双子のシンクロ率「戦慄の絆」

ドラマ

子供の頃 双子の一人と遊ぶ約束をすると
もれなくもう一人ついてくると言う
双子ちゃんがいました。

[原題]Dead Ringers
[製作年]1988[製作国]カナダ
[日本公開]1989
[監督・脚本・製作]デヴィッド・クローネンバーグ
[脚本]ノーマン・スナイダー
[原作]バリ・ウッド/ジャック・ギースランド
[音楽]ハワード・ショア
[上映時間]116

主な登場人物

エリオット/ビバリー・マントル(ジェレミー・アイアンズ):
トロントでクリニックを開業している双子の産婦人科医。兄のエリオットは社交的で女好きだが、弟のビバリーは内気で外見は全く同じだが性格は正反対。

クレア・ニポー(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド):
女優。マントル兄弟のクリニックを訪れる。しかし彼女は特殊な子宮を持っており、妊娠できないと告げられる。そこからビバリーと親しくなる。

その他の登場人物

ローラ(シャリー・ダグラス):クレアの友人
ミムジー(ジル・ヘネシー):コールガール
コーラル(ジャクリーン・ヘネシー):双子のコールガール

あらすじ

1954年のカナダ、トロント。一卵性双生児のエリオットとビバリーは少年の頃から常に行動を共にし、人体に対して探究心の強い兄弟だった。13年後のマサチューセッツ州ケンブリッジ、医学生になった二人は婦人科の特殊な器具を開発していた。在校中に彼らが作った器具の功績が讃えられ純金のマントル開口器が送られた。それから21年後の1988年、二人はトロントに婦人科のクリニックを開業していた。その頃には内向的で学者肌のビバリーと外交的で営業向きのエリオットと性格が変わってきていた。ある日彼らのクリニックに女優のクレアが受診した。子供が産めるかどうか知りたかったのだが、ビバリーの診断は、かなり珍しい子宮の形態で3つの戸口に別れ小部屋が3つあるという。翌朝ビバリーはクレアの部屋に行くが、彼女が突然抱きついてきた。エリオットと間違えているらしかったが、特に自分たちが双子だということは話さない。診断の結果、子供を産むことは不可能だという言葉に落ち込むクレア。彼女に誘われるビバリーだったがそのまま帰ってきてしまう。エリオットがクレアから何度も電話があった君が行かないなら自分が行くという言葉に女性経験がなかったビバリーだったが、結局自分がクレアに会いに行った。手術器具で彼女をベッドに縛り付け激しく愛し合う。クレアはビバリーに自分のことは誰にも言わないで欲しいと懇願する。帰宅後エリオットはビバリーにどうだったと尋ねる。今まで何でも情報を共有してきた二人だったが、ビバリーは秘密にしておきたいと話さない。クレアは不眠症の薬でアンフェタミンを常用していた。彼女の為に薬を処方してやるエリオット。双子は交代で彼女に会っていたが、エリオットはそろそろ切ろうと話を始めるがビバリーにはできない。ビバリーがクレアと会っていると、彼女に時にはすごく素敵に見えるが、たまにすごく平凡な相手に見える時があると言い当てられる。ある日友人からマントル兄弟の話を聞かされ、クレアは初めて彼らが双子だと聞かされる。ショックを受けたクレアはビバリーにそのことを問い詰め、兄に会わせて欲しいと頼まれる。

どんな映画?

カナダのデヴィッド・クローネンバーグ監督が同じくカナダの脚本家ノーマン・スナイダーと脚本を共同執筆し、アメリカのニューヨークで実際に起こった双子の産婦人科医が同じ部屋で死亡していた事件に着想を得て映画化したものです。

カナダ トロント
エリオットとビバリーの双子は 少年時代から変態でー
ではなく異様に探究心の強い聡明なお子さんでした。
長じて二人は共に医学の道を志し
今までそっくりだった双子に次第に
エリオットはメガネをやめて社交的に
ビバリーはメガネの内気な研究者タイプと
変化が訪れていました。

21年後の1988年
2人はカナダのトロントに産婦人科のクリニックを開業。
そのクリニックで女優のクレアが内診を受け、
担当したビバリーは彼女の特殊な子宮をすぐにエリオットに話します
するとエリオットは患者が有名女優のクレアと知り
彼女には黙ってビバリーと交代し触診
エリオットはそのままクレアとマネージャーと食事をし
クレアの子宮は部屋が3つに分かれた特殊なものだと告げます。

今度はビバリーがクレアのアパートに行き
彼女に妊娠できないことを告げます。
ショックを受けるクレアでしたが
次第に彼女に惹かれ始めたビバリー
彼女と関係を持ちます。

