伝説の男「ユージュアル・サスペクツ」

サスペンス

噂の多い人って案外 
その発信元は自分だったりします。

[原題]The Usual Suspects
[製作年]1995[製作国]アメリカ
[日本公開]1996
[監督・製作]ブライアン・シンガー
[脚本]クリストファー・マッカリー
[製作]マイケル・マクドネル
[撮影]ニュートン・トーマス・サイジェル
[音楽・編集]ジョン・オットマン
[上映時間]106

主な登場人物

ディーン・キートン(ガブリエル・バーン):
元警官、汚職で警官を辞めた。ヴァーバルが言うには恋人の弁護士イーディの為にも更生しようと考えていた。

ヴァーバル・キント(ケヴィン・スペイシー):
足と左手が不自由な詐欺師。カリフォルニア州サンペドロの港で船が炎上し、多くの遺体が上がった事件の生き残りの1人。

その他の登場人物

トッド・ホックニー(ケヴィン・ポラック):自動車修理工
マイケル・マクマナス(スティーヴン・ボールドウィン): 強盗
フレッド・フェンスター(ベニチオ・デル・トロ):チンピラ
イーディ・フィネラン(スージー・エイミス):女性弁護士。キートンの恋人
コバヤシ(ピート・ポスルスウェイト):カイザー・セゾの代理人を名乗る弁護士
デビッド・クイヤン(チャズ・パルミンテル):NY関税局の特別捜査官、長年キートンを捜査していた。
ジャック・ベア(ジャンカルロ・エスポジート):FBI捜査官
ジェフ・ラビン巡査部長(ダン・ヘダヤ)

あらすじ

昨夜のカルフォルニア州、サンペドロ。マッチでタバコに火を着けたキートンは、カイザーに話しかける。カイザーは覚悟はできているかと尋ね、キートンは時間を尋ねた。12時30分だと答え、銃声が響いた。カイザーは導火線に火をつけタバコを落とした。船は瞬く間に炎に包まれた。6週間前のNY、大量の銃を積んだトラックのハイジャック容疑により、マクナマス、トッド、フラッド、キートン、ヴァーバルの5人が逮捕された。彼らは容疑者の常連だった。(ユージュアル・サスペクツ)5人並ばされ同じセリフを言うよう指示。それぞれ悪同士知り合いだったが、一人あまり知らない男ヴァーバルが混じっていた。ヴァーバルは足が悪いらしく声も小さいうだつの上がらなそうな男に見えた。そんな中キートンだけは、ヴァーバルと刑務所で2、3度会ったことがあった。5人は身に覚えのない銃の窃盗容疑の警察のでっち上げに憤慨している中、マクナマスがいい儲け話があると持ちかけた。そして現在のカルフォルニア州サンペドロの港で、15人の焼け焦げた遺体が上がった。捜査にあたったのはFBIのジャック・ベアが生存者を尋ねると2人いて、1人は昏睡状態で病院に運ばれ、もう1人は身体障害者だと言う。この事件でサンペドロ警察署にやって来たNY関税局のクイヤン捜査官は、真実を知っているであろう男が弁護士によりあと2時間で保釈されると聞きどうしても会わせて欲しいと頼みむ。桟橋で9100万ドルの薬物のために27人もの人間が殺され、犠牲者の中にキートンも入っていた。もう1人生き残った男アーコシュ・コバッシュはハンガリー人で酷い火傷により危ない状態だったが、さらに身の危険があった。英語が話せない男だったが、「カイザー・セゾ!」と仕切りに叫んでいたのだ。長年キートンを追っていたクイヤン捜査官は、キートンの死に納得がいかずヴァーバルから事情を聞くことに成功した。

どんな映画?

アメリカ合衆国出身の脚本家、映画プロデューサーであるクリストファー・マッカリーの脚本を、ブライアン・シンガー監督が映画化。監督の初期のヒット作で、どんでん返しの結末がよく知られているサスペンス映画です。

カリフォルニア州サンペドロの港
大型貨物船が炎上し
多数の遺体が上がる事件が勃発
この事件でキートンと言う
元汚職刑事の遺体が上がります。

遡ること6週間前のNY
マクナマス、トッド、フラッド、
キートン、ヴァーバルの5人が
逮捕されます。
彼らは犯罪の常連で
お互い顔見知りの仲で
同じ拘置所に入れられます。
そこでマクナマスが
いい儲け話があると
持ちかけます。

現在、
キートンを検挙するために
2年間も追っていた
ニューヨークの関税局の
特別捜査官クイヤンは
キートンがあっさり死んだことに
釈然としない様子。

その事件には2人の生存者がいて
1人は大火傷の瀕死の状態
もう1人は常習犯の1人
ヴァーバルという
手足の不自由な男でした。
あと2時間で保釈されてしまう
ヴァーバルから事情を
聞くクイヤン捜査官

一方大火傷で瀕死の重傷を
負った男は仕切りに
ある男の名前を叫びます。

「カイザー・セゾ!!」

って誰?

