セシルのように「悲しみよこんにちは」

ドラマ

ヘップバーンカットも、セシルカットも、聖子ちゃんカットも全く縁がありません。

[原題]Bonjour Tristesse
[製作年]1957[製作国]アメリカ・イギリス
[日本公開]1958
[監督・製作]オットー・プレミンジャー
[原作]フランソワーズ・サガン
[脚本]アーサー・ローレンツ
[音楽]ジョルジュ・オーリック
[タイトルデザイン]ソウル・バス
[上映時間]97

主な登場人物

セシル(ジーン・セバーグ):
父親が女遊びに勤しむ中、遊びまくる17歳。

アンヌ(デボラ・カー):
セシルの母親の友人。美しく気位が高い。父のレイモンと恋人関係になる。

レイモン(デヴィット・ニーヴン):
男やもめ。女には不自由しない生活としている。

その他の登場人物

エルザ(ミレーヌ・ドモンジョ): レイモンの愛人
フィリップ(ジェフリー・ホーン):大学生
ジュリエット・グレコ:本人がバーで歌う

あらすじ

コート・ダジュールの別荘で過ごした17才の夏、セシルは母を亡くし再婚せず気ままに遊びまわっている父レイモンとその愛人エルザで気楽なバカンスを過ごしてた。セシルはそこで知り合った大学生のフィリップと仲良くなる。楽しく過ごしていたが、別荘に死んだ母の友人のアンヌが訪れる。彼女は美しく知的な女性だった。しかし彼女が彼らの生活に深く入り込み父親との再婚を匂わせるようになると、アンヌは母親的な態度をとり始める。勉強のことを言われたり、彼氏との付き合いを咎められたりとセシルにとって次第に疎ましい存在になってきた。人形に針を刺しながら悪態をつくセシル。父親をとられるかもしれない、今までの気楽な生活がなくなってしまうのではないかという恐怖感から、セシルはある計画を思いつく。

どんな映画?

この映画は冒頭モノクロで始まります。
現在が白黒で回想シーンがカラーになります。
映画の内容に沿った表現です。

ボーイフレンドと遊び、着飾ってパーティ。
ジュリエット・グレコが歌うレストラン
恋人と踊りながらセシル。
しかし彼女は、以前のように心から笑えなくなっていたのです。

コート・ダジュールの別荘で過ごす17歳の夏。
父親は男やもめのまま恋人をコロコロ変えるプレイボーイ。
セシルもまた気ままに若さを楽しみ青春を謳歌中。
父の若い恋人とも友達のようにうまくやっています。

しかし、そんな仲の良い父親との間に現れたのは亡き母の友人アンヌでした。

彼女は美人で大人、知的で浮ついたところのない完璧な女性でした。
セシルは最初彼女を歓迎しますが、
アンヌが父レイモンと再婚すると聞き…

メイクをクリームで落としながら
泣き濡れるセシル。

若い女は年増に厳しい…

スタッフ・キャスト

ジーン・セバーグが監督のオットー・プレミンジャーに見出されたのは、彼女が17歳の時。1957年「聖女ジャンヌ・ダーク」でデビューしましたが、豪華出演陣にもかかわらずコケてしまいました。それでも同年この「悲しみよこんにちは」で再びジーン・セバーグを起用します。が、やはりアメリカでは微妙なかんじ。ところがウケたんですよ!本国フランスで!!フランス人作家フランソワーズ・サガンが「悲しみよこんにちは」を上梓したのは、彼女が18歳の時。1954年のこと。この小説はすぐに世界的ベストセラーになり、映画化されたのは1957年。当時はジーン・セバーグもサガンも等身大の若い女の子でした。ベリーショートにカットされたジーン・セバーグの髪型は「セシル・カット」と呼ばれ流行したそうです。ソウル・バスのキッチュなオープニングにスタイリッシュなファッション、セバーグの若さと年増のデボラ・カー、ミレーヌ・ドモンジョのあほっぽさ、デヴィット・ニーヴンのやに下がった感じと、雰囲気にぴったりでした。この映画を絶賛したジャン=リュック・ゴダールが長編処女作の「勝手にしやがれ」で主演にジーン・セバーグを起用したのでした。

それにしてもアンヌ役のイギリス人女優デボラ・カーの扱いが気になります。アラフォーとは言え、何だかひどすぎる!
美人だけど独身アラフォーで何だか妄想が見えるという役を演じた1961年の「回転」。1964年の「イグアナの夜」でも何かかわいそうな役。美人なだけに悲壮感が増します。

まあこの映画はそーゆーお話なのですが、サガンは元美人の年増に何か恨みでもあったんでしょうか?サガンが20代前半の頃、「ブラームスはお好き」で40歳の悩めるアラフォーを描いておりますがやはり扱いがひどい。こちらは1961年にイングリッド・バーグマン主演で「さよならをもう一度」として映画化されています。アラフォーにはきつい映画です。

父の愛人エルザを演じたフランス人女優ミレーヌ・ドモンジョはかわいらしい風貌とお色気で数々の映画に出演し日本でも人気があったそう。「ヤッターマン」のドロンジョ様はこの方が語源だとか。1963年のフランス映画「アイドルを探せ」では本人役で映画スターとして登場していました。

まとめ

罪悪感で地獄行き

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