一途とストーカーは紙一重。
[原題]Passione d’amore
[製作年]1980[製作国]フランス・イタリア
[日本公開]1984
[監督・脚本]エットレ・スコーラ
[脚本]ルッジェロ・マッカリ
[音楽]アルマンド・トロヴァヨーリ
[上映時間]115
主な登場人物
ジョルジュ(ベルナール・ジロドー):
騎兵隊長。人妻とお付き合い中。
フォスカ(ヴァレリア・ドビチ):
大佐の従妹。その特異な容貌の為独身。てんかん持ちで奇声を上げて倒れ込むことも。
クララ(ラウラ・アントネッリ):
エロい美人人妻。ジュルジュと恋仲。
その他の登場人物
医者(ジャン=ルイ・トランティニャン)
大佐(マッシモ・ジロッティ)
あらすじ
1862年イタリア。青年将校のジョルジュは若くハンサム。美しい人妻クララと恋人関係になっていた。幸せな時間を過ごしていたジョルジュだったが移動命令があり、辺境の田舎町に転属することになってしまった。そこで寄宿先である大佐の家には、なかなか姿を現さない、大佐のいとこであるフォスカがいた。本を貸したことがきっかけで初めてフォスカと対面したジョルジュは思わず絶句した。痩せてぎょろぎょろした目、大きな口、大変醜い女性だった。彼女は精神を患い、葬式を見て発作を起こした。ジョルジュに夢中になったフォスカは執拗に彼に迫った。なかなか振り切れないジョルジュに、大佐おかかえでフォスカの主治医でもある医師が、彼女の治療のためと、彼をフォスカとベットにふたりっきりにさせる。思いっきり迫ってくるフォスカに恐怖すら感じたジョルジュ。大佐から、大佐が紹介した男がフォスカと結婚したすぐ後、金をもって逃げた。そのことに罪悪感を感じフォスカの面倒を見ているという。困り果てたジョルジュは…
どんな映画?
若く男前のジョルジュには、かわいくてエロい恋人がいました。
だってラウラ・アントネッリなんですもの。
しかし、彼は独身でしたが彼女は人妻。割と大ぴらに付き合っていますが。
そんな二人を引き裂く異動命令。ジョルジュはクララと再会の約束をして片田舎にやってきます。
異動先で大佐の家にお世話になりますが、食卓に一人空席が。
その席は、姿を現さない大佐の従妹だと言う話。
興味が湧くジョルジュ。しかしすぐに後悔することになるとは…
とうとう姿を現した大佐の従妹ことフォスカ。
ジョルジュはその姿に絶句します。
あまりの不細工に!!!!
素直なジョルジュ、目も合わせません。
フォスカは痩せていて、目はぎょろぎょろ、鼻はとがり、歯が出ているという容赦ない不美人ぶり。
おまけに
きぃえええええええええええええええっ
と奇声を上げて卒倒するのです!
マンドクサ…
しかしあろうことかフォスカは、ジョルジュに一目ぼれしてしまったのです。
そしてぐいぐいジョルジュに迫るフォスカ。
ブ、ブスのくせに…
で、心根が美しいのかと言うとそうでもなく
どーせブスだから!っと卑屈な部分を出しながらしつこく手を握って離さないという
ずーずーしさ。
どーすりゃいーのと軍医に相談。
「一発ヤッてやれ」
えーっ マジで???
軍医役のジャン=ルイ・トランティニャンなんとも言えない味な役なのですが、ちょっと無責任。
れっ 列車の窓に心霊が!!!
果たしてジョルジュの運命やいかに!?
フツーにかわいい女の子でも、なかなかイケメンには積極的になれないもの。そーやって眺めている間に横からひょいっと、どちらかと言うと不細工な女の子がガンガン迫り、案外イケメンをgetしていくのです。これはもう女として、不愉快この上ありません!
…でもね
眺めているだけで何も行動しなければ、イケメンは向こうからやってきません。
過程はどうあれ、情熱と勇気がある人だけが、愛の勝利者になれるのです。
逮捕されない程度に頑張らないとね!
スタッフ・キャスト
監督はイタリアのエットレ・スコーラ。先月お亡くなりになりましたが、マルチェロ・マストロヤンニやステファニア・サンドレッリがよく映画に出演しておりました。
ジョルジュ役のベルナール・ジロドーはフランスの俳優。1997年「女優マルキーズ」や1998年には監督主演した「川のうつろい」などちょっと男前のおっさん役が多かったです。
大佐役のマッシモ・ジロッティは1942年のルキノ・ヴィスコンティの映画「郵便配達は二度ベルを鳴らす」ジーノ役で出演、同じくヴィスコンティの「夏の嵐」や、パゾリーニの映画にも出演されているベテラン俳優。
クララ役のラウラ・アントネッリはイタリアエロ映画界の重鎮(?)1973年の「青い体験」が大ヒット。この頃すでに32歳でしたが、一躍筆下しものの第一人者になりました。ヴィスコンティの「イノセント」に出演しその裸体は絶賛されました。が、やはり寄る年波には勝てず、薬物の問題があったり、整形で訴訟を起こしたり、その後は波乱万丈だったようです。残念ながら昨年73歳でお亡くなりになりましたが、その愛らしいお顔と女性らしい美しいボディは永遠に色褪せません。
観る人が観ると恐怖映画。観る人が観ると純愛映画。ある意味すごい映画です。
まとめ
惚れられて地獄行き ある意味天国行き
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