特に初対面の人には顔を覚えてもらえません。
[原題]Fargo
[製作年]1996[製作国]アメリカ
[日本公開]1996
[監督]ジョエル・コーエン
[脚本]ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
[製作]イーサン・コーエン
[製作総指揮]ティム・ビーヴァン
[撮影]ロジャー・ディーキンス
[編集]ロデリック・ジェインズ
[音楽]カーター・バーウェル
[上映時間]98
主な登場人物
マージ・ガンダーソン(フランシス・マクドーマンド):
ブレナード警察の妊娠中の女性署長。夫は優しいが稼ぎがない。
カール・ショウォルター(スティーヴ・ブシェミ):
変な顔の誘拐犯。
その他の登場人物
ジェリー(ウィリアム・H・メイシー): 依頼人。自動車のセールスマンで妻に頭が上がらない。
ゲア・グリムスラッド(ピーター・ストーメア): 無口な犯人
ノーム・ガンダーソン(ジョン・キャロル・リンチ): マージの夫
あらすじ
1987年ミネソタ州ミネアポリス。自動車のセールスマン、ジェリーは金に困り、金持ちで会社の社長である義父に金を出させるため娘である妻の誘拐を計画する。変な顔のカールと無口で無愛想なゲアの二人組を雇い、誘拐を依頼する。雪が降る積もっている中、二人組は妻が家の中に一人でいる所に侵入し、妻に袋をかぶせて連れ去った。車の後部座席に妻を乗せアジトまで車を走らせていたが、夜になり警官に呼び止められる。うまくかわそうとしていたが後部座席の妻が唸り出したため、ゲアが躊躇なく警官を撃ち殺した。次いでたまたま後ろから来たカップルの車も追いかけて二人とも射殺してしまった。ジェリーは義父に妻が誘拐されたと告げ、警察に連絡しないよう約束させた。その日の未明、警察署長のマージの家の電話が鳴った。マージは身重の体ながら、殺人の捜査にあたった。捜査をしていくと死んだ警官が書き残した車のナンバープレートからジェリーの店で売られているものだとわかる。義父は身代金の受け渡しは、ジェリーではなく自分が行くと主張する。どんなにジェリーが行くと言っても聞く耳を持たず、100万ドルをカバンに入れ、車で目的地に向かった。すでに三人を殺し、目撃者も多数いることでヤケになっていたはカールは、身代金の受け渡しに知らないおっさんが来たことに腹をたて義父を撃ち殺してしまう。しかし、カールは瀕死の義父に顔を撃たれ血まみれになりながら、100万ドル入ったカバンを奪って逃走する。ジェリーが義父の後を追って車で駆け付けた時には、義父の遺体が転がっているだけだった。ジェリーが義父の遺体を車に乗せ、立ち去ろうとゲートを通過するとゲート番も射殺されていた。一方カールは金を一人締めしようと8万ドルだけ持ち、残りを雪の中に隠してアジトに戻った。
どんな映画?
映画の舞台は雪深いノースダコタ州のファーゴ。と言うわけではなく
タイトルになっていますが冒頭に
誘拐の打ち合わせをするバーがここにあっただけで事件の主な舞台はブレナードです。
仕事のミスで借金がかさみ金が必要になった自動車セールスマンのジェリーは
裕福な義父から金を引き出す為に
実の娘である妻の誘拐を計画します。
そこで紹介されて実行犯に会いに
ファーゴにあるバーに。
そこには1人と聞いていたのにいたのは2人。
無口な男ゲアと変な顔の男カール。
あくまで金を引き出すための誘拐のまねごとであって危害を加えないことを約束。
実行犯の二人はブレナードに向かい
狂言誘拐を実行します。
パニックを起こし勝手に気絶した
ジェリーの妻を車に乗せ連れ去りに
成功しますが、
途中警官に呼び止められゲアが射殺してしまいます。
そこからタガが外れたように芋づる式に殺人が起こっていくのでした。
殺された警官の捜査に出向く身重のマージ。
冒頭にこの映画は実話ですと
出てきますが実話ではありません。
この映画が実話だと信じて日本からファーゴに地面に埋まっている金を探しにやって来た若い女性が凍死していたと言う都市伝説を映画化したのが、2003年に菊池凛子主演で「クミコ、ザ・トレジャーハンター」です。
よく美人過ぎるとかイケメン過ぎると顔を覚えられやすいですが、逆もまた然りで、
ブサイクすぎても人から覚えられやすいものです。そうなるとやっぱり犯罪に向いていないですよ!この映画でも目撃者が仕切りに変な顔の男、変な顔を男と証言されています。
昔ラジオで某国民的俳優さんが若い頃軽犯罪でお巡りさんに捕まった時に「お前みたいな特徴のありすぎる顔は犯罪者になってはいけない」と言う言葉で俳優を目指したと言う話を聞いたことがあります。
ラストのマージのセリフ
「ちょっとのお金のためにこんなことを…」
というセリフが胸に突き刺さります。
スタッフ・キャスト
監督はジョエル・コーエンとイーサン・コーエンの俗(?)に言うコーエン兄弟。(個人的にはウォシャウスキー兄弟に並ぶ映画界の兄弟と思っているのはですが、あっ今は姉妹か。)1984年に処女作「ブラッド・シンプル」を発表、この映画に出演したフランシス・マクドーマンとジョエル・コーエンが結婚しています。その後「赤ちゃん泥棒」(1987年)、「ミラーズ・クロッシング」(1990年)、「バートン・フィンク」(1991年)など話題作を発表し、1996年に「ファーゴ」でジョエル・コーエンがアカデミー賞脚本賞を受賞しました。また現在ではカルト映画化されている「ビッグ・リボウスキ」(1998年)などの作品の後、2007年に「ノーカントリー」を発表。ペネロペ・クルスのだんなハビエル・バルデムが変な髪型の冷徹殺し屋を演じ、彼にスペイン人俳優として初のアカデミー賞助演男優賞をもたらしました。「ノーカントリー」でアカデミー賞に
8部門ノミネートされ、作品賞、監督賞、脚色賞を受賞しました。犯罪映画なのに何故か笑えるところもあるし、一変して殺害シーンがエゲツないほど残虐だったりと最後になんかすごいもの観たと思わせる作品が多いと思います。
当然マクドーマンドはコーエン映画の常連です。また顔に特徴があるスティーヴ・ブシェミも常連です。
主演で警察署長を演じたフランシス・マクドーマンドは、この映画でアカデミー賞主演女優賞を受賞しました。友人であるホリー・ハンターの紹介で知り合ったコーエン兄弟の「ブラッド・シンプル」(1984年)で映画デビュー。そのまま兄のジョエル・コーエンと結婚し、「赤ちゃん泥棒」や「ミラーズ・クロッシング」などに出演。また、1989年に出演した社会派映画「ミシシッピー・バーニング」で暴力を振るわれる南部の妻役でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、2017年にはマーティン・マクドナー監督の「スリー・ビルボード」で娘の殺害について警察を糾弾する広告看板をおったてる母親役で二度目のアカデミー賞主演女優賞を獲得しております。けっして美人女優とは言えないと思いますが、確かな演技力と強い女性の印象が役に重厚さを出す存在です。60代になってもまだまだ活躍中ですね。
まとめ
計画が狂って地獄行き
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