サークルに変な時期に入ってくる女子は
結構な確率でクラッシャーです。
[原題]Damage
(仏)Fatale
[製作年]1992bイギリス・フランス
[日本公開]1993
[監督・製作]ルイ・マル
[脚本]デヴィッド・ヘア
[原作]ジョゼフィン・ハート
「Damage」
[撮影]ピーター・ビジウ
[音楽]ズビグニエフ・プレイスネル
[上映時間]111
主な登場人物
スティーブン・フレミング(ジェレミー・アイアンズ):
元医師で次官。有力者の父を持つ妻と優秀な息子、娘に恵まれ、何不自由ない人生を送っていた。
アンナ・バートン(ジュリエット・ビノシュ):
スティーブンの息子マーティンの恋人。何故か父親であるスティーブンに近づいてくる。
その他の登場人物
イングリット・フレミング(ミランダ・リチャードソン):スティーブンの妻
マーティン・フレミング(ルパート・グレイヴス):スティーブンの長男、記者
ピーター・ウェッツラー(ピーター・ストーメア):アンナの幼馴染
エリザベス(レスリー・キャロル): アンナの母
刑事(デヴィッド・シューリス)
エドワード・ロイド(イアン・バネン):イングリットの父。大物政治家
ドナルド・リンゼイ(ジュリアン・フェロウズ):スティーヴンの同僚。友人
あらすじ
元医師で現在は次官として活躍するスティーブンは大物政治家を父親に持つ妻イングリット、息子のマーティン、娘のサリーと順風満帆な家庭を築いていた。そんな中息子のマーティンに新しい恋人ができ、今度家に連れてくるとイングリットから聞かされる。またすぐに別れるだろうと特に気に留めていなかったが、フランス大使館のパーティーで一人の若い女性に声をかけられる。彼女はアンナ・バートンと名乗りマーティンの恋人だと言う。ショートカットで黒髪、意味ありげにじっと見つめてくる彼女にスティーブンは目が離せなくなっていた。後日マーティンの恋人として自宅に訪れたアンナだったが、愛想もあまりなくあまり話さない彼女はイングリットやサリーにいい印象を与えなかった。ある日突然アンナは公衆電話からスティーブンを自宅に呼び出し、何も言葉も交わさないまま関係を持ってしまう。マーティンがスティーブンの元を訪れ新聞社の政治部の副編集長に昇格したと告げた。マーティンの昇進を祝う会にスティーブンの家族とイングリットの父親エドワード、そしてその中にアンナも呼ばれた。会食の場で、イングリットは尋問のようにアンナの出自を尋ねた。父親は外交官で幼少期は海外を転々とし、フランス人の母親は4度目の結婚をしている。兄がいたが16歳の時に自殺していると淡々と述べた。やはりあの女は信用できないと感じるイングリット。スティーブンはそのままアンナの部屋に行き激しく求めた。ベッドの上でアンナは自分に恋をしたせいで兄は死んだのだと、苦しんでいるとスティーブンに語る。会議のためベルギーのブリュッセルに立つ朝スティーブンは、イングリットからマーティンがアンナとパリのホテルで会う約束をしていると聞かされる。会議に参加したスティーブンは会議が中断された12時間の間に列車でパリに向かい、マーティンと寝ているアンナを電話で教会に呼び出す。
どんな映画?
1958年に「死刑台のエレベーター」でデビューしたルイ・マル監督が1992年にジョゼフィン・ハートの小説をジェレミー・アイアンズ、ジュリエット・ビノシュ主演で映画化した作品です。公開当時から激しい性描写が話題で、R15指定となっております。
イギリス 医師から政治家に転身した
スティーブン・フレミング
まさに 絵に描いたような成功者。
権力者の親を持つ妻とエリートの息子、娘と
公私ともに順風満帆。
ある日パーティーで
若い女性に声をかけられます。
アンナと名乗る彼女は
息子マーティンの恋人だといいます。
その日から彼女から目が離せなくなって
しまったスティーブン。
後日マーティンの恋人として現れた
アンナでしたが
妻や娘はあまりいい顔をしません。
そして何を思ったのか突然アンナは
スティーブンの事務所に電話し
自宅に誘います。
何でやねん?
