フェチ地獄「恋愛日記」

ドラマ

若い頃どーゆー人がタイプなの?と聞かれて正直に答えていたらひかれていました。美人ほど優しい人とか曖昧なこと言ってることに気付いたのは
けっこう年取ってからです。

[原題]L’Homme qui aimait les femmes
[製作年]1977[製作国]フランス
[日本公開]1978
[監督・脚本]フランソワ・トリュフォー
[脚本]シュザンヌ・シフマン他
[音楽]モーリス・ジョーベール
[上映時間]118

主な登場人物

ベルトラン・モラーヌ(シャルル・デネル):
流体力学研究所に勤める中年の独身男。無類の足フェチ。きれいな足の女を求めて日夜奔走している。

ジュヌヴィエーヴ・ビジェー(ブリジット・フォッセー):
ベルトランの自叙伝に興味を持つ編集者。

その他の登場人物

マルティーヌ(ナタリー・バイ): 人違いの女性
ヴェラ(レスリー・キャロン): 昔の愛人
デルフィーヌ・グレゼル(ネリー・ボルゴー): 人妻

あらすじ

モンペリエ(フランス南部の都市)1976年のクリスマス、女ばかりがくる葬儀が行われた。死者の名はベルトラン。棺の中に入ったベルトランからの眺めは行きかう女たちの足を眺められて、まさに彼好みの光景だろうとジュヌヴィエーヴは回想する。ベルトランは言う「女の脚は美しくバランスよく地球を測るコンパスだと」。ベルトランは流体力学研究所に勤める独身の中年男だが、女の美しい脚に目がなかった。その日もクリーニング店で見かけた女性を追いかけ車のナンバーを控え、彼女にぶつけられたと嘘をつき、レンタカーだったが無理やり借主の名前を突き止め電話をかけた。
喫茶店に来たマルティーヌという女性を見てちょっと違うなと落胆した表情を浮かべたら、彼女からベルトランがみたのは自分の美人の従妹で彼女は結婚してここにはしばらく戻らないという。帰りの車の中でレンタカーの店員が何かあったら会いに来てと言われたことを思い出し彼女に会いに行く。すぐさま彼女の部屋でベッドイン。しかし泊まってはいかず、彼女から何だか悲しそうと言われてしまう。ベルトランは一人の女に執着せず、モーニングコールの女性や、下着店の女店主、デパートで見つけた女性などいつも目を光らせていた。

どんな映画?

フェチ映画と呼ばれるジャンルがあるんだかないんだか。
ただ この映画は足の美しさに惹かれて生きていく男の物語です。

好みの足を見たらストーキング。
もちろん美人じゃないとだめ。
顔を見て露骨にがっかりすることも。
わからない人にはわかりませんが
わかる人にはわかる
そんな特殊なジャンルです。

ある男の葬式。
そこを訪れるたくさんの女性たち。
男はいません。


亡くなった男の名はベルトラン。
彼の小説を担当していた編集者ジュヌヴィエーヴが彼を思い出します。

ベルトランは語ります。
「女の脚は美しく地球を測るコンパス」だと
おフランス語で語ると実に詩的ですが、言ってることは変態チックです。

彼がまず見るのは女性の脚。
きれいな脚を見かけたらその女性に会うために手段を選びません。
ですが、一人には固執しないベルトラン。
とにかく手あたり次第。

ある日、ベルトランは年増の下着店の店主と食事に行き、やれると思っていたのに41歳の彼女から30歳以下の若い男がいいと言われてしまいます。
同年輩の女性に断れてしまい少なからずショックを受けるベルトラン。

そして、家に戻ったベルトランはタイプライターに向かって回想録を書き始めます。

脚フェチの歴史を…

サラリーマンたちの足もこう見えてしまう。
ほとんど病気のベルトラン。

スタッフ・キャスト

社会派映画は作らないけどフェチ映画は作るぞ~!!のトリュフォー先生。
それにしてもおフランスはフェチ映画に長けているようでエリック・ロメール監督の1970年「クレールの膝」やパトリス・ルコント監督の1990年の「髪結いの亭主」、ルイス・ブニュエルは1964年の「小間使いの日記」の中でやっぱり靴フェチ?脚フェチ?の老人が出てきますね~。まあ大切なのは自分に正直に生きることだとは思いますが、欲望のまま生きてしまっているのが気になります。
当然女性からは理解されるはずもなく、ベルトランの小説のタイプを頼んだ女性にことごとく、こんな不快なもんタイプできるか!!と断られてしまいます。
このエピソードは作家で「突然炎のごとく」「二人の英国女性と大陸」の原作者であるアンリ=ピエール・ロシェが小説を出版するために雇った女性タイピストたちがノイローゼにかかって次々と辞めていったという実話からとったそう。
文章にすると不快ですが、ベルトランと関係した女性は彼を恨んでいないのです。
愛すべき変態でした。

あり得ないほどアクの強い顔の主演のシャルル・デネルは、トリュフォー映画では他に1968年「黒衣の花嫁」と1972年「私のように美しい娘」に出演していました。

編集者のジュヌヴィエーヴを演じたのは「禁じられた遊び」で天才子役として名を馳せたブリジット・フォッセー。1989年のジュゼッペ・トルナトーレ監督の「ニュー・シネマ・パラダイス」ではディレクターズカット版のみの出演、劇場公開版を観てしまうとブリジット・フォッセーいらないかもと思ってしまってちょっと残念な気もしますが。

トリュフォーやゴダール映画で常連のナタリー・バイが間違われてがっかりされる女性の役で出演しております。

シャレの効いたエンドロールも最後まで飽きさせないサービス精神に愛を感じます!

まとめ

フェチを求めて地獄行き まあ地獄行きも本望か…

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