高校生の頃に職業体験で
探偵事務所に行ったことがあります。
[原題]The Conversation
[製作年]1974[製作国]アメリカ
[日本公開]1974
[監督・脚本・製作]フランシス・フォード・コッポラ
[撮影]ビル・バトラー
[編集]ウォルター・マーチ/リチャード・チュウ
[音楽]デヴィッド・シャイア
[上映時間]113
主な登場人物
ハリー・コール(ジーン・ハックマン):
盗聴し録音を渡す仕事をしている。42歳になったばかりの独身一人暮らし、彼女あり。職業柄秘密主義者で、趣味はサックス。
マーティン・ステット(ハリソン・フォード):
ハリーの依頼人である専務の秘書。ハリーを尾行するなど怪しい行動をとる。
その他の登場人物
スタン(ジョン・カザール):カールと一緒に仕事している技師
ウィリアム・P・モラン(アレン・ガーフィールド):盗聴器の業者
アン(シンディ・ウィリアムズ):ハリーが盗聴を依頼された女
マーク(フレデリック・フォレスト)
ポール(マイケル・ヒギンズ):盗聴グループの一人
エイミー・フレデリックス(テリー・ガー):ハリーの彼女
専務(ロバート・デュヴァル):カールの依頼人
あらすじ
盗聴のプロ、ハリーは大企業の専務の依頼である若い男女を街中で盗聴していた。サンフランシスコの中心地ユニオンスクエアの雑踏の中で、会話を続ける二人だったが、途中で盗聴されているのを気づいたような会話を始めたため、録音を止める。一人暮らしの部屋に戻ったハリーは、玄関に下の階の管理人のおばさんから誕生日プレゼントが置かれていることに気づきすぐに電話をする。仕事柄秘密保持を重視しているハリーは、勝手に合鍵で部屋に入られることに神経質になっていた。孤独なハリーだったが、部屋でジャズを流し思いっきりサックスを吹いて過ごす。仕事場で男女二人の録音を確認していたハリーは、公衆電話から資料が揃ったと依頼人の「専務」に連絡した。その後交際しているエイミーの部屋に行きくつろぐが、彼女が詳しい個人情報を聞こうとすると不機嫌になり帰ってしまう。依頼人の「専務」のいる企業に録音のテープを持って行くが、秘書のステットが案内し、「専務」は海外出張だとテープを渡せと言う。しかし納得いかないハリーはテープを渡し渋るがステットから、これは危険なテープだ深入りはよせと忠告される。テープを持ったままのハリーは、エレベーターホールで盗聴していた男を見かけ、エレベーターの中では女を見かけた。再びその男女の録音テープを聞き直したハリー。「ジャック・ター・ホテル」で3時に773号室だと男が話ているのがわかった。一方でハリーは色々聞いてくる技師のスタンに、自分達の仕事は盗聴と録音だけで好奇心は禁物だと強い口調で言い放った。そのままテープの聞き返しを続け、ハリーはとうとう男が女に「我々を殺すつもりだ」と言っているのがわかった。自分の盗聴のせいで若い男女が不幸になるかもしれないとハリーは教会で一人懺悔をした。
どんな映画?
「ゴッドファーザー」(1972年)で成功したフランシス・フォード・コッポラ監督が、盗聴のプロ集団を題材に映画化。「フレンチ・コネクション」(1871年)の出演でブレイクしていたおっさん俳優ジーン・ハックマンが主演している他、まだブレイク前のハリソン・フォードが出演していることでも知られています。
サンフランシスコの
ユニオンスクエアで
二人の若い男女の周りを
ウロウロする男たち
盗聴のプロ
ハリーは チームを組んで大企業の
重役の依頼で二人を
角度を変えて絶賛盗聴中
何となく察している二人。
家に帰ったハリー
実は今日誕生日でしたが
個人情報の漏洩を極端に
避ける為彼女のエイミーとも
うまく行かなくなります。
録音したテープを渡す為
依頼人の企業に向かったハリー
依頼人の秘書ステットが
ハリーを迎え
依頼人は出張中なので
そのテープよこせと言ってきます。
納得いかないハリーは
テープを渡さず会社を
出ようとしますが
そこにいたのは盗聴した
二人の男女
同じ会社か…
何かあると感じたハリーは
テープをつなぎ合わせて
二人が何を話しているのか
聞き取りを試みます。
するとー
「ジャック・ター・ホテル 3時に773号室で」
「我々を殺すつもりだ」
やばい!二人が殺される!?
