金髪の男ってあんまり好きじゃないんですよねー
まあ どうでもいいですネ。
[原題]The Lodger
[製作年]1926[製作国]イギリス
[日本公開]劇場未公開・ビデオ発売
[監督・脚本]アルフレッド・ヒッチコック
[助監督]アルマ・レヴィル
[製作]マイケル・バルコン/カーライル・ブラックウェル
[原作]マリー・べロック=ローンズ
[脚本]エリオット・スタナード
[編集]アイヴァー・モンタギュー
[撮影]バロン・ヴェンティミリア
[上映時間]80
主な登場人物
下宿人(アイヴァー・ノヴェロ):
部屋を借りにきた背の高い若い男。ちょっと怪しげ。
デイジー・バウンディング(ジューン・トリップ):
下宿屋の娘。ブロンド美人でモデルをしている。刑事ジョーに言い寄られている。
その他の登場人物
バウンティング夫人(マリー・オールト):下宿の女将
ジョー・ベッツ(マルコム・キーン):刑事。デイジーに気がある。
バウンティング氏(アーサー・チェスニー):下宿の主人
あらすじ
ロンドンの街で金髪の巻髪の女性が殺害される事件が起こった。残されたメモには「Avenger(復讐者)」と書かれていた。とうとう7人目の金髪の犠牲者の遺体が発見され、警察が聞き込みをした結果、容疑者は背が高くマフラーで顔の半分を隠しているという。このことは新聞で大体的に報じられ街の人々を一層不安にさせた。モデルうとしているデイジー。仲間の金髪モデルたちはこぞって髪を染めたりカツラをかぶって防犯対策をしていた。刑事のジョーは宿で「復讐者」の記事を読み宿の主人に茶化される。そこに宿屋の娘デイジーが帰宅しジョーはテーブルの上にあったクッキー生地をハート型で抜いてデイジーにアプローチ。すると部屋のランプが消え、両親が部屋から出ていくとすぐにデイジー抱きつきキス。真っ暗になると扉を叩く人があり女将さんがドアを開けると、そこには連続殺人鬼の風貌そのままに、背が高くマフラーで顔を隠した男が立っていた。驚いた女将さんだが、男は帽子を取りマフラーを外して顔を出し空き部屋の看板を見て来たという。女将さんはすぐに部屋を見せると、男は部屋を怪しく眺めながらこの部屋を気に入ったようで、その男は一ヶ月分の家賃をポンと払った。その後、男は壁に掛けられていた絵が気に入らなかったようで女将を呼んで外して欲しいと頼んでくる。女将さんは娘のデイジーを読んで絵を外すのを手伝わせたが、男は入ってきた彼女を一目見て目が釘付けになった。絵を持って階段を降りたデイジーはジョーといちゃいちゃ。ジョーは外された絵を見て金髪が嫌いなのかなと言う。翌朝朝食を運んだデイジーに見入る下宿人。デイジーもちょっと不振がるが数日後、デイジーは下宿人の部屋でチェスを楽しむ。ジョーはデイジーの両親に自分が「復讐者」事件の担当になったと勇んで報告に来た。下宿人はデイジーの髪に手を伸ばしきれいな金髪だと言うと、女将さんデイジーを呼びに来た。ジョーはこの手錠で犯人を捕まえたらデイジーと結婚すると主人の前で宣言。主人はパーティーがあるとめかしこんで出掛けていく。ジョーはいたずらでデイジーに手錠をかける。デイジーの悲鳴を聞きつけて部屋から出てきた下宿人は階上からジョーを睨みつけた。ジョーはあの下宿人は何か怪しいと勘ぐるが女将さんはちょっと変わっているけどいい人だと取り合わない。その夜下宿の女将さんが物音がし外を見てみるとマフラーをまいた下宿人が出て行くの目撃する。そしてまた8人目の犠牲者が出てしまった。
どんな映画?
この映画は、サスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、1927年にイギリスで発表した長編サイレント映画です。ロンドンで発生した伝説の未解決事件「切り裂きジャック」を題材に、ヒッチコック監督初のスリラー映画としても知られています。
絹を裂くような女性の悲鳴!!
