ブス設定でもかわいく描くのが
少女漫画の鉄則です。
[原題]Jane Eyre
[製作年]1943(アメリカ公開1944)[製作国]アメリカ
[日本公開]1947
[監督・脚本]ロバート・スティーヴンソン
[脚本]オルダス・ハクスレイ/ジョン・ハウスマン/ケティ・フリングス/ヘンリー・コスター
[原作]シャーロット・ブロンテ
[製作]ウィリアム・ゲッツ/ケネス・マクゴーワン
[撮影]ジョージ・バーンズ
[音楽]バーナード・ハーマン
[上映時間]96
主な登場人物
ジェーン・エア(ジョーン・フォンテイン):
厳しい環境の学院に入れられ、過酷な環境で少女時代を過ごす。その後、反骨精神を持った女性に成長し、ロチェスターの娘アデルの家庭教師となる。
エドワード・ロチェスター(オーソン・ウェルズ):
ロチェスター家の当主。強面でとっつきにくい。
その他の登場人物
アデル・ヴェラン(マーガレット・オブライエン):ロチェスターが養育している娘
リード夫人(アグネス・ムーアヘッド):ジェーンの伯母
ジェーン・エア(ペギー・アン・ガーナー):少女時代
ヘレン・バーンズ(エリザベス・テイラー):ジェーンの少女時代の親友
リバース医師(ジョン・サットン):学院の医師
アリス・フェアファックス(エディス・バーレット):ロチェスターの女中
ベッシー(サラ・オールグッド):乳母
あらすじ
1820年ジェーン・エアは激動のイギリスに生まれた。ジェーンは孤児となり伯母のリード夫人にひきとらていたが、彼女はそこで伯母や従兄弟のジョンから虐待を受けていた。利発で強気なジェーンは反抗的とみなされ教育施設に送られることに。メイドのベッシーは別れ際にジェーンにリボンの形のペンダントをくれた。喜んで出ていったジェーンだったが、着いたローウッド学院は思っていたものとはまったく違っていた。そこは冷酷な院長のブロックルハーストが君臨し、女生徒達を高圧的に支配していた。そんな中ジェーンに親切にしてくれる黒い巻き毛の少女ヘレンと親友になる。しかしヘレンも院長の執拗な罰により、肺炎で死んでしまう。絶望的になるジェーンだったが医師に辛抱強く学校で教養を身につけることが必要だと諭される。10年後大人になったジェーンは学院の教師になることを勧められるが断り、新聞に広告を乗せ手紙が来た屋敷に家庭教師として向かった。到着したソーンフィールドの屋敷は広大で古臭くあまり明るい雰囲気では無く、当主のロチェスターも不在がちだったが娘のアデルは人懐っこくすぐに馴染んだ。ある日夕刻に、霧が濃くなる中歩いていると、突然馬が現れ男が落馬した。強面の顔に威圧的な男こそ当主のロチェスターだった。始めのうちは横柄な態度だったが次第にうちとけ、彼の内面の苦悩も語り始めた。深夜女の笑い声が聞こえたと思うと、ロチェスターの寝室が燃えていた。ことなきを得たが、ロチェスターは娘アデルが、若い頃フランスで踊り子と恋に落ちて生まれた不義の子で、母親は男と一緒に出ていったという。翌日、ロチェスターは再び出ていってしまった。その後ロチェスターが客人を連れて帰ってくると聞き、ジェーンはうれしさを隠せなかった。しかし、ロチェスターが連れてきた夫人たちはごてごてに着飾った女たちばかりで、ジェーンを無視しあざ笑った。
どんな映画?
