口の悪い人形「マジック」

サスペンス

腹話術の人形とくるみ割り人形の
見た目がちょっと苦手です。

[原題]Magic
[製作年]1978[製作国]アメリカ
[日本公開]1979
[監督]リチャード・アッテンボロー
[製作]ジョセフ・E・レヴィン他
[原作・脚本]ウィリアム・ゴールドマン
[撮影]ヴィクター・J・ケンパー
[美術]テレンス・マーシュ
[音楽]ジェリー・ゴールドスミス
[上映時間]107

主な登場人物

コーキー(アンソニー・ホプキンス):
マジシャンだが鳴かず飛ばず。ある日人形ファッツと共に腹話術を始め売れっ子になる。

ペギー・アン・スノウ(アン=マーグレット):
コーキーの高校の同級生。

その他の登場人物

ベン・グリーン(バージェス・メレディス): コーキーのマネージャー
デューク(エド・ローター): ペギーの夫
トッドソン(デヴィッド・オグデン・スタイアーズ): NBCのテレビマン

あらすじ

マジシャンのコーキーは「スターダスト」のステージに上がってもうまくできず、彼のカードマジックはぐだぐだで客から嘲笑われる始末。病床にあった師匠のマーリンに愚痴をこぼす日々だった。ところがある日、マジシャンの新人発掘の為コーキーが出演する小さな小屋にやって来たベン。客の入は良く相変わらず客にいじられるコーキー。しかしあまりにうるさい客とコーキーが近寄るとそこにいたのはファッツという副話術の人形だった。凝った演出に客は大喜びだった。ベンとテレビ局のトッドソンはすぐにコーキーの楽屋に行って契約をしようと持ちかける。鏡の前でファッツが「俺たちはスターだ」とコーキーに話しかけたようで、写真のマーリンを見つめた。ニューヨークで成功していたコーキーはベンとレストランで食事をする。契約の話を持ち出し、二年後にはNBCが特集番組を作って大スターの仲間入りだとベンはまくし立てる。そしてその条件として健康診断を受けろと言う。しかしコーキーは健康診断は受けない信条だと答える。契約書も結びたくないという彼に、この話がなくなっても良いのかと言うと構わないと返すコーキー。何度も説得の電話を掛けてくるベンにうんざりしたコーキーは、急遽故郷に帰ることにしたのだが…

どんな映画?

1991年の映画「羊たちの沈黙」で天才変態精神科医ハンニバル・レクターを演じたアンソニー・ホプキンスにまだ髪の毛があった頃の映画です。

主演のアンソニー・ホプキンスが演じるのはマジシャンのコーキー。
髪の毛ぺったりでなんだか陰気な感じのコーキーは「スター・ダスト」の小屋でマジックを披露しても客から嘲笑される日々でした。

そんな彼を心配するのが病の床にあった師匠マーリン。マーリンは「アーサー王伝説」に登場する魔術師と同じ名前です。

そんなある日、コーキーのマネージャーである元マジシャンのベンが
「スター・ダスト」にアメリカの3大ネットワークの一つNBCのテレビマン、デュークを連れてきます。
舞台に登場したコーキーですが相変わらずうだつの上がらないマジックを披露と思いきやー

絶妙なタイミングで腹話術の人形ファッツを登場させ
舞台は大ウケ。
これはいけると契約に乗り出すベンとデュークでしたが、
NBCは契約にコーキーの健康診断書の提出を要求します。
自分は健康だと健診を頑なに拒否するコーキー。
ベンはスターになれるチャンスだとコーキーに何度も迫ります。

うんざりしたコーキーはかつて
自分が住んでいた故郷に戻ります。
実家はもうなく家族もいません。

そこで湖畔の古いコテージを借りて
しばらく滞在することに。
もうすでに廃業したという宿でしたがペギーは金を払うというのでコーキーに貸すことに。

ペギーはコーキーの高校時代の憧れの女性だったのですが…

コーキーと人形のファッツ。
自分を模した人形のファッツの首が
「エクソシスト」よろしく ぐりんと後ろに回るあたりが非常に不気味です。

恐怖の腹話術人形をテーマに
いっこく堂が人形のジョージに乗っとられるといった感じの作品です。
怖いですね~

1945年のイギリスのオムニパス、ホラー映画「夢の中の恐怖」の中の5話目のエピソードでマイケル・レッドグレーヴ主演でおんなじ話があったのですが何か関係あるんでしょうか?

繰り返しになりますがアンソニー・ホプキンスがまだハンニバル・レクターになる前の毛もある時の必見の作品です。

スタッフ・キャスト

脚本はアメリカ脚本界の巨匠ウィリアム・ゴールドマン。担当した脚本はポール・ニューマン主演の探偵もの「動く標的」(1966年)から、同じくポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード主演の傑作「明日に向かって撃て!」(1969年)、アイラ・レヴィン原作のSFサスペンス「ステップフォードの妻たち」(1975年)、ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード主演の社会派サスペンス「大統領の陰謀」(1976年)、ダスティン・ホフマンが学生、ローレンス・オリヴィエが変態歯医者を演じた「マラソンマン」(1976)など名作揃いです。「明日に向かって撃て!」と「大統領の陰謀」ではアカデミー賞脚本賞を受賞しています。20数年後には同じくウィリアム・ゴールドマン脚本、主演アンソニー・ホプキンスでは2001年の「アトランティスのこころ」があります。

監督はイギリスの監督兼俳優で著名なリチャード・アッテンボロー。俳優としてはイギリス、アメリカで多くの作品に登場、1965年のロバート・アルドリッチ監督の「飛べ!フェニックス」では副操縦士役で登場、リチャード・フライシャー監督の実在の殺人事件を題材にした「10番街の殺人」(1971年)では犯人役のジョン・レジナルド・クリスチャンで出演しておりますが、なんと言っても一番印象深いのは1993年のスティーヴン・スピルバーグ監督の大ヒット恐竜映画「ジュラシック・パーク」でジョン・ハモンド役ではないでしょうか。映画では困った爺さん役が適役でした。監督としては寡作ながら「素晴らしき戦争」(1969年)、「遠すぎた橋」(1972年)、「ガンジー」(1982年)、「コーラスライン」(1985年)、「遠い夜明け」(1987年)、「チャーリー」(1992年)などエンターテイメントから戦争、伝記作品などを手がけ、ベン・キングズレーマハトマ・ガンジーを演じた「ガンジー」でアカデミー賞監督賞を受賞しています。アンソニー・ホプキンスはこの映画の他に「遠すぎた橋」、「チャーリー」、「永遠の愛に生きて」(1993年)で起用されています。

コーキーをマネージメントするベン役で出演しているバージェス・メレディスは「ロッキー」シリーズのトレーナー、ミッキー役でおなじみこの映画では葉巻を吸い、ロールス・ロイスを乗り回すちょい悪オヤジ風で素敵です。

まとめ

腹話術の人形で地獄行き

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