ママズ・ボーイズ「血まみれギャングママ」

犯罪

うちのママも大概せっかちですが
「40秒で支度しな」
とは言わないですネー

[原題]Bloody Mama
[製作年]1970[製作国]アメリカ
[日本公開]劇場未公開・TV放映
[監督・製作]ロジャー・コーマン
[脚本]ドン・ピーターズ/ロバート・トム
[撮影]ジョン・A・アロンゾ
[音楽]ドン・ランディ
[上映時間]90

主な登場人物

ケイト・バーカー(シェリー・ウィンタース):
通称“マー”。四人の息子の母親。バーカー一家の長として大恐慌時代のギャングとして犯罪行為を繰り返す。

その他の登場人物

サム・ペンドルベリー(パット・ヒングル):裕福なビジネスマン、一味に誘拐される
ハーマン・バーカー(ドン・ストラウド):ケイトの長男
ロイド・バーカー(ロバート・デ・ニーロ):ケイトの次男麻薬中毒
モナ・ギブソン(ダイアン・ヴァーシ):ハーマンと懇意の娼婦。一味に加わる
ケヴィン・ダークマン(ブルース・ダーン):ガンマン、ナイフ投げの名手。一味に加わる
レンブラント(パメラ・ダンラップ):若い娘。ロイドに誘拐され一味に殺害されてしまう
フレッド・バーカー(ロバート・ウォルデン):ケイトの四男。愛称フレディ。
ジョージ・バーカー(アレックス・ニコル):ケイトの夫
アーサー・バーカー(クリント・キンブロー):ケイトの三男

あらすじ

幼いケイトは兄たちから性的虐待を受けることを当然としていた家庭で育ち、将来自分の言うことを何でも聞いて、自分自身も愛情を惜しみなく注げる息子が欲しいと強く願っていた。四人の息子を持つ母親となったケイトは息子たちを溺愛し、素行が悪く窃盗や暴行を働く息子を庇った。保安官に目をつけられるようになりケイトは夫のジョージを置いて、息子たちと共に家を出ることにした。大恐慌の時代、息子たちは窃盗や殺人にまで手を染めるようになったが、ケイトは息子たちを庇い続けた。そんな中、ハーマンとフレディが窃盗で捕まり投獄されてしまう。四男のフレディは同じ牢獄で知り合ったケヴィンと親しくなる。ケイトは二人を刑務所から釈放させるために大金を用意して悪徳弁護士を雇うことにする。ケイトと息子二人で銀行強盗をすることにし、ケイトがマシンガンを持ち、客を威嚇し金を奪った。守備よく大金をせしめ、無事に一家はケイトと四人の息子、フレディの友人のケヴィン、ハーマンの愛人として娼婦のモナが加わり、一行はメンフィスを目指した。ケイトが下見に出掛けている間兄弟たちは湖のそばで過ごしていた。薬物中毒の次男ロイドが一人離れて湖に足を浸していると、若い娘が泳いでくる。水着の彼女はレンブラントと名乗りすっかり麻薬で出来上がっていたロイドは彼女を拉致し、ベッドに縛り付けていた。呆れたケイトは次の犯罪のためには彼女は足手纏いだと始末することをハーマンに提案する。あまり気の進まないハーマンに、結局最後はケイトが手を下し彼女をバスタブに沈め遺体を湖に捨てた。ケイトは綿の仲買人で資産家のペンドルベリーに目をつけ、彼を誘拐を計画していた。

どんな映画?

大恐慌時代のアメリカで名を馳せたギャング一家バーガー家の史実を元に、低予算映画の帝王ロジャー・コーマンがエンタメ的に映画化。一家のボスママをシェリー・ウィンタースが演じ、若き日のロバート・デニーロが息子の一人として出演している映画としても知られています。

劣悪な環境で育った敬虔なクリスチャンの
ケイトは神様にお祈りします。

息子が欲しい!!
そんでもって
マザコンに育てる!!!

念願叶って四人の息子を持ったケイト
ですが素行が悪く家にいられなくなった
一家は息子の父親であるジョージを残し
五人で旅立ちます。

行く先々で窃盗や暴行、殺人まで働く
四人の息子たち。
そんな中軽い窃盗で
長男のハーマンと末っ子のフレディが
捕まってしまいます。

二人を助けるよ!