ブロンテ姉妹の長姉シャーロット・ブロンテ原作の「ジェーン・エア」を映画化。監督は後に「メリー・ポピンズ」(1964年)の監督で知られるロバート・スティーヴンソン、主演は「断崖」(1941年)でアカデミー賞主演女優賞を獲得しているジョーン・フォンテインと、監督としても巨匠のオーソン・ウェルズが俳優として出演されています。
孤児になってしまったジェーン・エアは
意地悪な伯母リード夫人といるより
慈善学院であるローウッド学院に入ることにします。
しかし 学院の環境はひどく劣悪で過酷
優しくしてくれた友人のヘレンまで
病気で亡くしてしまいます。
強い憤りと社会に対する不満の中
成長したジェーン。
学院の教師になることを強要されますが断り
新聞の募集に出ていた家庭教師の職を得ます。
ソーンフィールドの屋敷に来たジェーン。
屋敷は広大ですが霧が立ち込め
何だか胡散臭い雰囲気。
ジェーンが家庭教師をすることとなる
アデルはまだ幼く天真爛漫
しかし後見人だという
当主のロチェスターの姿はありません。
霧の中歩いていたジェーン
突然目の前に馬が現れ
驚いた馬は暴れ乗っていた人物は
落馬してしまいます。
ジェーンが近寄り男性と対面。
彼こそが当主のロチェスターでした。
無愛想で不機嫌
とっつきにくいロチェスター
感じ悪いなーと
初め思っていたジェーンでしたが
彼の苦悩を知り次第に惹かれるようになり…
霧の中で初めて出会ったジェーンとロチェスター
小説の「ジェーン・エア」は、イギリスが最も繁栄したヴィクトリア朝時代に、貧困の中から自分の意思をはっきり持ち、当時としては珍しい自立した女性像を作り上げたと言われています。
主演は美人女優のジョーン・フォンテインなのですが、小説上の設定ではジェーンは特に美しくもなく普通だとなっています。
また、「ジェーン・エア」は女性から初めて男性に自分から愛を告白した小説とされています。
「ジェーン・エア」は、ヴィクトリア朝に始まったガヴァネス(家庭教師)という職業についた女性を描いたことも特徴的で、映画「回転」(1961年)の原作である「ねじの回転」など、いくつもの小説の題材となっています。
この当時の女性が、いかに自分の意志を貫いて生きていくことの困難さを物語っています。
この映画は、当時の子役美少女スター勢揃いで有名です。 主人公ジェーンの少女時代を演じたペギー・アン・ガーナー。1945年の「ブルックリン横丁」でアカデミー賞子役賞を受賞しています。成人してからナナリー・ジョンソン監督のサスペンス映画「意外な犯行」(1954年)に出演していますが成功には至りませんでした。 アデルを演じたマーガレット・オブライエン。1944年に「若草の頃」でアカデミー賞子役賞を受賞しています。 ジェーンの親友ヘレンを演じたのは子役時代のエリザベス・テイラー。その後の美人女優の代表格となったエリザベス・テイラーですが、子供時代から大人びた美少女です。必見です!
スタッフ・キャスト
監督のロバート・スティーヴンソンはイングランド出身の脚本家兼映画監督。1964年に監督したディズニー映画「メリー・ポピンズ」の監督として特に知られています。イギリス時代には冒険映画「キング・ソロモン」(1937年)などを監督。ハリウッドに渡り、シャルル・ボワイエ主演の「裏街」(1941年)、ジョセフ・コットン、アリダ・ヴァリ主演の「追いつめられた男」(1950年)、ロバート・ミッチャム、エヴァ・ガードナー主演の「禁じられた過去」(1951年)、ジェーン・ラッセル主演の「犯罪都市」(1951年)などを監督。その後にディズニーと契約。「うっかり博士の大発明/フラバァ」(1961年)や「黒ひげ大旋風」(1967年)などファミリー映画で興行的に大成功されています。
意地悪リード夫人を演じたのは、意地悪そうで冷血そうな風貌(?)で有名なアグネス・ムーアヘッド。晩年になってから大人気テレビシリーズ「奥様は魔女」で、サマンサの母親魔女を演じたことで非常に知られています。 1941年にオーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」で、ケーンの母親を演じています。オーソン・ウェルズ主催のマーキュリー劇場出身女優の為、「偉大なるアンバーソン家の人々」(1942年)、「恐怖への旅」(1942年)などマーキュリー作品にはたびたび登場しています。また、冷血そう(?)な風貌から「赤い家」(1946年)、「潜行者」(1947年)、「白いドレスの女」(1948年)、「女囚の掟」(1950年)、「14時間の恐怖」(1951年)、「ふるえて眠れ」(1964年)、「ヘレンに何が起こったのか?」(1971年)などのフィルム・ノワール系やホラー系サスペンス映画に多く登場されました。
まとめ
勇気を出して初めての告白で地獄行き
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