その日からハリーは
良心の呵責に悩まされるの ですが…
このテープは何かあるとテープを聞き返すハリー。
この映画は、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「欲望」(1967年)をモチーフに、盗聴のプロ活動と殺人事件を絡めたサスペンス映画となっております。
「欲望」の主人公よりイケメンでないジーン・ハックマンが、仕事によって得た情報で相手が殺されるかもと良心の呵責に苦しむ孤独なおっさんを好演されています。
「欲望」よりもわかりやすいサスペンスな展開と、主人公が本質的には善良で信仰心のある人物にすることによる心理的葛藤もドラマとしても秀逸です。 公開当時、批評家からは絶賛されてのですが興行的には失敗。ですが近年はサスペンスの傑作とされています。
ちなみに1971年のシドニー・ルメット監督の「ショーン・コネリー/盗聴作戦」は、ショーン・コネリーが盗聴される側です。
やっぱり禿げてるロバート・デュバルが依頼人の「専務」としてカメオ出演されています。 また、若い頃のハリソン・フォードが何とも言えない怪しい目つきのイケメンでファン必見の映画でもあります。 お二人とも「地獄の黙示録」(1979年)に登場されており、ある意味コッポラファミリーでしたネ。
スタッフ・キャスト
監督・脚本・製作はアメリカ合衆国の監督兼脚本家兼プロデューサーのフランシス・フォード・コッポラ監督。ロジャー・コーマンの低予算映画に参加し、1963年にサイコスリラーの「ディメンシャ13」を監督・脚本、その後シドニー・ポラック監督の「雨のニューオリンズ」(1965年)、ルネ・クレマン監督の「パリは燃えているか」(1966年)の脚本。コメディ映画の「大人になれば…」(1967年)を監督・脚本、ファンタジーミュージカルの「フィニアンの虹」(1968年)を監督、シャーリー・ナイト主演のロードムービー「雨のなかの女」(1968年)を監督・脚本、フランクリン・J・シャフナー監督の戦争映画「パットン大戦車軍団」(1970年)の脚本をし、ジョージ・ルーカスが監督し、製作総指揮に加わったSF映画「THXー1138」(1971年)が興行的に大失敗。ですが1972年に監督・脚本したイタリア系マフィア映画の金字塔「ゴッドファーザー」を発表。その後もジョージ・ルーカス監督の青春映画「アメリカン・グラフィティ」(1973年)、ジャック・クレイトン監督の「華麗なるギャツビー」(1974年)での脚本を担当し、「カンバセーション…盗聴…」の同年に「ゴッドファーザーPARTⅡ」(1974年)でさらなる成功を得ます。監督・製作・脚本・音楽を担当した「地獄の黙示録」(1979年)が地獄行脚となり、黒澤明監督の「影武者」の製作総指揮、恋愛映画の「ワン・フロム・ザ・ハート」(1982年)が失敗し大打撃、ヴィム・ベンダース監督の「ハメット」(1982年)の製作総指揮、ブラッド・パック映画の「アウトサイダー」(1983年)を監督・製作、ダイアン・レインも出演していた「ランブルフィッシュ」(1983年)の監督・製作総指揮・脚本、リチャード・ギア主演の犯罪映画「コットンクラブ」(1984年)の監督・原案・脚本、甥っ子のニコラス・ケイジも出演している「ペギー・スーの結婚」(1986年)を監督、ジェームズ・カーン主演のベトナム戦争ドラマ「友よ、風に抱かれて」(1987年)の監督・製作、実話を元にした車映画「タッカー」(1988年)の監督した後、満を辞して発表した「ゴッドファーザーPARTⅢ」(1990年)の監督・製作・脚本を担当しますが思った程の評価を得られず。その後も、ウィノナ・ライダーのストーカー映画の「ドラキュラ」(1992年)の監督・製作、マット・デイモン主演のリーガル映画「レインメーカー」(1997年)の監督・脚本、「テトロ 過去を殺した男」(2009年)の監督・製作・脚本、「Virginia/ヴァージニア」(2011年)の監督・製作・脚本。多数の映画の製作を担当し、アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、脚色賞を獲得していますが、破産も数回されています。「ロッキー」(1976年)のエイドリアン役で知られている女優のタリア・シャイアは妹さん、娘さんのソフィア・コッポラは現在映画監督として活躍中、映画界にコッポラファミリーを形成されています。
主人公の盗聴のプロハリーを演じたのは、イングランド系アメリカ人のジーン・ハックマン。1964年にロバート・ロッセン監督の「リリス」で映画デビュー。アーサー・ペン監督のアメリカン・ニューシネマの代表作「俺たちに明日はない」(1967年)で、主人公クライドの兄役で出演。1970年に出演した「父の肖像」でアカデミー賞助演男優賞にノミネート。1971年に出演した、今月お亡くなりになられたウィリアム・フィリードキン監督の「フレンチ・コネクション」で、強引刑事通称ポパイを演じ、アカデミー賞主演男優賞を獲得。「ポセイドン・アドベンチャー」(1972年)で最後に美味しい所を持っていく牧師役、アメリカの刑務所は怖いな映画「スケアクロウ」(1973年)、ギャグ映画「ヤング・フランケンシュタイン」(1974年)などに出演。1975年には、「フレンチ・コネクション2」、「ナイトムーブス」、ニューシネマ系の西部劇「弾丸を噛め」、「ラッキー・レディ」などに出演。1977年に「ドミノ・ターゲット」、「遠すぎた橋」、1978年の「スーパーマン」で、レックス・ルーサーを演じています。1981年には「スーパーマンⅡ冒険編」、「レッズ」、「錆びた黄金」、「キングの報酬」(1986年)、「追いつめられて」(1987年)、「ミシシッピー・バーニング」(1988年)、「カナディアン・エクスプレス」(1990年)、「訴訟」(1991年)、「トワイライト 葬られた過去」(1998年)、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(2001年)、「ニューオーリンズ・トライアル」(2003年)と多くのサスペンス、アクション、SF映画に出演されていましたが、現在ご高齢の為お見かけすることはないのですが、存在感のある忘れられないお方です。
まとめ
秘密を知って地獄行き
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