアウトするシーンはかっこいい!

作曲家フランシス・レイとタッグを組んで主題歌は大ヒット。日本でもCMなどに使われており、映画を観たことない人でも聞けば誰でもわかる曲と言っても過言はないかも。歌っているのは、アンヌの夫役でも出演しているピエール・バルーと、「愛と哀しみのボレロ」や「個人教授」で、歌声を披露しているニコール・クロワジールです。

ストーリー自体は、子供そっちのけでイチャイチャしくさってどないやねん!と、日本人的にはお母さんの恋愛をイマイチ歓迎できない嫌いはありますが、そこはお国柄の違い。 カップル文化であるフランスで、かけがえのない伴侶を亡くした男女。過去と現在が幾度となく交差し、楽しかった過去の思い出は色鮮やかなカラーなのに対し、現在はセピア色とカラーで描かれています。お互いに、愛していた人物を失った喪失感を抱えながら新たな愛に踏み出そうとしつつも逡巡する様が、スタイリッシュに描かれております。

この映画は20年後の1986年に続編の「男と女Ⅱ」、さらに52年後の2019年に「男と女 人生最良の日々」があり、どちらもアヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャンが存命で出演されております。
すごいですねー!!

過去は美しいけれども、今を力強く生きていくことこそ、美しい人生になるのかもしれません。

スタッフ・キャスト

監督のクロード・ルルーシュはフランスの映画監督。1960年に長編映画監督デビューしますが不評。その後数年はヒット作が出せず、1966年に満を辞してほぼ自主製作した「男と女」がクリティカルヒット。この映画はカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し、アカデミー賞外国語映画賞と脚本賞を獲得しまし、世界的に知られる存在となりました。翌年の1967年にフランス・イタリア合作の恋愛映画「パリのめぐり逢い」と、同年ドキュメンタリーオムニパス映画「ベトナムから遠く離れて」の一編を監督。また、1968年のフランス、グルノーブルで行われた冬季オリンピックの記録映画「白い恋人たち」も担当。1973年にはリノ・ヴァンチェラが主演したラブサスペンス映画「男と女の詩」を監督。1974年の「マイ・ラブ」ではマルト・ケラーとアンドレ・デュソリエ主演で、同じキャストを使用し3代に渡る恋愛大河ロマンに仕上げています。その後もカトリーヌ・ドヌーヴ主演の「夢追い」(1979年)、同じキャストによる戦争を挟んだ3代に渡る大河ドラマ「愛と哀しみのボレロ」(1981年)など多くの作品を発表されています。

音楽を担当したフレンシス・レイはフランス出身の作曲家。1960年のクロード・ルルーシュ監督の「男と女」の音楽を担当し、映画のヒットと共に主題歌も大ヒット。世界的な知名度をグッと上げ、次々に映画音楽を担当。「パリのめぐり逢い」(1967年)、「男と女の詩」(1973年)、「愛と哀しみのボレロ」(1981年)、「男と女Ⅱ」(1986年)、「レ・ミゼラブル」(1995年)などのクロード・ルルーシュ監督作品の常連となっただけでなく、ミシェル・ボワロン監督の「個人教授」(1968年)、ルネ・クレマン監督のサスペンス映画「雨の訪問者」(1970年)、アーサー・ヒラー監督の大ヒット恋愛映画「ある愛の詩」(1970年)などの音楽を担当しています。「ある愛の詩」ではアカデミー賞作曲賞を獲得されています。

未亡人アンヌを演じたのはフランスの大女優アヌーク・エーメ。今年90歳になられました。10代の頃から映画に出演し、70年以上のキャリアを誇ります。1958年にジャック・ベッケル監督、ジェラール・フィリップが不遇の画家モディリアーニを演じた「モンパルナスの灯」では、モディリアーニの妻ジャンヌを演じ、その美貌に注目が集まりました。その後、1960年にフェデリコ・フェリーニのイタリア映画「甘い生活」で、富豪の娘を演じ映画の知名度とともに世界的に知られる存在となりました。続いてフェリーニ監督の「81/2」(1963年)にも出演しています。私生活では4回結婚してり、3回目の結婚は、この「男と女」でアヌーク・エーメの夫役を演じたピエール・バルーと実際に結婚、ですが三年で離婚しています。その後、1974年の「オリエント急行殺人事件」でエルキュール・ポワロを演じたイギリス人俳優のアルバート・フィニーと結婚していますがその後離婚しています。

まとめ

新たな恋愛は地獄からの生還

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