未亡人のHな冒険「女性上位時代」

ドラマ

関係した女性の点数をつけてるって
良くあることなんでしょうか?

[原題]La Matriarca
[製作年]1967[製作国]イタリア
[日本公開]1969
[監督]パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
[原案]オッタヴィオ・ジェンマ
[脚本]オッタヴィオ・ジェンマ/ニコロ・フェッラーリ
[美術]フラヴィオ・モゲリーニ
[衣装]ガイア・ロマニーニ
[撮影]アルフィーオ・コンティーニ
[音楽]アルマンド・トロヴァヨーリ
[上映時間]94

主な登場人物

ミミ(カトリーヌ・スパーク):
若き未亡人。夫の死後に発覚した夫の変態趣味に逆に興味を持ち探求し始める。

カルロ・デ・マルキ教授(ジャン=ルイ・トランティニャン):
ミミが検査を受けた大学病院の放射線医師。ミミは彼に興味を持つが堅物だがサディスティックな一面を持つ。

その他の登場人物

サンドロ・マルディーニ弁護士(ジジ・プロイエッティ):ミミの夫の親友
テニス講師(フィリップ・ルロワ)
本屋(ヴィットリオ・カプリオーリ)

あらすじ

若妻のミミは、突然夫が死んだと聞かされる。かなり年上の夫とは倦怠気味で、死んでもあまり悲しいとは思えなかった。葬式も終わり、夫の友人でもある弁護士にミミが夫の財産を相続したことと、夫が生前部屋を借りていたことを聞かされる。その部屋に行ってみるとそこはベットを中心に据えた鏡張りの部屋で、夫はそこでいろんな女とサディスティックな行為を繰り返していたのだ。3年間の結婚生活でこんな趣味があったことを全く気付かなかったミミは少なからずショックを受けながらも、夫を理解してみようとその足でサドについての本を買い、いろいろ勉強することに。ミミは弁護士を夫の秘密部屋に連れて行き、夫は関係を持った女性たちの点数をつけていたと話す。その中に自分の名前がないと嘆くミミを慰めながら弁護士で夫の親友でもあったサンドロと関係を持つ。こうなったら欲望に任せて性の探求をしていけば何か見つかるかもと、歯医者、友人のクラウディアの夫や、行きずりの男、テニス講師など次々と関係を持って行くのだが…

どんな映画?

2022年の4月に77歳でお亡くなりになったフランス出身、イタリア映画界で活躍された女優カトリーヌ・スパークが主演し、イタリアの映画監督兼小説家兼脚本家のパスクァーレ・フェスタ・カンパニーレが監督した、イタリア産お色気映画となります。

若くして未亡人になった主人公のミミ。
しかし、ミミは夫が死んだことにより初めて夫の真実を知ることになります。

夫には妻に隠している性癖があったのです。

妻に黙ってい借りていた秘密の部屋。
そこには夫が女性たちにサディスティックな行為をして
楽しんでいるフィルムがありました。
とりあえず見てみるミミ。
「いやらしい!! 変態!…でも ふーん」
何事にも研究熱心なミミ、まあ金があってすることがないのですが。
結婚生活で得られなかった性の探求を始めていくのです。

いろいろやってみたけど(何を?)なーんか しっくりこない。
心配した母に病院を進められます。
そんで大学病院に行って検査をしレントゲンも撮ってもらいます。

その担当医師に背負われた時、何とも言えぬ快感を覚えたミミ。
すぐに本でお勉強です。
哲学の神様アリストテレスは女性に対して偏見をもっていました。
てゆーか男尊女卑的な考え方です。
そこに現れたのが眉目秀麗、才色兼備のフィリス。
勉強するのに女はいらないと言ったアリストテレスが彼女の策略によりお馬さんごっこをしている姿を見られて人々に笑われるというお話。 ラテン語でエクウス・エロチクス(おうまさんごっこ) この状態を「女性上位」というそうです。

谷崎潤一郎先生の「痴人の愛」でもしてましたねえ、お馬さんごっこ。

ミミの性癖が開眼しました。「お馬さんごっこがしたーい!」

そして念願かなって…とっても楽しそう♪

変態行為を共有できてこそ、本物の夫婦になれるのではないでしょうか?

イタリア式コメディと言われるジャンルがあります。 艶笑話にコメディが主流で、オムニバス形式の他愛もない作品が多いのですが、美しい女優陣の潔い脱ぎっぷりはただのポルノ映画とは一線を画すものがあります。
イタリアの映画史の中で、1940年代の何となーく気が重くなる「ネオレアリズモ」の風潮から一変して1950年代後半から、お手軽なエッチなコメディが量産されていきました。 日活が60年代後半からロマンポルノに活路を見出したようにです。 でも結局は飽きられ、衰退していくのですが… しかし、このお色気映画でラウラ・アントネッリやステファニア・サンドレッリなどたくさんのスターを生み出しました。
その中でニューカマーだったのだ主人公のミミを演じたカトリーヌ・スパークでした。 カトリーヌ・スパークは1960年代にそのすらっとした均整のとれたスタイルに、おめめぱっちりのかわいい顔で人気を博しました。が、その後一気に人気はウナギ下がりに下がり、B級作品などの出演ばかりになってしまいました。

そして何故か出ているフランスの名優ジャン=ルイ・トランティニャン。カルロ・デ・マルキ教授を演じていましたがそのまじめそうな風貌で、「男と女」「暗殺の森」などの代表作があります。
カトリーヌ・スパークのファッションとコケティッシュな魅力を存分に楽しめる映画です。

スタッフ・キャスト

監督のパスクァーレ・フェスタ・カンパニーレはイタリア出身の映画監督で、脚本、監督、小説家とマルチに活躍。1957年に「祖母サベッラ」で脚本・原作を担当。同年「貧しいが美しい男たち」、「美しいが貧しい娘たち」など立て続けに脚本・原作を、その後も多くの映画の脚本と原作を担当しています。1960年にはルキノ・ヴィスコンティ監督と共同脚本として「若者のすべて」を、また1963年にも再びヴィスコンティ監督、バート・ランカスター、アラン・ドロン出演の「山猫」の脚本に名前を連ねています。その後映画監督としてもデビュー。イタリア式お色気コメディの代表作としても知られており、ラウラ・アントネッリが主演した「裸のチェロ」(1971年)や「SEX発電」(1975年)などの映画の監督兼脚本兼原作を担当されています。また、後味の悪さではピカイチのサスペンス映画「ヒッチハイク」(1977年)など見応えのある作品もあります。

主演の若妻ミミを演じたのはフランス出身で、イタリア映画界で1960年代に活躍した女優カトリーヌ・スパーク。長いストレートの金髪に大きな瞳に少女のような顔、抜群のスタイルで人気を博しました。1960年にフランスでジャック・ベッケル監督の「穴」で、面会に来る女子役でちょこっと出演。同年にイタリア・フランスの合作映画「十七歳よさようなら」やイタリア映画の「太陽の下の18才」(1963年)などで注目されました。また、1962年のイタリア映画「狂ったバカンス」では中年男を翻弄する美少女を演じ、ブレイクするきっかけとなりました。1963年にダミアーノ・ダミアーニ監督の「禁じられた抱擁」に出演しシリアスな演技を披露しました。70年代に入るとダリオ・アルジェント監督のサスペンス映画「わたしは目撃者」(1971年)に出演した後は、B級のサスペンス映画の出演が多くなり人気も失速してしまいました。

まとめ

アリストテレスも地獄行き

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