ノコノコ出向くスティーブン
そして言葉も交わさず即合体!!
アンナにのめり込むスティーブン
アンナは普通にマーティンとも交際を続けるのですが…
ホテルのベッドで一人咽び泣く
ジェレミー・アイアンズ
キモすぎて素敵です!
当時44歳のジェレミー・アイアンズと28歳のジュリエット・ビノシュが繰り広げる肉体合戦が、なかなかハードな映画でした。 生真面目でエリート街道まっしぐらにを生きていた彼は人生はコントロールできると思っていました。しかし、アンナという女性に出会い夢中になりどんどん道を外れていってしまいます。 泣けるほど! くどいようですが、こういうきもいおっさん役をやらせたら右に出る者はいないだろうと思われる(個人的に)名優ジェレミー・アイアンズがハマりすぎて素晴らしいです。
英語タイトルはダメージですが、フランス語タイトル「Fatale」ファタールは、運命を意味しています。フィルムノワール のファム・ファタール(運命の女)は誰もが振り返るような美女をイメージしますが、この映画に登場するアンナは、黒髪ショートカット、地味な服装に物静かと、全く普通の女性。にも関わらす、自分から男を誘っておきながら突き放すという目的がはっきりしない不気味さがあり、その点ではジュリエット・ビノシュの持つ、何考えてるかわからない不思議な魅力にはまっていたかもしれません。
物語の本質は、主人公スティーブンのラストの一言に集約されているように思います。
破滅は普通の顔してやって来る。
30年ほど前の作品となりますが、全く古臭さを感じさせない映像美に感嘆します。アッパー階級のファッションやインテリアは必見です。
スタッフ・キャスト
主演のアンナを演じたのはフランスの女優ジュリエット・ビノシュ。もうすっかりベテラン女優という風格になってきましたが、少女のような面差しと透明感で非常に魅力的な女優さんです。ヨーロッパ女優らしく裸体を惜しげもなく晒しているのも特徴的です。1986年に当時交際していたレオス・カラックス監督の「汚れた血」に出演。1988年にはフィリップ・カウフマン監督の代表作の一つ「存在の耐えられない軽さ」でアメリカ映画に初出演。1991年に3年も費やされたレオス・カラックス監督の「ポンヌフの恋人」が公開されヒット。1992年に出演したアンソニー・ミンゲラ監督のアメリカ映画「イングリッシュ・ペイシェント」で脇役ながら存在感を発揮。この映画でアカデミー賞助演女優賞を受賞しています。その後もミヒャエル・ハネケ監督の「隠された記憶」(2005年)、アッバス・カロスタミ監督の「トスカーナの贋作」(2010年)、デヴィッド・クローネンバーグ監督の「コズモポリス」(2012年)など各国の巨匠と呼ばれる監督の作品に登場しています。個人的にジュリエット・ビノシュの映画でおすすめなのは、ジャン=ポール・ラプノー監督の「プロヴァンスの恋」(1997年)です。この映画の伯爵夫人役のジュリエット・ビノシュは綺麗でしたねー。
この映画で可哀想なサレ妻演じ、その演技で英国アカデミー賞助演女優賞を受賞したのがイギリス人女優ミランダ・リチャードソン。1985年にマイク・ニューウェル監督の「ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー」の主演に抜擢。この映画で実在の死刑囚ルース・エリスと演じました。その後もスティーブン・スピルバーグが監督した「太陽の帝国」(1987年)、再びマイク・ニューウェル監督の「魅せられて四月」(1992年)でゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞しています。また「ハリー・ポッター」ではライターのリータ・スキーターを演じており広く知られています。
その他、イングリットの父親役にスコットランドの名優イアン・バネン。
スティーブンの息子マーティインには、ジェイムズ・アイヴォリー監督の文芸映画「眺めのいい部屋」(1986年)や伝説のお耽美ーゲイ術映画「モーリス」(1987年)などの出演で知られるルパート・グレイヴス。
マリアの男友達にはジョエル・コーエン監督の「ファーゴ」(1996年)で冷酷な殺人鬼を演じたスウェーデン出身の俳優ピーター・ストーメアなど豪華出演陣です。
まとめ
魔性系女子に出会って地獄行き
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