夢で逢えたら「飾窓の女」

フィルムノワール


突然、美人に誘われたら
美人局だと思た方がいいですよ♪

[原題]The Woman in the Window
[製作年]1944[製作国]アメリカ
[日本公開]1953
[監督]フリッツ・ラング
[製作・脚本]ナナリー・ジョンソン
[音楽]ヒューゴ・フリ-ドホーファー他
[上映時間]103

主な登場人物

リチャード・ウォーリー教授
(エドワード・G・ロビンソン):
ゴーサム大学の教授。犯罪心理学の権威。ある日飾窓に飾ってるある絵の女に一目惚れし…

アリス・リード(ジョーン・ベネット):社交クラブの前で知り合った女。

その他の登場人物


ハイト(ダン・デュリエ):脅迫者
フランク・レーナー(レイモンド・マッセイ):地方検事
子役(ロバート・ブレイク):教授の子供

あらすじ

大学で教鞭をとるウォーリー教授は、犯罪心理学の権威だった。ある日旅行に行く妻と子供たちを見送った後、街を歩き飾り窓に飾ってある女の絵に見とれた。それを友人のフランクとマイケルに見られちゃかされながら、三人で社交クラブに入った。軽く飲みながら独身に戻ったのだからハメをはずせというが、もう若くないし命取りだと返答する。二人と別れ、本を読んだ後社交クラブを出て、また飾り窓の女の絵をじっとみていた。するとガラス越しに肖像画に映る女の姿に教授ははっとする。振り返ってみると絵にそっくりな女がそのまま教授の前に立っていたのだ。彼女はその絵のモデルで、たまに絵を見る人を見にくるのだという。彼女は教授を飲みに誘い、自分の部屋にも肖像画があるから見に来ないかという話をする。もう夜遅いからと教授はためらったが行くことにする。独身の女のアパートの部屋にしては豪奢で、彼女の絵を見ながら酒が進んだ。しばらくすると男が入ってきて、教授に襲いかかったきた。首を絞められた教授は彼女からハサミを受け取り、男の背中を何度も刺した。男はぐったりと崩れ落ち死んでしまった。

どんな映画?

犯罪心理学の教授ウォーリーは、旅行に行く妻子を見送ります。
子役で出ている男の子がロバート・ブレイクで1967年の「冷血」で主演の殺人者や、1997年のデヴィッド・リンチ監督の「ロスト・ハイウェイ」で謎の男を演じているキャリアの長い俳優さんです。

社交クラブに向かう途中、教授は飾窓にあった女の絵に見とれてしまいます。

そこに友人のフランクとマイケルに遭遇し、冷やかされます。
束の間の独身、楽しめよと言う二人に、堅物な教授は命取りだと取り合いません。
二人と別れて、読書後少し居眠りをしてしまい、起こされてクラブを出る教授。

やはり飾窓の絵に見とれていると、
ガラスに絵とおんなじ顔をした女の顔が映ります!?

はっとして振り返ると絵の中の女が立っているではありませんか??


なぬーと教授が驚いていると、それもそのはず彼女は絵のモデルだと話します。

たまに自分の絵に見とれているアホ達を見に来るとは言いませんが、とにかく見に来るそうです。
そしてこともあろうか彼女は教授と飲みに誘い、さらに部屋まで!?

教授は思わず着いて行ってしまいます。

命取りになるんじゃなかったの???
そして、教授は事件に巻き込まれるのでした…

キャスト・スタッフ

フリッツ・ラング監督によって「恐怖省」と同じ年の1944年に製作されました。
当時の倫理規定により、原作のラストが改変され今に至ります。当時は不評だったそうですが、ある意味卑怯なオチにかえってラストの印象を強めたように思います。

教授の友人二人が社交クラブでラナ・ターナーと浮気できりゃーなと話し、検事のフランクはリタ・ヘイワースでも探しに行くかと言って出て行くシーンがあります。
1944年のこの頃、ラナ・ターナーとリタ・ヘイワースはともにセクシーな雰囲気で人気を博していました。
ただ代表作になる、ラナ・ターナーの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」、リタ・ヘイワースの「ギルダ」は1946年の公開ですので、この後二人がノワール界ファムファタールになると予想していたのでしょうか?

そして、この映画で一躍ファムファタールとして新境地に至ったのがジョーン・ベネットでした。それまでジョーン・ベネットはかわいい女の子の役が多く、1933年の「若草物語」では末っ子エイミーでした。それが、教授を窮地に追いやる女の役がはまり、この映画はフィルム・ノワールの古典的名作になりました。
翌年には同じフリッツ・ラング監督が、主演の二人と、ダン・デュリエを登場させた映画「緋色の街/スカーレット・ストリート」でさらに強烈な悪女役を演じました。

教授役のエドワード・G・ロビンソンは性格俳優として、多くの映画に出演しました。中でも1931年の「犯罪王リコ」のギャング役が強い印象を残し、知名度をあげました。「飾窓の女」と同年の1944年には「深夜の告白」に、保険調査員の役で出演しています。晩年まで活躍を続け、1973年のリチャード・フライシャーの映画「ソイレント・グリーン」が遺作となりました。

美女からの誘いは、なんかあると思った方が無難かも。


まとめ

美女に出会って地獄行き

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