とママがマシンガン片手に
銀行強盗♪

大金をせしめ二人をシャバへ
バーカー一家は家族に
フレディが獄中で知り合ったケヴィンと
ハーマンといい仲になった売春婦モナが
加わり中々の大所帯に

ケイトは次に金持ちのおっさんの
誘拐を計画するのですが…

「40秒で金出しな!」
とは言っていませんが、マシンガン持って銀行強盗するママン
実在のケイト・バーカーも実際マシンガンをぶっ放していないようですが。

この映画は、1930年代のアメリカで強盗や誘拐を繰り返したバーカー一家の史実を元にしています。バーカー一家は母親のケイト・バーカー、通称マーと四人の息子たちで、実際のマーは映画のようにマシンガンをぶっ放し、自ら子供たちを率いて誘拐を企てるような女性ではなかったようです。ですが、女ギャングとマザコン息子たちのキャラクターは、大衆の人気を経てさまざまに脚色され物語化されています。 「血まみれギャングママ」では、近親相姦、同性愛、薬物中毒などのスキャンダラス性を全面に出しながら、異常な中での家族愛や心情が描かれ、犯罪者ながらもラストは何だか泣けてくるという素晴らしい出来です。

ケイトを演じたシェリー・ウィンタースのモンペ・ママぶりは適役で、この映画に出演する前に、テレビシリーズの「バットマン」でゲスト敵キャラの「マ・パーカー」を演じています。

ロジャー・コーマン監督もこのネタがお好きなようで、1974年にはママをアンジー・ディキンソンに演じさせ、息子たちを娘たちに変更させお色気路線を強めた「ビッグ・バッド・ママ」をプロデュースしています。

スタッフ・キャスト

次男の薬物中毒ロイドを演じたのは、今や最高のベテラン俳優の一人であるロバート・デ・ニーロ。数本の映画に端役で出演したのち、1968年にブライアン・デ・パルマ監督の「青春のマンハッタン」にメインキャストの一人として出演。「血まみれギャングママ」に出演したのち、1973年にその後多くの映画でダッグを組むマーティン・スコセッシ監督の映画「ミーン・ストリート」に出演し演技が高く評価され、翌年にはフランシス・フォード・コッポラ監督の普及の名作「ゴッドファーザーPARTⅡ」(1974年)にヴィトー・コルレオーネの若い頃を演じ、アカデミー賞助演男優賞を獲得しています。そして、1976年に主演したマーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」で、イカれた若いタクシードライバーを演じアカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。同年に、ベルナルド・ベルトルッチ監督の超長編映画で知られる「1900年」や、エリア・カザン監督の最後の監督作品である「ラスト・タイクーン」に出演しています。その後、スコセッシ監督の「ニューヨーク・ニューヨーク」(1977年)、マイケル・チミノ監督のベトナム戦争映画「ディア・ハンター」(1978年)に出演したのち、1980年に主演したマーティン・スコセッシ監督のボクシング映画「レイジング・ブル」にてアカデミー賞主演男優賞を獲得しました。「キング・オブ・コメディ」(1983年)、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(1984年)、「恋におちて」(1984年)、「未来世紀ブラジル」(1985年)、「ミッション」(1986年)、「エンゼル・ハート」(1987年)、「アンタッチャブル」(1987年)、「ミッドナイト・ラン」(1988年)、「俺たちは天使じゃない」(1989年)、「グッドフェローズ」(1990年)、「レナードの朝」(1990年)、「ケープ・フィアー」(1991年)など現在までにも数々の名作に出演されている映画界の重鎮です。

ハーマンと恋人関係になる娼婦モナを演じたのはアメリカ合衆国の女優ダイアン・ヴァーシ。この映画ではヌードを披露されていらっしゃいます。1957年のマーク・ロブソン監督が「ペイトン・プレイス」を映画化した「青春物語」でスクリーンデビュー。翌年ゲイリー・クーパー主演の映画「秘めたる情事」(1958年)、リチャード・フライシャー監督の「強迫/ロープ殺人事件」(1959年)、ブルース・ケスラー監督の犯罪映画「真昼の逃亡者」(1968年)などに出演。「血まみれギャングママ」に出演した翌年の1971年にダルトン・トランボの代表作の一つ「ジョニーは戦場へ行った」で、ジョニーに意識があると気づく看護師を演じて知られています。

その他
フレディが獄中で友人になるケヴィンを演じたのが永く活躍されているベテラン俳優ブルース・ダーン。女優ローラ・ダーンのお父さんとしても知られています。
誘拐されるビジネスマン役のパット・ヒングルは、ティム・バートン監督の「バットマン」(1989年)で、ゴードン市警本部長役で知られています。
長男ハーマンを演じたドン・ストラウドは1979年のカルト・ホラー映画「悪魔の棲む家」で、ボーレン神父を演じた方です。

まとめ

ママは最強で地獄行き

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