常習犯(ユージュアル・サスペクツ)の5人。

トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル」シリーズの監督兼製作としても知られている脚本家のクリストファー・マッカリーが脚本を担当。この映画でクリストファー・マッカリーはアカデミー脚本賞を獲得しています。

実質的に主演のケヴィン・スペイシーは、この演技でアカデミー賞助演男優賞を獲得しています。 ケヴィン・スペイシーはこの映画の同年に出演したデヴィッド・フィンチャー監督の「セブン」(1995年)で、後半に出演する謎の犯人ジョン・ドゥ役が非常に不気味で注目を集めました。見た目も少し剥げかかっていて普通の人という印象で、特徴のないところが特徴のようなお方。優しそうで気が弱そうに見える反面、眼光が鋭く怖い役もハマります。 ケヴィン・スペイシーはその後1999年に出演したサム・メンデス監督の「アメリカン・ビューティー」で、アカデミー賞主演男優賞を獲得しました。それからいろいろあり、活動できない期間が続いておりますが、ある意味90年代を代表する俳優さんの一人でした。

今では、叙述トリックの一種である「信頼できない語り手」映画の代表作の一作とされていて、意外な結末に定評がありますが、偏にケヴィン・スペイシーの怪演の賜物だと思われます。

スタッフ・キャスト

監督はアメリカ合衆国出身の映画監督ブライアン・シンガー。1993年に「パブリック・アクセス」で、長編映画デビュー。1995年に監督・製作を担当した「ユージュアル・サスペクツ」で、商業的に成功を収め一躍有名に監督に。1998年にスティーブン・キングの原作を映画化した「ゴールデン・ボーイ」では、監督・製作を担当。この映画では2008年に25歳で亡くなった子役出身のブラッド・レンフロが高校生役で主演し、その演技が高く評価されています。2000年からは「X-メン」シリーズの監督・脚本・製作を、「スーパーマン リターンズ」(2006年)の監督・原案・製作を担当しています。また、2008年にトム・クルーズ主演の戦争映画「ワルキューレ」の監督・製作を担当し、この映画は全世界で2億ドルの興行収入を上げています。近年では、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの半生を元に映画化された「ボヘミアン・ラプソディ」(2018年)の監督を担当し、途中降板しデクスター・フレッチャーが代行しておりますがブライアン・シンガーが監督としてクレジットされています。この映画は全世界で9億ドルの興行収入を叩き出しています。

元汚職警官を演じたのはアイルランド出身の俳優ガブリエル・バーン。1981年にジョン・ブアマン監督の「エクスカリバー」に出演後、マイケル・マン監督のホラー映画「ザ・キープ」(1983年)に出演。1986年にケン・ラッセル監督が「フランケンシュタイン」や「吸血鬼」を生み出した「ディオダティ荘の怪奇談義」を元に映画化された「ゴシック」で、詩人バイロン役で主演しています。1987年に出演した「シエスタ」で共演したエレン・バーキンと翌年に結婚しています。1990年にコーエン兄弟製作のマフィア映画「ミラーズ・クロッシング」に主演し、興行的には成功とは言えないものの映画自体は、ギャング映画として高く評価されています。1993年には、「ニキータ」(1990年)のハリウッドリメイク版「アサシン」に出演した同年、ジム・シェリダン監督のイギリス・アイルランド合作映画「父の祈りを」(1993年)で、製作総指揮として参加しております。その後もスティーヴ・マーティン脚本・主演の「パパとマチルダ」(1994年)、ジリアン・アームストロング監督版の「若草物語」(1994年)ではベア先生役を、ジム・ジャームッシュ監督、ジョニー・デップ主演の「デッドマン」(1995年)、ヴィム・ヴェンダース監督のサスペンス映画「エンド・オブ・バイオレンス」(1997年)、ランデル・ウォレス監督、レオナルド・ディカプリオ出演の「仮面の男」(1998年)ではダルタニアン役を、トニー・スコット監督のサスペンス映画「エネミー・オブ・アメリカ」(1998年)などに出演。近年では、アリ・アスター監督の長編デビュー作のスマッシュヒットホラー映画「ヘレディタリー/継承」(2018年)で、主演のトニ・コレットの夫役を演じています。

キートンの恋人で弁護士役のイーディを演じたのはアメリカ合衆国の元女優のスージー・エイミス。ローレン・バコールの息子で俳優のサム・ロバーズと離婚後、出演した「タイタニック」(1997年)の監督ジェームズ・キャメロンと結婚し、現在は女優業は引退されています。

まとめ

カイザー・セゾで地獄行き

コメント

タイトルとURLをコピーしました