教授はスパイ「外套と短剣」

サスペンス

歌って踊れる ではなくて
戦って撃てる 大学教授。

[原題]Cloak And Danger
[製作年]1946[製作国]アメリカ
[日本公開]1953
[監督]フリッツ・ラング
[製作]ミルトン・スパーリング
[脚本]アルバート・マルツ/リング・ラードナー・Jr
[撮影]ソル・ポリト
[音楽]マックス・スタイナー
[上映時間]106

主な登場人物

アルバ・ジェスパー教授(ゲーリー・クーパー):
やたら強い原子物理学者。独身であることとドイツ語が堪能なことから旧友から依頼されスパイ活動を行うことに。

ジーナ(リリー・パルマー):
パルチザンの女闘士。イタリアに来たジェスパー教授を匿うことに。

その他の登場人物

ピンキー(ロバート・アルダ):パルチザンの一員
ポルダ博士(イタリア人科学者):ウラジーミル・ソコロフ

あらすじ

第二次世界大戦終結前夜、チェコやスペインからドイツにウラン鉱石やトリウム鉱石が大量に運ばれていると情報が入った。OSSのウォルシュ大佐はミッドウェスタン大学に友人の科学者ジェスパー博士を訪ねる。OSSの活動は極秘に行われ、「外套と短剣」とも呼ばれるという。大佐はマンハッタン計画に参加し原子物理学の研究をし、独身でドイツ語も堪能なジェスパーにスパイとして白羽の矢をたてた。ドイツの原爆開発を阻止するため、ナチにより拉致され原爆研究をさせられているハンガリー女科学者ローダー博士が逃亡しスイスの病院に収容されアメリカ人に会いたがっているという。スイスに向かったジェスパーは偽名を使いローダー博士と面会する。博士はナチに、イタリアで同じく拉致されていたイタリア人科学者のポルダ教授と一緒に研究を続けるよう脅迫を受けていた。ジェスパーは博士にナチに協力すると見せかけ開発の遅延と内部情報提供の約束を取り付ける。了承を受けたジェスパーだったが、博士は再びナチに誘拐されてしまう。ジェスパーはナチ協力者のドーソン夫人から博士が山小屋に拉致されていることを聞き出し、救出に向かうが潜入後に博士は射殺されてしまう。気を落とすジェスパーだったがポルダ博士に会うためすぐさま、イタリアに向かう。潜水艦でイタリアに潜入したジェスパーはパルチザンの協力を得て、ベルリンのナウハイム博士になりすまし、ポルダ博士に面会する。博士は娘を人質にとられているためやむなくナチに協力せざるを得ないという。娘はペルジアのアルベルゴホテルに監禁されていることを聞き、ジェスパーは彼女を救出し博士と共に国外逃亡に協力すると約束する。ジェスパーはパルチザンのメンバーたちと作戦を考え、彼はパルチザンのジーナとともにメンバーたちが博士の娘を救出するまでジーナの部屋に隠れているよう支持される。

どんな映画?

この映画は、1946年にフリッツ・ラング監督の戦争スパイ映画で、ゲーリー・クーパーがアメリカ人科学者を演じ、ヒロイン役にリリー・パルマーが出演しています。

第二次世界大戦終結前夜
ヨーロッパ各所からドイツに
ウランが運ばれていると情報が入ります。
これが何を意味するのか?
ちゅーわけで科学者に相談。
「O・S・S」だと言う大佐は
アメリカの大学に旧友の科学者
ジェスパー教授を訪ねます。

ジェスパー教授は政府の機密作戦
「マンハッタ計画」に携わる
原子物理学の研究中
大佐はドイツの原爆開発を阻止すべく
独身で専門職のジェスパー教授に
スパイ活動を依頼
意外とあっさり引き受ける教授

てなわけで教授はアメリカ人科学者に
会いたがっていると言うドイツ人
女性科学者ローダー博士のいる
スイスにゴー
病院で面会したジャスパーは
博士がイタリアのポルタ教授と共に
ドイツに戻り研究するよう
脅迫を受けていると言います。
ジャスパーは博士にわざと研究を
遅らせるよう約束を取り付けます。

ホテルに戻ったジェスパーは
博士が誘拐されたと聞かされます。
ジェスパーはナチの協力者
アン・ドーソン夫人に近づき
彼女からローダー博士の居場所を
聞き出し突入しますが
博士は殺害されてしまいます。

