古城ってだけで何か出そうですネ
[原題]DEMENTIA 13
[製作年]1963[製作国]アメリカ
[日本公開]死霊の棲む館(テレビ放映)
[監督・脚本]フランシス・フォード・コッポラ
[製作]ロジャー・コーマン
[撮影]スチュアート・オブライエン
[音楽]ロナルド・スタイン
[上映時間]75
主な登場人物
ルイーズ(ルアナ・アンダース):
ジョンの妻。ジョンが急死したのを隠蔽して、ジョンの故郷であるアイルランドの古城に向かう。ジョンの妹キャスリーンの法事があり、義母の遺産を狙っている。
その他の登場人物
リチャード・ハロラン(ウィリアム・キャンベル):ジョンの兄。彫刻家の長男。
ジャスティン・カレブ(パトリック・マギー):母親の主治医
ビリー・ハロラン(バート・パットン):三男
ケーン(メアリー・ミッチェル):リチャードの婚約者
あらすじ
とある湖、深夜にボートに乗っている夫婦。妻ルイーズは夫のジョンにあの遺言ではダメだと書き直しを必死に訴えた。ルイーズは、ジョンの母親が娘のキャスリーンの名義で全財産を慈善事業に寄付するつもりだと言う。しかしジョンは妻を強欲だと取り合わないばかりか、ルイーズに自分が母親より先に死んだら遺産は一銭も入らないと言う。そういった矢先、ボートの中でジョンが苦しみ出し、元々心臓の弱かったジョンが心臓麻痺で急死してしまう。このままでは夫の残した遺言書により財産がもらえなくなると思った妻は夫を湖の中に沈め、NYに出張中ということにする。ちょうど夫の実家では七年前に池で溺死した、末の妹キャスリーンの法事を行うため三兄弟を呼び寄せていた。二男である夫の代わりにアイルランドの古城に乗り込む妻ルイーズ。また、同じくアメリカ人で長男リチャードの婚約者ケーンが加わり、義母、彫刻家の長男リチャード、三男のビリー、母の主治医が揃った。キャスリーンを溺愛していた母親は、リチャードが結婚することも快く思っていなかった。狡猾なルイーズは財産を狙うため城の状況を探り始める。まずリチャードに近づくが、リチャードはジョンのことも見透かしているような事を言いルイーズを相手にしない。城で20年働いている男にキャスリーンの事を尋ねると、結婚式の日にフラワーガールをすることになっていたキャスリーンは大いにはしゃいでいたが、突然いなくなり、その後池で溺死している所を発見されたという。一方、その池で佇んでいる三男のビリーに、ケーンが声をかける。ビリーはキャスリーンとここでよく遊んでいたとケーンに話す。葬式の日は雨が降り、自分たちは黒い傘をさしキャスリーンの墓に花を投げ母親が気絶する。毎年それを繰り返しているという。法事の日、やはり雨の中傘をさし花を投げると義母が気絶した。陰で見ていたルイーズは飛び出し、自分が世話をすると述べた。財産狙いのルイーズは、義母を看病しながら自分にはキャスリーンが何かして欲しがっている声が聞こえると嘯いた。
どんな映画?
この映画は、フランシス・フォード・コッポラ監督の劇場長編映画のデビュー作と知られる、サイコサスペンス映画となっております。
夜中に何故かボートを漕ぐ夫婦
妻のルイーズは夫のジョンに
義母の遺言を書き換えるように
要求しています。
こんな所で?
といった感じですがルイーズは
お構いなしにジョンを捲し立てますが、
ジョンは相手にしません。
自分が先に死んだら遺産何か
もらえないよーと言った矢先
心臓麻痺でポックリ死んでしまうジョン
ルイーズはジョンの遺体を
湖に沈めた上に
出張中だと義母に伝えて
自分がジョンの代わりに
7年前に死んだジョンの妹のキャスリーンの
法事に行くことに。
遺産目当てでアイルランドの古城に
乗り込んだやる気マンマンのルイーズ
古城には義母とジョンの兄リチャード
弟のビリー
それからリチャードの婚約者ケーンも
到着します。
末娘のキャスリーンを溺愛していた
義母は池で溺れ死んだ娘の法事を
毎年家族だけで行っています。
雨が降り花を手向けると必ず
義母が気絶?