女も共有しようというエリオットに
ビバリーは初めて秘密にしておきたいと話します。
クレアの登場によって双子の絆は次第に崩れ始め…

赤づくめの手術シーンは何かの禍々しい儀式のよう

この映画は1975年にニューヨークで産婦人科のクリニックを開業していた、双子のスチュワートとシリルのマーカス兄弟がアパートの部屋で二人とも変死していた事件に基づいています。この事件は、日本でも出版されたリンダ・ウルフによるルポ本「理解できな悲惨な事件」の中で紹介されています。

この映画が怖いのが、自分で開発したという婦人科用の器具です。
と言ってもそれ何に使うの?
と疑問を持つようなもが、ずらりと並べられ…これがまあ怖いの何の!!

一心同体で育った双子でしたが、成長するにつれエリオットは社交的で女にモテる、ビバリーは内向的でオクテとそれぞれ特性が出てきます。 それでも強力な絆を持つ二人。 女も共有しよう! ビバリーはチェリーだったにも関わらずクレアといきなり変態医療器具を使ったプレイ。 さすがジェレミー・アイアンズです。 知的で端正な男前なのに何かキモいという魅力で、こういった役をやらせたら右に出るものがいないと思われます!(個人的に) クレアに本気になってしまったビバリーはエリオットと離れなければいけないと言う気持ちと分離に対する恐怖心の狭間で次第に薬物依存に陥るのですが…

ジェレミー・アイアンズの出世作となった本作。若い頃のジェレミー・アイアンズはやはり木もかっこいいです!

スタッフ・キャスト

鬼才デヴィッド・クローネンバーグジェレn監督が、イギリス人俳優ジェレミー・アイアンズを初めて起用した作品になります。この「戦慄の絆」は、アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭でグランプリ、ロサンゼルス映画批評家協会賞最優秀監督賞を受賞しております。その後1993年に「エム・バタフライ」で再びジェレミー・アイアンズを起用し、この映画でジョン・ローンと共演させています。

双子を一人二役で演じたジェレミー・アイアンズ。結構ハリウッド映画にも出演されるのでイギリス人俳優という感じがしませんが、生粋のイギリス人。1981年にカレル・ライス監督の「フランス軍中尉の女」に出演して注目され、されにこの「戦慄の絆」(1988年)に出演し、演技力が高く評価され、ユーヨーク映画批評家協会賞 主演男優賞とシカゴ映画批評家協会賞主演男優賞を受賞しています。また1990年のバーベット・シュローダー監督の「運命の逆転」で演じたクラウス・フォン・ビューロー役を演じアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。 この映画のように女好きのプレイボーイ役や、女慣れしていないオドオドした研究者タイプの役を見事に演じ切っています。1997年のエイドリアン・ライン監督の「ロリータ」ではロリコンの大学教授を、1998年のランダル・ウォレス監督の「仮面の男」ではちょっと女にだらしないアラミス役など全くキャラクターが違う役もぴったりハマる実力派の俳優さんです。

女優役の女優さんは、監督と同郷のカナダ出身のジュヌヴィエーヴ・ビジョルド。フランスで映画出演し、1966年のフィリップ・ド・ブロカ監督 の「まぼろしの市街戦」に出演、1967年にルイ・マル監督の「パリの大泥棒」に出演し、ジャン=ポール・ベルモンドと共演しています。ベルモンドとは1975年にフィリップ・ド・ブロカ監督の犯罪コメディ映画「ベルモンドの怪盗二十面相」で再び共演しています。1969年にチャールズ・ジャロット監督によるイギリス映画「1000日のアン」で、ヘンリー8世の王妃アン・ブーリンを演じました。映画自体も素晴らしかったのですが、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルドの演技が高く評価されアカデミー賞主演女優賞にノミネートされています。1974年にはオールキャストのパニック映画「大地震」に出演、続いてブライアン・デ・パルマ監督のサスペンス映画「愛のメモリー」(1976年)で母娘二役を演じています。1978年のマイケル・クライトン監督のケミカル・サスペンス映画「コーマ」では女医役を演じ、「名探偵ホームズ/黒馬車の影」(1979年)、クリント・イーストウッド主演のサスペンス映画「タイトロープ」(1984年)などに出演。少年のような勝気そうな美貌で、知的な役の多い女優さんです。

クレアの友人を演じたシャーリー・ダグラスもカナダの女優さん。ドナルド・サザーランドと結婚していたことと、キーファー・サザーランドのお母さんとしても有名です。昨年お亡くなりになられています。 また、コールガール役のジル・ヘネシーとジャクリーン・ヘネシーは実際に双子でこの映画がデビュー作となります。

まとめ

双子医師が女優に出会って地獄行き

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