やっぱり必殺技の一つや二つは
持っておいた方がいいでしょうネ!
いつ役に立つかわかりませんが。
[原題]La Chair de l’orchide’e
[製作年]1975[製作国]フランス・イタリア・西ドイツ
[日本公開]1987
[監督・脚本]パトリス・シェロー
[脚本]ジャン=クロード・カリエール
[原作]ジェームズ・ハドリー・チェイス
[上映時間]115
主な登場人物
クレール(シャーロット・ランプリング):
監禁されていた令嬢。脱出することに成功し、なぜ監禁されていたのかを探る。
ルイ・ドゥラジュ(ブリュノ・クレメール):
通りがかりの男。道路でクレールを拾う。
その他の登場人物
マダム・ヴァモス(シモーヌ・シニョレ):元サーカスの団員
マダム・ヴェジュネ(エドウィジュ・フィエール):クレールの叔母
駅にいた夫人(アリダ・ヴァリ):涙を流す謎の女
ジューラ・ベレキアン(ハンス・クリスチャン・ブレッヒ): 兄ナイフ投げの殺し屋
あらすじ
初老の男が古びた建物に入りおもむろに服を脱ぎ始める。ベッドには白い寝巻の令嬢がおり、その後男の悲鳴が響いた。一方父の遺産で古びた屋敷に老婆の母と住むルイはスーツ姿の比較的若い男をかくまっていた。ルイは出かける準備をしていたが男は一緒に行くという。二人で車を走らせているとトラックが横転し運転手が死んでいた。車の外に出ると女が現れ怪我をしているが乗せてくれと車に乗り込む。女はクレールと名乗り、三人はホテルに着いた。ベッドに連れていきルイがクレールの手当をしてやると、彼女はルイの手をつかみ口元に持っていった。三人でレストランで食事をとるが、クレールは食事の時間には遅いと言う。ルイが商談のため席を外し、彼女の頭から血が流れる。部屋に戻ったがスーツの男は隣の女の部屋に入りベッドに横たわるクレールに抱きつく。バーで店を始めようと話をしているルイに男の悲鳴が聞こえる。部屋に戻ってみると男は両目をつぶされ血を流していた。医者に行こうと言うルイに男は雇われた殺し屋のベレキアン兄弟に追われているという。とりあえず手当をして再びレストランで食事をしたルイは部屋に戻ろうとすると扉の前に男二人が出てくるのを見かけてしまう。部屋ではスーツの男がナイフを胸に突き刺されたまま死んでいた。
どんな映画?
若い頃のシャーロット・ランプリングが「車に乗せて」と言ってきたら…
乗せますよね?
雨に烟る森の中に
ポツンとある古い建物の中に入っていく初老の男。
そんで持っていきなりフルヌード??!
あっ おじさんのですけど。
そのベッドの中には美しい女。
男が女に手を伸ばし服を脱がそうとした瞬間建物の中からけたたましい悲鳴が!!?
あっ おじさんのですけど。
一方中年男ルイは実家に
警察に追われるスーツ姿の若い男を
かくまっていました。
ルイがしばらく家を開けると言うと
男は一緒についていくと言います。
二人で車を走らせると
目の前に横転したトラックが。
運転していたと思われる男は
社外に放り出されて死んているよう。
しかし 目を潰されている模様。
そこにすーっと現れたのは冒頭の美女。
車に乗せてと言って車に乗る謎の女。
やばいやつじゃねーと言う若い男にルイはそのまま一緒に連れていくことに。
この美女は一体何者なのか?
ルイの運命は?
ヨーロッパ映画らしくちゃんと?フルヌードがあります。
おじさんのではなくシャーロット・ランプリングのです。
この映画の原作はイギリスのハードボイルド作家ジェームズ・ハドリー・チェイスの処女作にして衝撃作の「ミス・ブランディッシュの蘭」の続編にあたる「蘭の肉体」です。
この映画の前述譚である「ミス・ブランディッシュの蘭」が一体どんな小説だったかというと、富豪の令嬢が誘拐され、それをさらに略奪した一味の殺人鬼が令嬢に一目惚れ。ドンぱちと殺し合いを繰り広げ破滅的なラストを迎えます。この令嬢と殺人鬼との間に生まれたのが「蘭の肉体」の主人公キャロル(映画ではクレール)でした。母親の類まれな美貌と、父親の猟奇的な要素を持ち合わせた最強殺人ガールです❤️
「ミス・ブランディッシュの蘭」は1948年にイギリスで「黒い骰子(サイ)」として映画化されており、そのリメイク版が、ロバート・アルドリッチ監督の「傷だらけの挽歌」(1971年)です。
予備知識なく観るとどんな映画なのかよくわからないまま物語が進行し、どうやらこういうことらしいと考えているうちにどんどん人が死んでいくという中々の混沌ぶり。それでもノワール的な雰囲気だけで見せてしまうのはヨーロッパ映画の力量でしょうか。
あまり自分を語らない謎の女を演じたシャーロット・ランプリング。無自覚に築き上げられる死体の山はまさにファムファタール(運命の女)にふさわしいです。
スタッフ・キャスト
この映画が初監督作品であるパトリス・シェロー。フランス出身のシェロー監督は俳優、脚本家、演出家の顔を持つ多才なお方です。1994年のフランスの歴史大作「王妃マルゴ」を監督、脚本を担当されています。イザベル・アジャーニをマルゴ役に超豪華キャストでその投じた制作費とともに当時かなり話題になりました。
主演は当時アラサーのシャーロット・ランプリング。前年の1974年にはSFカルト映画の「未来惑星ザルドス」や、フェミニストから批判を受けた問題作「愛の嵐」などに出演。この映画と同年にはロバート・ミッチャムと共演した「さらば愛しき女よ」など意欲的に活動していました。彼女の退廃的な美しさこの映画にぴったりです。
クレールを助ける中年の男を演じたブリュノ・クレメールは1990年代にテレビシリーズの「メグレ警部」で主人公のジュール・メグレを演じて有名です。2000年製作のフランソワ・オゾン監督の映画「まぼろし」では再びシャーロット・ランプリングと共演し、行方不明になる夫を演じています。
他にインパクト大な脇役として登場する方たちがとても豪華。かつてフランスを代表する女優シモーヌ・シニョレと友情出演的にちょこっとだけ出演するアリダ・ヴァリ、ドイツ人俳優のハンス・クリスチャン・ブレッヒなどです。
まとめ
女に出会って地獄行き
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