すかさずルイーズが駆け寄り
私が介抱するんでー
ルイーズは義母に
この城の中から
キャスリーンの声が聞こえます!!(大嘘)
えっ?本当?!
間に受ける義母
これは使える(ニヤリ)
キャスリーンの墓の前で毎年の法事を始めるリチャード、義母、ビリー一家
低予算映画の帝王ロジャー・コーマン監督が、アイルランドで撮影していた「ヤングレーサー」(1963年)の製作費が余ったため、この映画で音響を担当していたフランシス・フォード・コッポラに何か一本撮れやの司令により、短時間で製作された記念すべき(?)長編デビュー作となっております。
タイトルの「DEMENTIA」は、認知症とか痴呆を意味しており、アルフレッド・ヒッチコック監督の「サイコ」(1960年)的な映画を意識しているため、かなりバッタモノ的な作品となっており、「サイコ」ほど衝撃的な映像はないのですが、前半の狡猾なヒロイン、ルイーズが斧でメッタ打ちにされて吊るされてるシーンなどはなかなか良いです♪ それにしても、コッポラ監督がこう言ったB級サイコサスペンス系に突き進まなくて本当に良かったなーと思いますネ。この映画だけ観ていると後に「ゴッドファーザー」(1972年)を監督するとは思えません。私はこう言う映画は大好きですが。
この映画は、公開当時ドライブインシアターで、「X線の眼を持つ男」(1963年)と同時上映の後半部分で上映されています。この二本でお腹一杯ですネ。 また、2017年にリチャード・ラメイ監督によってリメイクされています。
スタッフ・キャスト
前半の女主人公ルイーズを演じたのはアメリカ合衆国出身の女優ルアナ・アンダース。カーティス・ハリントン監督、デニス・ホッパー主演のダークファンタジー映画「ナイト・タイド」(1961年)に出演し、同年にロジャー・コーマン監督のポー・シリーズ恐怖映画「恐怖の振子」(1961年)に出演。続けて同監督の「ヤングレーサー」(1963年) 、「白昼の幻想」(1967年)に出演しています。再びカーティス・ハリントン監督、シモーヌ・シニョレ、キャサリン・ロス主演のミステリー映画「悪魔のくちづけ」(1967年)や、デニス・ホッパー監督、ピーター・フォンダ主演のアメリカン・ニューシネマの代表作「イージー・ライダー」(1969年)、ロバート・アルトマン監督の初期監督作「雨にぬれた舗道」(1969年)、 ハル・アシュビー監督、ジャック・ニコルソン主演の「さらば冬のかもめ」(1973年) 、同監督、ウォーレン・ベイティ主演の「シャンプー」(1975年)、フランシス・フォード・コッポラ監督の大コケロードムービー「ワン・フロム・ザ・ハート」(1982年)、ドリュー・バリモア主演のお色気ホラー「ドッペルゲンガー/憎悪の化身」(1992年)など、ほぼ脇役で出演されています。
後半事件を探る母親の主治医役は北アイルランド出身の俳優パトリック・マギー。1962年にイギリス映画「武器の報酬」に出演。ロジャー・コーマン監督の「ヤングレーサー」(1963年)に出演後、同監督の「赤死病の仮面」(1964年)に出演。イギリス映画でブライアン・フォーブス監督、リチャード・アッテンボロー主演のサスペンス・ホラー映画「雨の午後の降霊祭」(1964年)に警部役で出演。H・P・ラヴクラフト原作、ボリス・カーロフ出演のホラー映画「襲い狂う呪い」(1965年)、同年ピーター・カッシング主演のホラー映画「がい骨」(1965年)などに出演しています。1967年にピーター・ブルック監督の「マルキ・ド・サドの演出の元にシャラントル精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺」に主演のマルキ・ド・サド役で出演し知られる存在となります。その後もイギリス映画中心に出演しスタンリー・キューブリック監督の問題作「時計じかけのオレンジ」(1971年)に主人公たちに襲撃される被害者の作家役で出演、同監督の「バリー・リンドン」(1975年)にも出演されています。
まとめ
遺産狙いで地獄行き
コメント