今度はポルタ教授に会うため
イタリアに向かいます。
そこでパルチザンの美しい女闘士
ジーナと出会い…

いててててっ

この映画は、製作のミルトン・スパーリングが所有する映画製作会社ユナイテッド・ステイツ・ピクチャーズが手がけた最初の作品となっています。

OSSは、Office of Strategic Servicesの略で、第二次世界大戦中のアメリカ軍の戦略諜報局でアメリカ中央情報局(CIA)の前身の一つとなっています。タイトルにある「外套と短剣」は、スパイ要素を含むシチュエーションを指す用語となっております。

この映画のゲーリー・クーパーは、科学者と思えないほど何故だか活動的で強い!反ナチ教授の冒険活劇は「インディ・ジョーンズ」を彷彿とさせますネ。
ヒロインであるリリー・パルマーとの恋愛シーンは、結構邪魔だなと思えるのでが、ナチとの顔面鷲掴みの格闘は「ブラジルから来た少年」を思わせます。 原爆ネタは1946年の日本では到底受け入れらないものだったと思われますし、フリッツ・ラング監督の「マン・ハント」(1941年)や「死刑執行人もまた死す」(1943年)よりも多少見劣りするものの、スターであるゲーリー・クーパーの娯楽戦争映画としては必見ではあります。

スタッフ・キャスト

パルチザンの女性メンバー、ジーナを演じたのは、現在のポーランド出身、のちにハリウッドやドイツ映画で活躍した女優リリー・パルマー。1936年にイギリスでアルフレッド・ヒッチコック監督のサスペンス映画「間諜最後の日」で、情報提供する若い女性役で出演。その後イギリス人俳優でプレイボーイとして有名なレックス・ハリソンと結婚しハリウッドへ進出。フリッツ・ラング監督の「外套と短剣」(1946年)に出演した翌年、ロバート・ロッセン監督のボクシング映画の傑作「ボディ・アンド・ソウル」(1947年)にヒロイン役で出演しています。また、フランスではフランソワ・ヴィリエ監督のノワール映画「マルセイユの一夜」(1949年)のロマの女性役や、ジャック・ベッケル監督、ジェラールド・フィリップ主演の「モンパルナスの灯」(1958年)、1958年には西ドイツ・フランスの合作映画で、1931年の同タイトルのリメイク版である「制服の処女」に主演しています。その後も、ジョージ・シートン監督、ウィリアム・ホールデン主演のスパイスリラー映画「偽の売国奴」(1962年)、西ドイツのオムニパス映画「女と男のある限り」(1963年)、ラルフ・トーマス監督のイギリス映画「群集の中の殺し屋」(1968年)などに出演。美人女優から徐々に怖いおばさん役もこなし、1969年にはイギリス・スペイン・フランスの合作のカルト映画「象牙色のアイドル」では、当時の美少年俳優ジョン・モルダー=ブラウンの息子ラブな学院長を演じています。そこから、ゴードン・ヘスラー監督のポー原作のミステリー映画「モルグ街の殺人」(1971年)、イギリスの子役で有名になったマーク・レスター主演のサイコ・サスペンス「ナイト・チャイルド」(1972年)、フランクリン・J・シャフナー監督、グレゴリー・ペック、ローレンス・オリヴィエ主演のSFサスペンス「ブラジルから来た少年」(1978年)、ジョン・フランケンハイマー監督のサスペンス映画「第三帝国の遺産」(1985年)などの、サスペンスやミステリー映画にご出演されていました。

パルチザンのメンバー、ピンキーを演じたのはイタリア系アメリカ人のロバート・アルダ。1945年に「ラプソディ・イン・ブルー」などの作曲で知られるジョージ・ガーシュウィンの生涯を描いた「アメリカ交響楽」で主演。翌年にロバート・フローリー監督のホラー映画「五本指の野獣」(1946年)では主演の作曲家を演じています。また、アン・シェリダン主演のノワール映画「愛情のすきま風」(1947年)、ダグラス・サーク監督、ラナ・ターナー主演のメロドラマ「悲しみは空の彼方に」(1959年)、フランシス・ライオン監督のネオノワール「知りすぎた少女」(1969年)などに出演されています。また、テレビシリーズの「M*A*S*H」の出演で知られているアラン・アルダはロバート・アルダの息子さんで、ロバート・アルダは「M*A*S*H」にもゲスト出演されています。

まとめ

教授が強すぎて地獄行き

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