間違えられた男「北北西に進路を取れ」

サスペンス

いい年して結婚してない男はマザコン気味なんでしょうか?

[原題]North by Northwest
[製作年]1959[製作国]アメリカ
[日本公開]1959
[監督・製作]アルフレッド・ヒッチコック
[脚本]アーネスト・レーマン
[音楽]バーナード・ハーマン
[タイトルデザイン]ソウル・バス
[上映時間]136

主な登場人物

ロジャー・ソーンヒル(ケーリー・グラント):
広告会社経営。独身でややマザコン気味。ホテルで人違いされ、危ない目にあうのだが…

イヴ・ケンドール(エヴァ・マリー・セイント):
ロジャーと列車で知り合う美女。実は…

フィリップ・ヴァンダム(ジェームズ・メイソン):
タウンゼントと名乗る男。ソーンヒルをスパイと信じ込む。

その他の登場人物

クララ・ソーンヒル(ジェシー・ロイス・ランディス): ロジャーの母
レナード(マーティン・ランドー): ヴァンダムの秘書
教授(レオ・G・キャロル)
タウンゼント夫人(ジョセフィン・ハッチンソン): 偽物
レスター・タウンゼント(フィリップ・オバー):殺される
ヴァレリアン(アダム・ウィリアムズ): ヴァンダムの手下
リクト(ロバート・エレンシュタイン): ヴァンダムの手下

あらすじ

広告会社を経営するロジャーはホテルで友人と会っている際、母親に電話をかけようとした時ホテルの係がちょうどジョージ・カプランを探していた際、呼び止めてしまい二人組の男にカプランだと間違えられ車に乗せられ連れ出される。タウンゼントの邸宅に到着し、協力するかどうかを聞かれわけもわからないままノーと答えると無理やり酒を飲まされ車に乗せられそのまま崖下へ落とそうとされるが、何とか持ち直しそのままパトカーに衝突する。飲酒運転の罪で拘置所に入れられるが、母親に電話をする。その後裁判で無理やり酒を飲まされたと主張し、タウンゼントの屋敷に行くが先に出迎えた女が嘘をつきロジャーは始めから酔っぱらっていたと主張した。ロジャーは母親と一緒にホテルに戻り、カプランの部屋に彼になりすまして入る。おいてあった写真を見ると国連で講演するというタウンゼントが映っていた。電話に出てしまったロジャーは追っ手が来ることを察知しあわてて母と共に部屋を出てエレベーターに乗り込むが、追いつかれてしまう。すると母があなたたち息子を殺しに来たの?と尋ねるとエレベーターの中の人たちと笑い会う。すぐにエレベーターを出て追っ手を捲いてタクシーに乗り込み国連本部のビルに向かう。受付でタウンゼントを呼び出してもらうが、やって来た人物はまったく別人だった。彼に写真を見せると突然倒れこみ背中にはナイフが刺さっていた。ロビーにいた人々に犯人と間違われ、写真も撮られてしまう。逃げ出したロジャーは新聞にも大々的載る殺人犯にされてしまう。

どんな映画?

ヒッチ先生がかつてイギリスで製作した「三十九夜」(1935年)のアメリカ版と言われるこの映画は、お得意の巻き込まれ型サスペンスの決定版となっております。

広告代理店を経営するソーンヒルは
商談の為ホテルのバーに。
母親の事が気になっていたソーンヒルは
店員がジョージ・カプランを探していた絶妙なタイミングで店員を呼び出し
カプランを探していた男たちに本人だと勘違いされてしまいます。

訳もわからずそのまま男たちに
連れて行かれてしまうソーンヒル。
タウンゼントの広大な邸宅に到着。

邸宅の主人と対面したソーンヒルでしたが
彼が何を言っているのかさっぱりわからず人違いだと話しても一向に取り合ってもらえません。
最後に協力するか?という問いに
ノーと答えてしまいます。
その後無理やり酒を飲まされ、ベンツのオープンカーに
運良く?停車中の車に追突し停止。
酔っぱらった状態でそのまま警察に連れて行かれます。

ソーンヒルの証言をもとに再び
タウンゼントの屋敷に母親、警察と向かいますがタウンゼント夫人に馴れ馴れしく嘘の証言されてしまいます。
結局罰金を払って釈放されたソーンヒル
でしたがなぜ殺されかけたのかを突き止めるべく拉致されたホテルへ。

カプランの部屋に入り込むが
本人はおらず電話がかかり、追っ手が
迫っている模様。
ホテルから脱出したソーンヒルはタウンゼントがいるという国連本部へ向かいます。
そこでタウンゼントを呼び出すと
昨日とは全く違う人物が!?

タウンゼントに話を聞いていると
何者かにナイフを投げつけられ絶命する中、思わず背中のナイフと掴んでしまう
ソーンヒル。
ロビーにいる大勢に目撃される中
またもや逃亡。
飛行機では不味いと、「20世紀特急」に乗り込みます。

そこでソーンヒルは謎の美女と出会うのですが…

農薬散布用の双翼プロペラ機に襲われる名シーン。
次から次へと起こる困難に50代半ばのケーリー・グラントが奮闘しております。

基本プロットは「三十九夜」ですが、ラストのラシュモア山での攻防は、「逃走迷路」(1942年)の自由の女神の場面を彷彿とさせます。1950年代にノリにノっていたヒッチコック監督の集大成的作品です。

スタッフ・キャスト

この映画はヒッチコック監督の46作目の作品です。本格的なキネティック・タイポグラフィ(文字を動かしてアニメーションにする)を活用した最初の作品とされています。

脚本のアーネスト・レーマンは1955年にオードリー・ヘプバーンの代表作の一つ「麗しのサブリナ」を脚本。ヒッチコック監督作品では後に「ファミリー・プロット」(1976年)を担当、こちらは評価が微妙な作品ですが個人的には好きな一本です。

主演の大スターケーリー・グラントヒッチ先生お気に入りの俳優さんで、ジョーン・フォンティンと共演した1941年の「断崖」から、イングリッド・バーグマンと共演した「汚名」(1946年)、グレイス・ケリーと共演した「泥棒成金」(1955年)に続いて4本目の主演です。この頃すでに50代半ばですが、アクションシーンやラブシーンなど非常に頑張っております♪

ヒロイン役のエヴァ・マリー・セイントは「波止場」でアカデミー助演女優賞をとっている実力派。現在95歳でなが〜く活躍されています。

イギリスからハリウッドに進出していたイギリスを代表するジェームズ・メイソンヒッチコック監督作品では悪役でしたが、多くのサスペンスやスパイ映画、SF作品に出演されていました。

ヒッチ先生登場シーン

オープニングでバスに乗り遅れる。
女装して列車の中で女性として(?)。警察に取り調べを受ける女性か?→実際は「裏窓」でも彫刻家の役で出演したジェスリン・ファクス。

まとめ

ラシュモア山で地獄行き

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