今夜もロンドンのブロンド美女を
恐怖に陥れている「復讐者」
による犠牲者が発生します。
殺された女性のそばには
「復讐者」と書かれて紙っぺらが
目撃者によると
マフラーで顔を隠した背の高い男だと
新聞はこぞってこの殺人事件を
書き立てます。
モデルをしているデイジーも
まさにブロンド美人。
仲間たちはかつらをしたりと
自衛に勤しんでいます。
デイジーが両親と住み家に帰宅すると
デイジー目当ての刑事ジョーが
ジョーの好意にデイジーもまんざらではないよう
親の目を盗んで二人でイチャイチャ
そこに誰か訪れます。
女将さんがドアを開けると
背が高くマフラーで顔を隠した男が!!
なんか怪しい…
あっ でもイケメン
霧の中に現れるマフラーで顔を隠した男
原作者のマリー・べロック=ローンズはイギリスで活躍した女流作家で、1913年に発表された小説「下宿人」は「切り裂きジャック」を題材に彼女の小説として最も知られています。同じ原作を元に1944年にジョン・ブラーム監督がマール・オベロン主演で「謎の下宿人」として映画化しています。
この映画は、アルフレッド・ヒッチコック監督の長編三作目の作品となっており、初めてのサスペンス・スリラー映画となりました。「切り裂きジャック」をモデルにした作品で、原作では実際に犯人の線が濃厚だった下宿人を、当時の人気エンターテイナーのアイヴァー・ノヴェロが演じることもあり犯人はまずいだろうという忖度もあり、結果的には最初の犯人に「間違われる男」をテーマとした作品となりました。この後に続く、「三十九夜」(1935年)、「第3逃亡者」(1937年)、「逃走迷路」(1942年)、「私は告白する」(1953年)、「間違えられた男」(1956年)、「北北西に進路を取れ」(1959年)などのヒッチコック監督の作品に多く見られる、犯人に間違われる男とその奮闘を描き、事件の結果にはあまり焦点を当てられないという作風が初出しています。
ほんでもって金髪美女への並々ならぬ執着心も。
また、のちに「ヒッチコック・シャドウ」と呼ばれる視覚的効果を、充分取り入れられていることでも知られています。 この映画は、1927年に公開され商業的に成功を収めた。
ちなみに、製作に参加しているマイケル・バルコンの娘が女優のジル・バルコンで、夫の詩人セシル・デイ=ルイスとの息子が俳優のダニエル・デイ=ルイスになります。
スタッフ・キャスト
助監督と、ノンクレジットですがちょこっと出演もしているのがアルマ・レヴィル。映画の助監督兼脚本家兼編集技師であり、アルフレッド・ヒッチコック監督の妻であることでも知られています。1926年にアルフレッド・ヒッチコックと結婚。その後、ヒッチコックと共同で脚本を担当したのが、1927年の「リング」でした。そこから、「殺人!」(1930年)、「リッチ・アンド・ストレンジ」(1931年)、「第十七番」(1932年)、「間諜最後の日」(1936年)、「サボタージュ」(1936年)、「第3逃亡者」(1937年)、「岩窟の野獣」(1939年)、「断崖」(1939年)、「疑惑の影」(1943年)、「パラダイン夫人の恋」(1947年)、「舞台恐怖症」(1950年)、「私は告白する」(1953年)のヒッチコック監督の主要な映画の脚本に携わりました。結婚生活は続きヒッチコック監督が亡くなられるまで添い遂げました。ヒッチコック監督を描いた映画、「ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女」(2012年)では、イメルダ・スタウントンが、アンソニー・ホプキンスがヒッチコックを演じた「ヒッチコック」(2012年)では、ヘレン・ミレンがアルマ・レヴィルが演じています。
主演の下宿人を演じたのは、イギリスの作曲家兼歌手兼俳優のアイヴァー・ノヴェロ。20世紀の初頭に活躍し、恵まれたルックスと歌声で人気を博しました。舞台だけでなく映画俳優としても活躍し、1927年にイギリス時代のアルフレッド・ヒッチコック監督作品、「下宿人」、「ダウンヒル」の二本に主演しています。ゲイであったことでも知られ、2001年のロバート・アルトマン監督の映画「ゴスフォード・パーク」では、アイヴィー・ノヴェロをジェレミー・ノーサムが演じ、その連れとの関係が示唆されています。
ヒッチ先生登場シーン
・通信社のデスクで電話をかける後ろ姿。
・ラスト、鉄柵の傍にいるハンチング姿、犯人逮捕に驚く。
まとめ
被害者なのに間違えられて地獄行き
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